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変な大阪弁

2014/11/14

 K-POPスターが日本公演において、日本語でトークするのは見ていて心地よいです。たどたどしい日本語を聞き取ろうと耳を傾けているうちにニヤけている自分に気づきます。日本での活動の長い人はさすがに流暢なものです。BIG BANG やKARA、少女時代は大したものです。東方神起もさながら日本人みたいですね。超新星とかも。でも日本語にかなり熟達している人でも、時おりなまりが出たりして、それがなんだかイイです。どうぞ が どうじょ になってしまうのは韓国人の特性ですね。韓国語では、ざじずぜぞがじゃじじゅじぇじょになるのでしょうか。あと、ぷ と ぶ の発音が極めて曖昧だったり、く と ぐ も判然としないんですかね。韓国語をまったく解しない筆者には、詳しいことは解りませんが。  それと筆者の数少ない経験からすると、女性の方が日本語の錬度が高い傾向が見られるように感じます。コンサートや日本向けのテレビ番組を見ていると、女子は日本語上手いなぁ、とよく思います。

 そしてそして、コンサートの大阪公演でのトークで見せる大阪弁が笑えます。全国ツアーで様々な地方を回るアイドルたちは、さまざまな方言をマスターしているのかというと、そうでもないようです。東京公演で「てやんでぇ、べらぼうめぇとか」「江戸っ子だい」みたいな表現は見られませんし、札幌公演でも、「なになにっしょ」みたいな言い方を真似たりしませんよね。でも、大阪ではかなりの頻度で「大阪、めっちゃ好きやねん」なんて言葉が飛び出します。大阪弁は韓国人にとってもおもろいのでしょうか。「てやんでぇ、べらぼうめぇとか」なんて今じゃ使わないよ、って東京人はおっしゃるかもですが、K-POPアイドルは、わたし大阪弁覚えましたと称して「もうかりまっかぁ、ぼちぼちでんなぁ」とかやります。きょうびそないな言葉、大阪のもんでも使いまへんて、ほんま。いったい誰が教えるんかいなぁ、あないな死語の大阪弁。おもろいわぁ。
 関西人って優柔不断で気が小さいクセに、自意識が強いというか、他の地方に行ってもめっちゃ関西を背負ってますよね。とくに関東に行くと「関東がなんぼのもんやねん」みたいに、なんかケンカ腰になります。そしてその中心が大阪です、難儀なことに。関西の芸人やタレントに仕事も関西弁で通す人が少なくないのも特徴的です。他の地方の人たちはテレビでまで出身地の方言を通しませんよね。ガキですねぇ、イヤですねぇ。筆者は大阪育ちですが、大阪は日本の恥部だと思っています。
 そりゃ、大阪が全国に誇れる文化はぎょうさんありますし、大阪の素晴らしい面もたくさん知っていますが、大阪人のイケイケ、オレオレ根性が好きになれまへん。「ルールなんか破ってなんぼやんけ」なんて下品なところや「なんでオレがせなあぁんねん、誰かにやらしたらええやんけ」と損得勘定丸出しなところ「アホやなぁ、向こうの店やったら10円安いのに」なんてみみっちいところ「20円くらい負けてぇな、ケチやなぁ」とかどっちがケチなんかわからんところ……書いてて情けなくなるのでこの辺にしますが、大阪を中心とする関西圏の人間は、下品な点で目立ちすぎます。
 だから、K-POPアイドルが大阪公演で、今時使いまへんでみたいな死語の大阪弁を披露して下さるたびに、やっぱ大阪って目立ってるよな、と恥ずかしくなります。
 ああ、これは筆者の独断であり偏見ですよ。K-POPアイドルは観客を楽しませるために「めっちゃ好きやねん」言うてくれはるわけですから、聞いてて恥ずかしくなる筆者の方に非があるのであって、今後も大いに大阪弁やるがいいのですが、死語や商売言葉でない大阪弁ってないものですかねぇ。……ないな。

 あと、大阪と言えば"タコ焼き"みたいですね、K-POPアイドル的には。お好み焼きよりもタコ焼きみたいです。公演やカムバック前には試合をひかえたボクサー並みのダイエットを強いられるアイドルにとって、食べ物の話題は切実でしょうよ、若いし。
 ラーメンや寿司も韓国の人好きみたいですね。あと牛丼?
 Orange Caramel の楽曲 CATALLENA のミュージックビデオ(配信禁止になった)に回転寿司が登場しますが、韓国にもあるのでしょうか、生の食材を小皿に乗せてキリキリ回したれっていう傍若無人な飲食店。あんな冗談みたいな商売考えるのって、やっぱ大阪人ですよね。むちゃくちゃするなぁ、って思いますが、ナイスです。好きです。そういや、しばらく行ってないなぁ、回転寿司。あたしゃサーモンとウナギとウニが好物です。
 なんだか話しが脱線転覆してK-POPがどこか行っちまいましたが、筆者のあまり好きじゃない大阪というか関西の言葉は、時々うまく会話に混ぜるとおもしろいのでお試しあれ。

可愛いとセクシー

2014/11/19

 韓国と日本は、おとなり同士の国にして言葉にもよく似た単語がたくさんあります。衣食住の文化にも古来より通ずるものが少なくなく、知れば知るほど親しみを覚えます。ところが性格というか気性にはかなりの差異を感じるのは筆者だけでしょうか。筆者が韓国について知る機会と言えば、映画やドラマや歌番組やバラエティのいわゆる映像と音声を見せられるものでしかなく、実際に韓国の方とお会いして相互にコミュニケーションを行なう機会と言えば、鶴橋や新大久保のコリアタウンのお店の人とのやり取りくらいしかありません。なので筆者がどれだけ韓国人について存じ上げているのかと問われれば、なんも知らへんと答えるしかないわけですが、それでは話しが前に進まんので、上述のメディアに見る韓国人の映像と音声から、人柄を憶測してしゃべることにしましょ。
 ズバリ申し上げるならば、韓国の人は日本人よりも気性が激しいように見えます。日本人は繊細でシャイな人が多いので、そうでない方であっても韓国人ほどには感情表現をおおっぴらにしません。悲しいことがあっても、よよと泣き崩れにけることは少なく、顔に手を当てて押し殺すようにして泣きます。逆に嬉しいことがあった場合は、はにかんだような表情でこしょ〜り笑います。友人や仲間と一緒にいて、ガラガラくじで特賞を当てたり、合格発表で名前を見つけたりした場合には、ガッツポーズと共に大喜びし、この辺りは韓国の人と差異は少ないのですが、会いたかった人と長らくぶりに再開した時などは、恥ずかしそうにほほを染めにへらっと笑うのです。韓国人のように熱き抱擁を交わし「アイゴー」とか叫んで泣いたり笑ったりすることはあまりないのです。
 韓国のある映画で、事故で亡くなった人と助かった人がいて、知人の方が、犠牲者のなきがらに覆いかぶさって「アイゴー」と泣き崩れ、次に生存者を見つけると彼に抱きついて、やはり「アイゴー」と号泣しました。人は悲しくても嬉しくても泣きますが、韓国人の感情表現は激情的です。日本人のようにこらえきれずに涙するというシーンは多くないように思います。
 このことについて知人と話しますれば、チャイニーズでもタイ人でもみんな激しくね? 感情を押し殺すのはジャパニーズだけだぜ、たぶん。そうなのかぁ、ジャパニーズの方がむしろ特殊なんだ。そういやむかし、日本万国博覧会の頃、日本人はポーカーフェイスなので何を考えてるか判らなくて不気味だという感想を多くの外国人が抱いたと、評論家がテレビで言ってた。で、日本人は内省的な人種なので「だから日本人は外人に気味悪がられるんだ」なんて自己反省に至るわけ。「無口で目つき悪いけど、話すと可愛らしいんだぜ、慣れろよ」とは言わないのです。
 ということで、感情を押し殺すのは世界広しと言えども日本人と英国人くらいのものらしく、韓国人の激情型がむしろ人として自然なようですね。

 はい、長い前置きでした、例によって。そういうわけで韓国の人は感情表現が大仰であり包み隠そうとはしないという点で、感情の吐露がつつましやかな日本人とはずいぶんちがうぞってことなのですが、これが女性アイドルの話しになると、日本のアイドルは謙虚でネコを被っていますが、韓国人女性アイドルは正直で感情表現も豊かです。豊かに見えます。アイドルに限らず女性がネコを被ることは、日本では当たり前のことで、狡猾であるとかずるいとかとはいささか性質が異なります。ネコ被りが人を騙す手管のように言う人もいますし、自分を良く見せようとする手段であることにはちがいないのですが、女性がネコを被らず、大胆不敵だったら、可愛げがないとか男まさりだとか言われてしまいます。日本女性のネコ被りは言わば慣習の一種でありたしなみです。
 韓国の女性アイドルは日本のアイドルに比べて、直情的で大胆で素直ですね。バラエティ番組でごちそうが登場すると、自分が食べたいを猛然と表現し、ジャンケンで食事の権利を争おうとします。食べ方も大胆で、口の周りを汚し、口いっぱいにほおばります。見ていて気持ちいほど美味しそうに食べます。日本人の女性アイドルのように、小さくひと口かじって、美味しいですぅなんて、そんなんで味が解るのかよって突っ込ませてくれません。←日本語おかし? 口の周りをまっ黒にして、もう入らねぇってほどジャージャー麺をほおばる姿は、韓国では女性アイドルでもふつうですが、日本ではお笑いタレントの域になります。……これはあくまで概論で、最近のアイドルは日本人でもかなりやりよるケースもありますけど。
 韓国では見え透いたお世辞や自己主張の抑制は、日本ほどふつうではないようです。ファッションやメイクには敏感で、自分をきれいに見せることには積極的ですが、靴の上げ底をバラし合ったり、バツゲームですっぴんになったりは案外平気みたいです。日本の女性アイドルはオナラはしないそうですが、韓国人女子は、しばしばオナラネタを披露します。
 日韓の女性アイドルを比較すると、韓国はかなりおとなです。可愛いよりもセクシーが得意のようです。平素の話し方も韓国女性はかなり低音で、日本の若い女性はふつうに裏声で話すのでひじょうに声が高いですね。
 日本のアイドルをツラツラッと列挙してみますれば、AKB48、ももいろクローバー、私立恵比寿中学、乃木坂46、きゃりーぱみゅぱみゅと、ずいぶん可愛らしい娘っ娘(むすめっこ)がゾロゾロ出てきます。往年のアイドルでもキャンディーズや松田聖子など、可愛い系がほとんどで、セクシーアイドルを探すにはかなり苦労します。
 一方、韓国の女性アイドルの場合は、セクシー系が圧倒的で、KARAや少女時代でもその要素をたっぷり持ち合わせています。KARAが Honey で見せたブリブリのロリータ衣装はかなり可愛かったですが、あれは当人たちにとってはなかなか恥ずかしい思い出なのかも知れません。RAINBOW も Tell Me Tell Me や Sunshine、RAINBOW Pixieという3人ユニットで出した Hoi Hoi ではかなり可愛い路線を頑張りましたが、その後それを打ち消すように残り4人のユニット RB Blaxx が ChaCha という超セクシーナンバーを出しています。SISTAR や missA、Nine Muses は一貫してセクシー路線で、Girl's Day、AOAや STELLAR はセクシー路線に移行して成功しています。Secret は可愛いとセクシーをデビュー以来巧妙に使い分け、いずれの路線でも成功していますし、4MINUTE も両刀使いですが、最近はどちらかというとセクシー要素が多い気がします。T-ARA も大ヒット曲 Bo Peep Bo Peep や Roly-Poly は可愛い路線でしたが、その後はセクシー系というかカッコイイ系の楽曲重視を中心に多数のヒット曲を出しています。4MINUTE や T-ARA は明確なセクシー路線はとっていないですね。T-ARA の Sexy Love は曲のタイトルことセクシーですが、ピンクのロリータ衣装で挑んだMVはとっても可愛かったです。あれをセクシーだと感じるファンも少なくないようですけど。
 さてさて、セクシー系カッコイイ系が主流のK-POP業界で、可愛いアイドルを貫き、大成功を収めているのが、AFTER SCHOOL が産んだ3人ユニット Orange Caramel、APink、CRAYON POP といったところですか。それでも日本のアイドルほどの可愛い路線には及ばないでしょう。中高生の学生服をイメージしたような衣装やブリブリのロリータ服は、K-POPアイドルには荷が重いようです。CRAYON POP からつい最近派生した双子2人組ユニット Strawberry Milk は、日本の可愛いにかなり肉薄していますが。

 上述の感情表現の話しで、日本が世界的にかなり特殊というか特徴的であるように、アイドルにおける日本の可愛いもやはり世界的に異質なようです。世界の音楽業界でいわゆるガールズグループと呼ばれるものは、韓国のそれと同じで技術重視の歌手集団ですが、日本のアイドルは技術よりもルックス、可愛らしさ、むしろ幼さが重要で、アイドルとははなっから十代のファンおよびロリコンのお兄さんおじさんをターゲットにしています。シンガーソングライターや実力派の歌手とは基本コンセプトがちがいます。ただし、アイドルの中から実力派歌手が育ってゆく要素も存在します。EXILE のDNAを受け継ぐとするユニット E-girls は日本のアイドル歌手としては異例の最初から高度な技術を持つガールズグループで、K-POPアイドルに迫っていますね。
 韓国のバラエティ番組の中で、女性アイドルやタレントが、可愛いポーズやしぐさを披露すると、日本のアイドルか、といった突っ込みが返ってくることがよくあります。筆者がどっぷり浸かって見ていた番組「青春不敗」でも、韓国軍の若い兵士たちと女性アイドルたちが共同で雪かき作業をする一幕で、少女時代のサニーが可愛いしぐさをすると、兵士たちがアホらし、といった表情で雪かき道具を投げ出すというくだりがありました。兵士たちはみんなアイドル大好きで、個人のロッカーには必ずと言ってよいほどアイドルのブロマイドを飾っているのですが、彼らがアイドルに求めるものは日本とはちがうようです。

 韓国では、K-POPアイドルのファン年齢層がたいへん低く、それこそ中高生が中心であると聞きます。実力派ガールズグループなのに。日本では、最初から中高生のファン層を狙っているにも関わらず、かなりの高齢までファン層が拡がっています。かつて若かったファンが精神年齢そのまま年取ったみたいな。とくにK-POPの日本人ファンは中高年層が中心と思えるほど平均年齢が高騰します。面白いものですね。アイドルとファンを日韓で入れ替えたらどうよ、って思います。
 現在の韓国のファンたちは、そのまま年を取って中高年からそれ以上になってもファンを続ける人が増え、日本と同じような状況に今後はなってゆくと思いますけど。
 筆者の知人にK-POPの話しを振ると、男の子の方が可愛い、可愛い男の子が好き、なんてショタコンな答えが返ってくることがしばしばです。そう言われて見てみますと、韓国の若い男子は化粧もバッチリの綺麗な顔の子たちが多く、直情的でネコを被らない女子に圧されがちなシーンもよく目にします。……何に可愛いを求めるか、どんな可愛らしさを求めるかは人それぞれですけど、人間はなかなか困った生き物だとつくづく思います。
 SUPER JUNIOR のヒチョル様は、EVAのアスカ様に可愛いを求めてつい先日、大阪日本橋を訪れたそうです。それならそうと筆者にメールくだされば、日本橋のディープな部分を、ヒチョル様を再起不能にしちまうようなロリでドールな世界を案内して差し上げたものを。

バラエティ番組

2014/11/20

 音楽業界を支えているのは、楽曲がCD等のメディアとして売れて業界が儲かるという図式が成り立つという、いわゆる音楽が商売になるということにほかなりませんが、それには良い音楽を作るという基本だけではなかなか立ち行きません。映画が客を動員するのに人気俳優の存在が欠かせないように、音楽にも歌手の人気というものがひじょうに重要です。好きな俳優が出演しているから映画を観るみたいな、考えてみれば本末転倒のような要素が芸能業界にはたいへん重要です。好きな歌手が歌っていれば、曲を聴いてもいないのに予約してしまう。好きなアイドルグループの楽曲ならば、CDの内容は同じでも様々なバージョンをコンプリートしてしまう。そんな商売をあざといとしながらも、それに乗せられるのがファン心理ってものですよね。初回限定バージョンにランダム封入されているトレカをコンプリートしようとするならば、それこそ何枚も同じCDを買わねばなりません。韓国のCDに初版とか再版とかがあるのかどうかは知りませんけど。
 業界のあざとい商戦に騙されるというか乗せられるというか、解っていてハマるというか、ファンというものは愚かなものだと思いますが、この愚かさが業界の発展に大きく寄与していることは間違いなく、ファンがことごとくケチで打算的だったとしたら、業界は潤わず、素晴らしい楽曲が次々にリリースされるような状況も遠のいてしまいますから、ファンを愚人と称することはできまへん。
 ファンにとってはアイドルが第一義であって音楽は二の次みたいな状況がありますが、それも批評することはできまへん。映画やドラマと同じです。映画やドラマのプロデュースに人気キャストの起用は最重要課題です。作品の素晴らしさによる売り上げ効果は、観た人の評価やくちコミに依るわけで、最初に観る人を引きつけるには、様々な人気要素を駆使しなければなりません。
 音楽を好きになるキッカケは、楽曲の素晴らしさと必ずしもイコールではありません。楽曲の善し悪しとは聞き手の主観によるものですし、その主観はシチュエーションに左右されます。感動的なドラマのBGMとして使われていたから好きになった、苦しいときに勇気づけてくれた曲だった、悲しいときに慰めてくれた曲だった、大勢の人が素晴らしいと評価していた。そうしたシチュエーションは偶発的に訪れるもので、勇気づけてくれた曲、慰めてくれた曲がちがっていれば、別の作品を好きになっていたでしょう。みなさんにも自分が素晴らしいと思っているのに、ヒットしなかった曲や、逆になぜヒットしたのか意味がわからんような曲があるでしょう。
 そして曲をヒットさせる要素の中で大きな比重を占めるのが演じ手すなわち歌手でありアイドルであるというわけですね。音楽業界は、素晴らしい楽曲作り以上に人気歌手の育成に、歌手の人気を上げることに切磋琢磨するわけです。
 人気歌手を売り出すにはどうすれば良いでしょう? 美形の人材を起用する、歌の上手い人材を育てる、ダンスが優れた人材を選ぶ。それら総合的な要素を兼ね備えた逸材をゲットできれば事務所的にはラッキーですが、美形で万能の歌手が人気が出るとも限らないのが芸能業界のおもしろいところです。

 筆者は、数名の知人と月いちていどのK-POPお食事会を持ちます。現在のところいつも同じメンツの集まりですが、みなさんひじょうに熱心なファンなので、会う度にホットでディープな情報を提供してくださるので、お食事会は毎回ひじょうに有意義です。そして熱心なファンは雄弁な評論家でもあり、評価の対象は歌手や音楽に限らず業界の様々な事情に及びます。
 そのお食事会で、アイドルのどこが素晴らしいかという話しになりますと、歌が上手いとか声が素敵といったことよりも、性格が良いとか、ファッションセンスが良いとか、しぐさや言動に惚れたとか、音楽と関係ねぇし、みたいな内容が多くなります。
 誰々はドジで天然だけど、とってもファンのことを思っていてサービス精神が旺盛だとか、誰々は奇行や単独プレイが目立つけれど、じつはアイドルの本分をちゃんと解っていてメンバーの面倒もよくみているとか、誰々ははにかんだような笑顔が絶品なのだとか、……音楽のことはどうした、誰々のコーラスが絶妙だとか、彼の声に惚れたとか、あの声は彼にしかだせないとか、そんなことは大事じゃないのか、と突っ込みたくなりますが、じつは突っ込みたくなりません。みなさんのおっしゃることはつくづくその通りだし、よく観察していると感心させられるし、ファンとはそうしたものだと納得できるからです。  楽曲を好きになる様々なシチュエーションと共に、歌手を好きになるということが、楽曲そのものを素晴らしいものに昇華させる重要な要素です。
 そして、ある歌手のファンになるというのは、恋愛と似たようなもので理屈よりも出会いです。出会いに理由はないが別れるのには理由が必要だって、NERV特殊調査部の諜報員の加持リョウジも言ってました。出会う機会をたくさん持っている、すなわちすでに人気があってステージに立つ機会が多いアイドルはますますファンを獲得できます。
 そして出会いやシチュエーションに理由がなく偶発的要素が大きいとすれば、業界は誰の何がヒットするか解らないというリスクとの戦いです。

 アイドルとは、作られた人格です。ファッションやメイクや美容外科技術の専門家が、カメラやステージや照明や音響のエキスパートが演出したキャラクターです。種々のプロフェッショナルがしのぎを削って仕立て上げた人格ということならば、ぶっちゃけ初音ミクがもっとも完成形に近づけるでしょう。しかしアイドルの素地は生身の人間であり、不完全さ曖昧さの固まりです。いつ何をしでかすか、ご本人にも解りません。そしてその不完全さがバーチャルアイドルよりも圧倒的に優れた点でもあります。全ての素晴らしさを総合的に備える電子キャラよりも、不完全であり曖昧であることがファンにとっては重要だからです。アイドルが作られた言わば虚構的な存在であるからといって、画一的な類型化が過ぎると、本当のファンを獲得することはできません。ファンである生身の人間が多種多様だからです。ファンは歌やアイドルが好きといった共通要素を除き、性格も社会的な立場も様々です。ある人にとっては素敵だと思えるアイドルの特徴も、べつの人にとっては欠点であったりします。人は流行や群集心理に流されつつも他人と同じじゃ納得できません。ひとりのアイドルにさえ、いろんなファンがいろんな魅力を見つけます。  そういうファン心理を考えますと、アイドルというものはステージの上でプロデュースされた通りに演じるだけでは、真のファンを獲得できないのかも知れません。ステージ上の姿は、むしろファンになるキッカケに過ぎないのかも知れません。

 ファンがアイドルとの絆を深めて行く要素は、いつも同じ歌っている姿よりもむしろ、ステージ以外で見せる別の表情やクセや趣味、人間くさい性格といったものに触れるということでしょう。ステージで歌っている時とちがった側面を知った時、ファンは一歩アイドルに近づいた気持ちになります。それが積み重なって行くことが重要なわけです。これって、人との出会いや恋愛と同じだと思いません? 同じなのです、イコールなのです、当然なのです。だって人間だから、ファンとアイドルだって人と人との触れ合いなのですから。ファンの一生懸命においてそれは恋愛感情と変わるところはないのです。一方通行の恋愛を虚しいと否定する人もいますが、そうおっしゃる方だって片思いや、一方的な愛情に胸を痛めたことがあるはずです。相思相愛に見えるカップルでさえ、中身は判りまへん。どちらかがたくさん愛情を注ぎ、どちらかが愛されて一緒にいるのかも判りまへん。そもそも2人がぴったり等量の愛情を分け合っているカップルなんて実在しないかも知れまへん。
 筆者は特定のアイドルに熱を上げた経験などございませんけれど、熱狂的なファンの衝動や、アイドルに対する一方通行の恋愛感情については理解があります、あるのですよ。理想を追い、虚構に遊ぶことができる人間という生き物にとって、そうした恋愛の形はたいへん高度でさえあります。

 はい、長い長い前置きでした。書いてて何について語ろうとしていたのか忘れるほどでした。
 では本題です。ファンがアイドルのステージで歌う時以外の姿を知るきっかけ、より絆を深めるきっかけ、それを作ってくれる大きな機会のひとつがバラエティ番組です。聡明な読者には、これ以上語る必要もないでしょう。好きなアイドルが出演している番組だから見てみた、見てみたらアイドルのまたちがった側面や生きざま、過去の経験などを知ることができ、いっそうお近づきになれた。これからもそうしたバラエティ番組はチェックしてゆかねば、そんな経験をお持ちでしょ?
 ネコを被るという習性を持つ日本のアイドルでさえ、バラエティでいろんな側面を見せてくれます。日本では、イメージが壊れると称して映画俳優はバラエティには出ねぇ、なんていう風潮もありましたが、韓国ではトップアイドルも著名な銀幕のスターもこぞってバラエティに出演なさり、バカをやって大笑いします。すんばらしいです。すてちです。
 ちなみにお勧めのバラエティ番組は、ドニ&コニの週間アイドルでしょう、やっぱ。あの番組のDVDとかオンデマンド配信とかないんやろか。日本語字幕付きで、よぢゃ限定で。  ぶっ壊しのボミ(APink)やミナ(AOA)のサソリダンスは、素晴らしすぎて泣けました。

同名曲のこと

2014/11/21

 K-POPを聴いてますと、同じタイトルの曲が目につくことがあります。最近では、APink と Ailee が近い時期に no no no をリリースしていましたし、SISTAR の give it to me は 2PM にも同名曲がありました。今年デビューした新人の LABOM の 두근두근(ドキドキ/ Pit-a-Pat) も少し前に BESTie がハングル表記も英語表記も同じタイトルで歌っていました。表記の問題は歌番組に依るものかも知れませんが。また、イ・ヒョンとチャンミン(2AM)のユニット Homme の楽曲 It Girl も APink の最初の頃のアルバムに同じタイトルの曲が入ってたと思います。古くは少女時代の let it rain が 2PM の楽曲と同名でした。
 最近でもっとも話題になったのは、Girl's Day と 東方神起が somrthing という同名曲で1位争いをしたことでしょう。筆者が見ていた歌番では Girl's Day に軍配が上がり、嫁さんが同じ曲名だから視聴者が投票を間違えたのだと、男子ひいきなことを言ってましたが、のちに東方神起が勝利をものにしているようです。
 ただね、同名曲の問題については語る意味がありません。筆者が個人的に気になったってだけの話しです。書いたけども無駄でした。やめときゃよかった。というのもこれはK-POPだけの特徴ではなく、J-POPにも同名曲はわんさかありますし、そんなこと言ったらメリケンPOPにも、クラシック音楽にさえ、同人の曲にすら同名曲は氾濫しているわけです。歌手名と曲名が同じなんてのも少なくないですし。むかし風の風というジャパンフォークソングがありましたなぁ、古!

 でもせっかく書いたので、このまま虚しく終わりにするのもアレなので、同名曲に関してひと騒動あったという記事をネットで見つけたので紹介しておきましょ。
 少女時代の新曲 Mr.Mr. は日本語版もリリースされた今年のソシの代表曲ですが、2012年にデビューした男子グループ MR.MR とあきらか同名ですよね。あたしゃ少女時代が MR.MR のことを歌ったのかと思ったよ。ウソです。  でだ、これを追うように MR.MR が新曲 MR.MR をリリースしたわけさ、風の風みたいに。するとこれを聴いた少女時代のファンが、僕たちわたしたちの少女時代をディスってんじゃね? とか、ディスってんじゃねぇ、といった反応を見せたというんですね。ディスるとは 非礼とか中傷するといった意味の英語 disrespect のネット語っす。
 MR.MR の歌詞を記事からコピペしますと「無視するのか、なめてるのか、透明人間じゃね。お前ならどうだろう、お前も同じならどうだろう。高い所から見たオレはちっちゃく見えただろう」といった感じです。……むむぅ、ソシなめとんのか、ディスってんじゃねぇぞ、こるらぁ。
 しかしだ、MR.MR 側は、大スターが Mr.Mr. をリリースしたおかげで新人である MR.MR の名が、各種のポータルサイトやWebなどから消えたということで、少女時代ではなく所属事務所SMエンターテイメントを非難したと、少女時代ディスる疑惑は本当だぜと認めたそうです。これは MR.MR 本人ではなく、同所属事務所 Winninb insite M の代表の言動です、念のため。
 ことが大手事務所の横暴とあれば、ここは MR.MR のすべきですね、人として。いくら少女時代のファンだからとて、JapanGGファンクラブ入ってるからって、でっかい企業がでっかいツラするのは好かんです。MR.MR 可愛そうです。韓国には200〜300もの芸能事務所があって、大手は数社に過ぎず、小さなところは大手と対等に歌手を育て売り込むのに大変な苦労をされているそうです。その努力をですね、9人のガールズ(途中から8人になっちまったけど)がステージでカフスボタンを留める振りをしてミスターミスターと歌っただけで一蹴してしまうなんて、ひどい話しです。ムカつく話しです、ええ、ムカつきますとも。
 SMサイドとしては、一蹴する気なんかなかったよって言いたいところでしょうし、事実その気もなかったのでしょうが、ここはそんな結果になってしまって申し訳ないと、紳士的な対応をとるべきです。そりゃ、この手の弊害を考慮してたらキリがないし、悪気もないのに謝罪するのも不本意ではありましょうが、弊害があったという事実を配慮したコメントは出すべきですね。
 ならば、報復ソングを発表した MR.MR 側はどうよ、って話しですが、SMサイドに悪気がなかった以上、MR.MR 側の一方的なSM批判ですし言いがかりもはなはだしいとうことになるのでしょう。裁判沙汰にでもなったなら(そんなことしないと思いますが)、強きを助け弱きをくじく裁判所は MR.MR 側に敗訴を言い渡すことでしょう。
 でも、筆者は MR.MR 側の態度に同調したいです。人として強きをくじき弱きを助けたいです。SMに悪気はなかったね、たまたま運悪く不幸な結果になっちまっただけだね、なんてふんぞり返っている大手に、こんな形で一矢報いようって態度は立派だと思います。そしておそらく、SMにとっては痛くもかゆくもない一矢でしょう。一矢ですけれど、ファンや視聴者には思いが届いたかもしれません。少女時代のファンにして男子グループなんかどーでもいい筆者の心には、しっかと届きました、届きましたとも!
 みなさん、MR.MR の MR.MR を応援しましょう。ここは人として、ね。まかりまちがっても MR.MR を攻撃するなんてことはダメです。SM攻撃もダメ。MR.MR を応援するですよ。

銀テープ

2014/11/24

 最近はコンサートと言えばK-POPしか知りませんが、宴もたけなわってときに、パーンとかズドーンとか大砲が鳴って、銀テープが宙を舞うじゃないですか、あれを持って帰りたがる変な観客って意外に多いんですよね。だって、ただの銀テープだぜ? えっ? 金のもあるって? へ理屈言うな! しょせんはテープだろうが。パーティなんかでクラッカーから飛び出すアレみたいなもので、言わば景気づけというか、盛り上げるための演出っていうか。そんなもんいちいち持って帰ってどうすんねん。
 銀テープは、だいたいステージ近くの席やアリーナ席の中央あたりの、どこからでも良く見える場所に射出され、一時空中を舞ったあと、その辺りの客席だの通路だの、出っ張りステージだのに着地します。それをあろうことかスタッフがですね、せっせと集めて客席に放り込んだりしているわけですよ。要らんやろう。それを観客たちが手を広げて受け取っているわけ。やれやれ、持って帰れるものなら何でも持って帰ろうってか。
 あんなもん、持って帰ってどうするんですかね。家で空中に放ってコンサートごっこでもするんでしょうか。アルバムに貼ってコレクションするっつーても1メートル以上ありますぜ、1本の長さが。嬉しそうに持って帰ったって、けっきょく家でゴミになるだけちゃうんかい。

 そりゃ、かく言う筆者も頭上にそれが降り注いだ時には、なんじゃこりゃってんで手にとってみましたよ。なーるほど、こういうのが宙を舞ってたのかぁ、大砲が何本あるのか知らんが、1回のズドーンでけっこうたくさん飛び出すもんだなぁ、なんて感心したりして。
 え? 持って帰ったことないのかって? ……まぁ、何というか、ないことも……ないんですけどね。せっかく降ってきたわけだし、テープゲットしたぁって周りの女の子たちがピョンピョン跳ねてるのに、ケッとか言って捨てるのも、悪いっつうか、空気読めよっつうか。目の下に貼り付けて泣いてるごっごしてるのも可愛いっつうか……。しゃあないから周りに合せて喜んでるフリして、自分に降りかかった1本くらいは持って帰るフリでもしとくか、って隣を見たら嫁さんが、せっせと綺麗に巻いてるし。お、お前もかぁ。いいのか? それ。嬉しいのか? たかが銀テが? 安ぅ。安いわぁ。
 興行主のみなさん、音楽事務所の経営者様。ファンなるものは、こげな安価なモノで喜々としとりまっせ。ここは大砲の数をもっと増やしてですねぇ、アリーナの後方にもスタンド席にも、天井席にも銀テープが行き渡るようにしていただけないものでしょうか。会場を埋めつくすほどの銀テープってのもまた一興だと思いますよ。ゴミにならないようみんなでせっせと回収して持ち帰りますゆえ。

 さてさて、たわむれに持ち帰った銀テープを家で改めて見つめますと、どう見てもただの銀テープでした。目の下に貼り付けて"泣き"をやる以外に用途も思いつきません。
 しかしだ、嫁さんを含む我らがK-POP仲間はですね、これをばクルクルッと巻いて透明の可愛らしいボトルに収容するわけ。100均とかホームセンターとか、loft とか無印良品とかに売ってるプラスティックで透明の円筒形の小さなボトルがあるでしょ? トラベルセットとしてハンドクリームでも詰めるとよろしかろ、みたいなやつ。高さが銀テープの幅にジャストフィットするていどのボトルを見つけてきて、その中に巻いて入れますれば、銀テープもなかなか素晴らしいコレクターズアイテムに変身するわけですよ。フタに公演名と日付でもマジックで書いておけば、もうめっちゃラブリーで。
 驚きました、やられました。銀テすげぇ、群テ最高。
 一昨年だったか、京セラドームで行なわれたゴールデンディスク授賞式で、少女時代が受賞した瞬間に降ってきた銀テって持ってますぜ、いいやろう?
 去年のT-ARAのは赤やら青もありました。去年の少女時代のはテープにロゴマークが印刷されてました。メッセージ入りのもあるって嫁さんが言ってました。

 これからも銀テ集めるねー、ええ、集めますって。
 今年の少女時代は銀テ飛んでこなかった。くそっ。SUPER SHOW もしかり。腹いせにアナ雪んときの雪に見立てた紙吹雪を持って帰りました。

カメラワーク

2014/11/25

 K-POPの歌番組見ていると時々思うんですけど、カメラワークがいささか残念じゃないですか? 動きすぎて見づらいし、肝心なところを写さなかったりするし。テクニックのあるところを見せたいのかもしれませんが、たまにはじっとしてろよってよく思います。遠方からのズーム、パン、回転など、確かにテクニックは認めますけど、あきらか過剰です。カメラワークの品評会じゃないんだから、そんなにひけらかされても困ります。
 一瞬たりともじっとしていないカメラワークのおかげで、アイドルの顔がちゃんと見えません。新人の顔も覚えられません。動きが激しいK-POPだから仕方ないのかなぁ、なんて最初は思ってましたが、どうやらそのせいばかりではなく、カメラワークにも問題ありだと最近思うようになりました。
 とにかくダンスが売りのK-POPですから、随所にアッと言わせるアクロバティックな演出があったり、絶妙なフォーメーションで図形や物を描いたりするわけじゃないですか。縦列で千手観音やってる時に横からズームしたり、ハイジャンプの見せ場で客席写してたり、あれでは苦労して練習したパフォーマンスが台無しです。
 基本的には、今歌ってるメンバーにカメラを当てているようですが、それも前後に動き回ったり上下左右にパンしたりで、ちゃんと見えません。ほんと勘弁してほしいです。  YouTubu のダンスプラクティスの動画を見て初めて振り付けがよく解ったなんて、歌番はなにやってんだって言いたくなります。
 カメラの影が何度も歌手と重なってたなんてこともありましたし、クレーンカメラが歌手に激突したのも見たことがあります。これってもはや事故でしょう。

 その点、日本のカメラワークは見やすいですね。ズームもパンも、真上から撮るのも客席を流すこともありますが、肝心なところはちゃんと押さえていますし、歌手の顔もきちんと映してくれます。K-POPアイドルのパフォーマンスがアクロバティックだからって、カメラまでそれに倣うことはないです。効果よりもよく見せる技術をみせてほしいものです。
 うわさですが、中国のカメラワークはもっと悲惨らしいです。見ていて船酔いするそうです。暴れてはいけませんってカメラマンさん。

 筆者は映画が好きで、中国映画も韓国映画もよく観ます。美しいです。さまざまな特殊効果の技術はもちろんのことカメラワークも素晴らしくて、映像美に目を奪われます。韓国のテレビドラマは、映像がとてもクリアで、俳優の顔もよく判ります。中国も韓国も、映像技術において日本やハリウッドを凌駕するほどのものを持っているはずです。それなのにステージ上のアイドルのパフォーマンスを映すのはどうしてあんなに見苦しいものになってしまうのでしょう。
 思うに、音楽業界の舞台カメラマンは暴れすぎです。カメラ技術よりもアイドルの顔や演技を見せることにもう少し重きをおいてほしいものです。
 くちパクがばれないように、わざと見苦しくしていると言っている人もいましたが、おそらくそれはちがうと思います。パフォーマンスによっては、くちパクじゃないと無理なものもあるかもしれません。それはそれで良いと思います。楽曲の素晴らしさもさりながら、ダンスの素晴らしさもK-POPの醍醐味であるわけですし。ダンスが激しすぎて生で歌えないのは本末転倒だという意見もあるかもしれませんが、ポップミュージックが単に聞かせるだけの音楽ではないことは、K-POPに限らず洋楽や邦楽でも同じことです。そればかりか古来より受け継がれてきた世界中の民族音楽においても、舞踊や衣装といった見せる要素は存在します。
 これからも素敵なK-POP音楽を"見たい"ものです。

アイドルとアーティスト

2014/11/26

 アイドルという言葉は、偶像という意味の英語の idol に由来するものだそうです。idol の示す偶像には目に見えないものを具象化させたもの、すなわち宗教的な神やそれを描いた絵画や彫刻などがあり、これを崇拝したり信仰したりすることが、いわゆるアイドル礼賛であるわけです。かつてはフランク・シナトラやビートルズが、アイドルとして認知されていたとも言われています。
 筆者が考えるアイドル像は、日常的な人間で周りからもてるといった人材では役不足で、その本来の意味合いのように、手の届かないところにいて万人が知り憧れる、超人的な異彩を放つ存在でなくてはならないといった感じです。アイドルは生身の人間が演じるものではありますが、芸能業界の様々な才能と労力によって作り上げられる理想の存在であり、演じるのは人間であっても作られた存在です。常人では手の届かない一流の美容術、一流のメイク、一流のファンションで飾られ、一流のアーティストが作った作品を完璧に演じ、万人の恋人にして本人のプライベートは極めて小さく、生活のほとんどが衆目にさらされた状態、そうした特異な存在、それがアイドルです。
 電脳ネットワークが充実し、情報化時代とも言われる現代では、プロのノウハウが一般人の生活の中に流出し、芸術の分野ではプロアマの線引きがどんどん曖昧になり、アイドルも業界が作り上げるものとは限らず、地下アイドルといったマイナーな存在もどんどん増え、それがメジャーなアイドルにまで登り詰めることもあり得ないことではなくなって来ました。あまり名のしれない地下アイドルでは、アイドルである時間も長くはなく、プライベートの時間もたっぷり持っているのでしょうが、メジャーな、知名度の高いアイドルになるとプライベートの時間はほとんど持てず、存在が神格化されます。
 筆者は、宗教を信仰したり、アイドルにのめり込んだりするタイプの人間ではありませんが、アイドルに熱を上げ、追いかけたり、せっせとCDやグッズを買い求めたり、情報交換ネットワークに参加し、アイドルの動向を常にチェックし、そのことが生活の重要な部分を占める、というふうにはなれませんが、そのような人たちの気持ちは解りますし、ファンとアイドルの関係も無益だとは考えません。有名なアイドルともなるとひじょうに大勢のファンに愛されていて、その人たちのおかげで、リリースする楽曲がことごとく歌番組等で上位になってしまう、そうした状況を本末転倒のように批判する人もいますが、筆者はそうは思いません。楽曲の素晴らしさとランキングが一致していない、人気アイドルが歌えば平凡な曲でも名曲になってしまう、それで良いと思います。芸能業界が売り出す作品というものは、楽曲と歌手が表裏一体のものなのです。同じ楽曲でも売れない歌手が歌う場合と人気アイドルが歌う場合とでは商品価値すなわち売り上げランキングや歌番組でのファン投票が大きくちがうわけです。
 ジャズやクラシックファンにしてみれば、楽曲よりもアイドル重視の芸能界の有り様を、いかにも俗っぽいと感じるかもしれませんが、クラシックファンとて、有名な指揮者が棒を振る一流の楽団による演奏を素晴らしいと認めるわけです。そこにはアイドル心理に似た感情があるはずです。有名な指揮者や楽団の技術が卓越しているからだとおっしゃるかもしれませんが、ポップス歌手だって様々な面で卓越しているのです。古典的な音楽のような歌唱や演奏の技術のみならず、ルックスや立ち居振る舞い、個性や演技といった、現代の映像表現文化ならではの素養を培って、アイドルという存在を完成させているわけです。
 音楽性というものがいかにも高尚で、アイドル信望が世俗的という概念から、人気アイドルの演じる楽曲が売れる現象を見下す人も少なくありませんが、多くの大衆心理を惹きつけるアイドルを築き上げる現代の芸能業界は、あらゆるジャンルのエキスパートを総動員して万人に愛される人格を完成させるわけですから、言わば芸術の集大成でもあり、単なる若い子だましではありません。アイドル信者に多感な若い世代が大勢引き込まれるから、若い子だましのように見えるわけです。
 最近では、暮らしのゆとりや文化的生活の向上から、年配になってもアイドル信望を卒業しない人、むしろ年配になってからアイドルにハマる人がどんどん増え、アイドルの支持の仕方、アイドルに求められるものも高度になりつつあります。
 アイドルというものを極めてポピュラーなものにし、楽曲よりもアイドルの育成に尽力して、若いファンを獲得しようとしたのは、日本の芸能界でとくに顕著で、アイドルのイメージを平易なも
のにした原因の多くはJ-POPにあるような気がします。歌唱力がなくてもルックスが優れていればアイドルに仕立て上げてしまう、そうしたコンセプトを音楽にくっつけ、レコードの売上を伸ばしちまおうとしたのは、日本の芸能界の大きな特徴です。それは日本で大成功し、歌はいまいちだけど可愛さカッコ良さは抜群といった歌手がたくさんデビューしました。
 その反面、アイドル性、スター性ということよりも、音楽の素晴らしさを演じたいといった、ピュアなポップス歌手も、アイドル歌手と相乗効果的に育まれ、J-POPは、アイドルとアーチストに二分するといったユニークな傾向が生まれました。
 K-POP業界が歌手をアイドルと呼称するのは、おそらく日本の影響が大きいと思われます。韓国でも伝統音楽やドロット、バラードを歌う歌手以外に、アイドルを育てようというコンセプトから現代のK-POPへの傾倒が育まれ、それがさらに発展して一流の音楽プロデューサーが曲を作り、高度なダンステクニックをマスターしかつ歌唱力も備えた歌手にそれを演じさせようという夢のプロジェクトへと発展して行き、それが世界を魅了する音楽ジャンルへと進化を遂げたのでしょう。
 K-POP業界では、同じアイドルと呼ばれる歌手でも技術レベルがちがいます。J-POPではアーティストと呼ばれる人材が、アイドルを演じています。日本人の感覚ではアイドルというとアーティストよりも技術が劣るルックス重視の歌手といった見方がありますが、K-POPでは、アーティストレベルの技量を持った歌手がアイドルを演じるわけです。かつてフランク・シナトラやビートルズがアイドルとして認知されたとするなら、K-POPスターの方がむしろ本来のアイドルに近い姿なのかもしれませんね。
 少女時代が日本の歌番だったかバラエティだったかで、アイドルよりもアーティストと呼ばれたいと言っていたのを聞いた覚えがあります。歌手の音楽への思いや取り組みが言わしめた言葉のように筆者には聞こえましたが、その思いとファン意識、あるいはアイドルを売り出す業界の思惑といったものには、それぞれギャップがあるかもしれませんね。
 ぶっちゃけ、アイドルとアーティストの線引きというものは、曖昧なものなのでしょうし、曖昧なもので良いのでしょう。アーティストがアイドルやっていいですし、アイドルがアーティストを自称しても問題もなければ違和感もありません。歌手自身が自分はアーティストだと思ったところで、大勢のファンが信望すればアイドルになってしまいます。

 筆者は、中高生の頃からずっとオタクで、オタクという言葉が生まれる前からオタクで、アニソンや電波ソングに親しんでまいったのですが、なぜだかアイドル歌手に入れ込んだことはあまりありませんでした。日本アニメが世界的な文化として成長するにつれ、名だたる歌手がアニソンを歌い、声優がアイドル化したり本格的な歌手になったりし、J-POPとアニソンの線引きもすっかりなくなってしまってからも、日本の芸能業界にはうといままでした。これにはあまり意味がありません。おそらくJ-POPをチェックしているヒマがなかったのでしょう。
 それが、K-POPを聴くようになってから、J-POPのアイドル歌手にもいくらか関心がわくようになりました。日本の可愛いアイドルだって悪くありません。AKBだってモモクロだって良さげな歌がありそうです。
 K-POP歌手は、日本の芸能界のどんどん殴り込みをかけて来ます。日本のレコード会社からどんどん日本語の歌をリリースします。日本とはそのうように密接な間柄なのに、やはり日本のアイドルとは同じではありませんね。可愛い系のアイドルで売っていた GIrl's Day や STELLA がセクシー系に転向して成功したように、私立恵比寿中学 や 乃木坂46 がセクシー系に転向しても成功するでしょうか? セクシー系の AFTERSCHOOL から派生したユニット ORANGE CARAMEL は真逆のパターンで成功しましたが、これも日本のアイドルには真似できそうにない気がします。
 今年日本デビューした APink は一貫して可愛い系を通し、大ヒットを飛ばしましたが、日本のアイドルの可愛い系とはかなり差異があるように思えます。CRAYONPOP からつい最近派生したユニット STRAWBERRY MILK は日本の可愛いに肉薄していますし、INFINITE の妹分としてホットデビューした LOVELYZ も学校制服姿で登場し、可愛い好きの注意を大いに引いたと思われますが、今後どうでしょう? 予測がひじょうに難しいですね。

 音楽が見せるものとして発展してきた現代、歌手がアイドルとして神格化され、音楽性以上にファンの憧れと化してしまった現代、音楽業界をリードするものは、もはや単なる音楽ではなくなってしまいました。音と映像と人々の憧れを融合した芸能を、音楽とはちがった新たな呼び方で呼称するべきではないのか、そんなふうに思ったりもします。それが今のところはアイドルというものであるのかもしれませんけどね。

韓流英語

2014/12/10

 韓国では、Love you を Luv U と書くそうです。これってどうなんでしょう? でも、Luv U でラブ・ユーと確かに読めるので、妙に納得させられたりして。メリケン国のK-POPファン的には、このおもろい英語表記をどう受け止めているのでしょうか。他にも何かあったような気がしますが、思いつかないので、この項はこれでおしまいです。じゃ。

 え? 短すぎるって? たまにはいいんじゃねぇ? いつも長いクドい、見ただけで最初から読む気がしないって、友人知人からも敬遠されてるし。……そんな批判にめげるなって? まぁそうなんですけど。じゃあ、もう少し頭ひねりますか。
 2EN1 ってどうよ? SISTAR は? LU:KUS は? 4MINUTE は? 4分なら複数形なんじゃね?
 ハイ、固有名詞は別だろうの突っ込みありがとうございます。おっしゃる通りです。あたしゃ少女時代イコール Girls Generation って知らなかった頃、Girls Generation を少女世代って訳してましたけどね。SNSD も少女時代だって知らなかった頃、ソーシャルネットワークサービスデラックスかと思ってましたけどね。
 コーヒーのこと、韓国人ってばコピとか言ってません? なんか可愛いんですけどぉ。そんなこと申せば、和製英語もひどいですよね。そもそもコーヒーがすでにひどいし。vitamin をヴァイタミンとは言わずにビタミンなんて言うくせに、vitality はビタラティじゃなくてバイタリティって言いますよね。Virus もウィルスとか言ってるし、むかしはビールスっちゅてたんだが。ジーザス・クライストを日本ではイエス・キリストって、なんじゃそりゃ。
 KARAの「ルパン」の hello hello hello hello の部分は、ハラハラハラハラにしか聞こえんし、SISTAR の「Touch my Body」もトッチマイパレーって聞こえまふ。韓国語では"ブー"も"ぷぅ"も同じで、"ちょ"も"じょ"もいっしょなんだって知人が言ってました。ほんとかなぁ。じゃあ party も body もおんなじなのかな。日本じゃ light も right もいっしょみたく。

 韓国ではしばしば、人名を英語表記しますやん? 日本も国際化ってことでローマ字表記するみたいに。今じゃハリウッドスターの渡辺謙さんは、ハリウッド映画「GODZILLA」のエンドロールに、KEN WATANABE って出てましたが、これは日本人にもメリケン人にも解りやすい表記ですね。ゴジラが GODZILLA はすごいですけど。さり気に神様入ってますけど。メリケン人は"ガズィラ"って言ってますけど。グレアム博士は神だって言ってましたけど。
 ゴジラって、ゴリラとクジラの間の子だって知ってました? ま、それはおいといて、人名英語表記の話しします。  僕たちわたしたちの T-ARA のメンバーのウンジョンちゃんは、英語で Eun-Jung って書きます、韓国では。このへんはなんとなく納得ですね。ボラムは、Jeon Bo-Ram 日本語ではチョン・ボラムです。そろそろ?ってなりません? 知人が言ってた"ちょ"も"じょ"もいっしょが、ちと納得です。パク・ソヨンは、Park So-Yeon です。パクさんはだいたいパークって伸びますね、公園? これからパーク・ソイェオンって呼びましょう。
 伸びるといえば、韓国の姓に多いイさん、英語表記では Leeさんになっています。イさんの漢字"李"をリーと呼ぶこともあることから Lee と書くとも言われていますが、ブルース・リー Bruce Lee と見分けがつかなくてアチョーーーってなります。
 筆者の大好きなロックバンドデュオ NORAZO は、日本語的にはノラゾですが、韓国ではノラジョです。韓国には"ゾ"はないみたいですよ。韓国なまりの日本語で、どうぞ は どうじょ になります。

 思いつくままに話しを引っ張ったせいで、なんだか主旨がどんどんズレてまいりました。とにかくだ、K-POPをめぐって韓国語に触れるようになってから、語学的カルチャーギャップに驚いたり笑ったり首をひねったりという経験は誰しもお持ちだと思います。んじゃさらに発展させて、日本語とよく似たあるいはソックリな韓国語の話しをしようかとも思ったのですが、それこそキリがないし疲れるので、やめにします。
 なんか、すごく消化不良ですが、これでお終いです。じゃ。

メンバーの入れ代り

2014/12/19

 K-POPのアイドルグループは、メンバーの入れ代わりがかなり激しいように思います。日本のアイドルグループでも、モーニング娘やAKB48などは、入学卒業制度をとっていますから当然のようにメンバーが入れ代わりますが、K-POPの場合は、そういう制度がなくてもメンバーの入れ代わりがけっこう目につきます。
 学業に専念したいから抜けるというケースもよくありますが、学歴を積んめば、人気歌手をしのぐような理想的な職業に就くことが可能なのでしょうか。アイドルで稼げるようになるなんて、これ以上の職業はない気がしますが。そりゃ、いつまでも続けられる仕事ではありませんが、人気のあるうちは辞めるのはあまりにももったいないと思います。人気アイドルなんて誰にでもなれるものではありません。ルックスが良いだけでも歌唱力があってダンスが上手いというだけでも人気アイドルにはなれません。芸能界で人気者になるには、さながら宝くじの1等に当選するような幸運にも恵まれなければならないでしょう。そんなミラクル体験をあっさり捨てられるものなのでしょうか。だいいち、ファンのことを考えていませんよね。
 それとも学業専念は口実で、サスペンスドラマのような、欲望と陰謀が業界に渦巻いていて、それに耐えられなくなるのでしょうか。業界の人間関係がたいへんなのは、日本も同じです。でも日本では韓国ほどメンバーの入れ代わりはありません。人気アイドルというのは所属事務所にとっては何よりも大切な商品でしょう。それを全力で守るのが事務所の仕事ではないでしょうか。アイドルの心身の健康管理から身の安全までをケアしてゆかないと、大切な商品に傷がついたら会社にとって重大な損失を出すことになりかねません。

 筆者のお気に入りのT-ARAもデビュー早々からメンバーの入れ代わりが激しく、人気が出てからも切り捨てや編入脱退が相次いでいます。新入メンバーを公示するものの、けっきょく他のグループと仕事をさせたり、事務所の意向も一貫しておらず、何を信じて良いのか判りません。N4 や QBS といったユニットができたり、新曲「LIttle Apple」に4人の顔しか見えなかったりすると、正直ヒヤヒヤします。いや、派生ユニットやソロ活動が悪いというのではありません。これまでにあまりにも紆余曲折があるから不安になるわけです。ファヨンの脱退の際にも双子の姉のヒョヨンや両親の謝罪にも事務所は応じなかったそうです。
 KARAもデビューから1年足らずでソンヒが脱退し、ハラとジヨンが加入しています。この経緯については、関連記事を読むと致し方なかったのかとも思われますが、今年早々のニコルとジヨンの脱退には、事務所側との確執のうわさがあれこれ漏れてきて、ひじょうにイヤな雰囲気でした。事務所はトップアイドルであっても大事にしないのかな、ファンの気持ちもどうでもいいのかな、正直そう感じました。その後オーディションを通じてヨンジが加入し、4人の新生KARAとして好調な再スタートを切ったようですが、ニコルやジヨンのファンの思いは複雑でしょう。ニコルは韓国のB2Mエンターテイメントでソロ歌手として再スタートし、ジヨンは日本のスウィートパワーと契約したようです。先日、知英(ジヨン)の名で日本のバラエティ番組で見かけました。彼女たちの再スタートをそれぞれのファンたちはどのように見ているのでしょう。
 AFTERSCHOOL も、デビューした2009年にソヨンが健康上の理由で脱退、2011年にベガが学業専念のために脱退しています。出た、学業専念。そして2012年のカヒ姉さんの脱退は大きな波紋を呼びました。そのころ日本での活動も好調で、契約している avex も何も言えなかったのか、といった怒りの批判も上がりました。カヒ姉さんは才色兼備の逸材で、抜きんでた美貌と才能のせいでかえって苦労したのではないかと思います。歌手になる夢が実現したのも遅く、アメリカ進出を目指したガールズグループに在籍するも芽が出なかったり、BoAほか有名歌手のバックダンサーや振り付けを長年担当したりといった下積みを経験し、ようやく AFTERSCHOOL で本格的な歌手デビューを果たしたわけですが、彼女の牽引力はひじょうに大きく、他のガールズグループにはない優れたパフォーマンスも彼女のおかげが大きかったと思われます。彼女はその実力で事実上ひとりで AFTERSCHOOL を引っ張っており、歌手でありながらメンバーのマネージメント的な役割も果たしていたと言います。そして公演に向けて8人体制のパフォーマンスを完成させたところへ、事務所側から急きょ新人投入の報せが入り、それまでの苦労に水を差されたという経緯があります。このことが彼女に脱退を決意させた直接の原因だったのでしょうね。カヒ姉さん脱退のあと AFTERSCHOOL はあまりヒットを飛ばしていませんが、事務所的には派生グループ ORANGE CARAMEL が頑張ってるからいい、なんて思っているのでしょうか。カヒ姉さんはその後好調なソロデビューを果たしたわけですが、AFTERSCHOOL のメンバーとは今でも交遊があるとも聞きます。これからはチームのためではなく、自分のためにその才能を活用し、K-POP界のトップに立ち続けてほしいものです。
 AFTERSCHOOL の妹として華々しいデビューを飾った Hello Venus 2012年に2曲をリリースしたもののその後カムバック曲が出ないままで、今年になってようやく活動再開しましたが、それまでにリーダーだったユ・アラとユンジョが脱退、新たにソヨンとヨルムを投入しています。
 メンバーの脱退後、皮肉にも成功したグループもあります。Girl's Day はジヘの脱退後5人から4人チームになって大ブレークしましたし、APink もユギョンが脱退して7人から6人体制になって各歌番組の1位を総なめにするヒットを飛ばしています。辞めてしまったメンバーの思いはどうなんでしょう。ユンギュの脱退理由も学業専念でした。
 最近ますます人気上昇中のガールズグループ SPICA の場合は、キム・ボアが抜けて、SPICA.S という4人体制のユニットになりました。事務所の発表によると、ボアはソロデビューするということです。SPICA からボアがいなくなってしまったのか、筆者は最初そう思ってガックリと肩を落としました。またかよ、という思いでした。ほんとファンは置いてきぼりだよなって。でも、この発表からでは SPICA が4人になってしまったとは言い切れません。5人の SPICA は今後も存在し、4人ユニットの際には SPICA.S として活動するということなのかも。そうだといいですね。K-POPはグループに席を置きながらも派生ユニットやソロを出すのもひじょうに多いですよね。ああ、ややこし。

 別項でも述べました、少女時代ジェシカの脱退、f(x)ソルリの活動休止に関しても、事務所は大事な商品の管理についてどう思っているのか疑問になります。とくに少女時代はデビューして9年という最長寿ガールズグループであり、ひじょうに多くのファンを抱えています。ジェシカだって大人気です。それをあっさり切り捨てる前に、ファンのことは考えなかったのだろうか、そう思ってしまいます。事務所的に気に入らなければ、ファンの気持ちはどうでもいい、ジェシカがいなくても少女時代はこれからも稼いでくれる、そう考えているのでしょうか。
 韓国のファンの応援の過熱ぶりはすごいと聞きます。ファンたちがアイドルをCMして、ファンたちが大規模なファンクラブを組織運営しているそうです。ネット時代には会社を設営しなくてもそうした企画会社みたいなことが可能なんですね。日本のコリアタウンにもたまにペンカフェが出している写真集が販売されていたりします。事務所が出すものよりも良質な写真集だと評判です。
 こうしたファンの熱い思いを考えると、事務所や個人の都合でホイホイ人を切ったり捨てたり、脱退を認めたりというのはいかがなものかと思います。もちろん、素人が内部事情も解らずに憶測でものを言うのは無責任と言えばそうなのですが。事務所には事務所なりの、のっぴきならない事情というのがあるのでしょう。でも、ネットの記事などを読みますと、人事異動に関する事務所の発表というものには情のかけらもなく、ファンに対する配慮も感じられません。ファンは軽んじられているとしか思えないわけです。
 K-POP業界のこれまでの歴史を見ている限り、ファンはこれからもホイホイと裏切られるのでしょう。企業なんてそんなものかも知れませんけどね。筆者の勤める会社も経営は腐敗しきっていますし、顧客の都合は無視して会社の都合を平気で顧客に押しつけてばかりですから。
 これ以上、ネチネチ言ったところで何も解決しないので、この辺にしておきましょう。ただ、筆者の愚痴は多くのファンの思いを代弁していると思いますよ。

ソロと派生ユニット

2014/12/21

 K-POPにはひじょうに多くのアイドルグループが存在するわけですが、グループの中のメンバーがソロデビューしたり、一部のメンバーだけでユニットを組んだりすることが多いですよね。異なるグループの歌手がコラボしてユニット組んだり、他のグループや歌手のラップやコーラス、ダンスのお助けをしたり。それが言わばK-POPの特徴にもなっていますよね。……これってどうなんでしょう? まぁ、賛成とか反対とか、メリットがあるとかないとか、そういう問題でもないんですけどね。
 現代K-POPには、ヒップホップやR&B(リズム&ブルース)のジャンルの曲がひじょうに多く、別のジャンルの曲にもヒップポップに見られるラップがパートで引用されていて、グループの中にラッパー(ラップ担当)がいるケースが多いです。そしてヒップポップ専門のグループもいて、彼らはしばしばヴォーカルの助っ人を必要とします。ヴォーカルを動員することでバラードのようなメロディのある楽曲も演じられるわけです。歌番組などを見ておりますと、アーティスト名の横に feat として他の歌手の名が紹介されていることがありますが、あれがそうですね。たとえば「M.I.B feat ボミ」という表記は、ヒップホップグループのM.I.Bの楽曲に APink の ボミ がヴォーカルで参加しているという意味です。feat はフィーチャリング(featuring)の略です。
 ヒップポップ以外の楽曲にもラップパートのあることが多いK-POPでは、ラッパーを助っ人にする場合もあります。メンバーにラッパーがいなかったり、ソロ歌手の場合に、ラッパーとのフィーチャリングがよく見られます。  こうした状況が、現代K-POPにグループ活動以外の個人活動ひいては派生ユニットの多用を当たり前にしていったのではないか、と筆者は分析しています。これは素人分析であり筆者独自の考えなので、これを読んで常識みたく他人に話すと恥をかくことになりますからね。
 フィーチャリングとは、言わば楽曲へのゲスト出演のことで、ステージで一緒に歌うほかレコーディングにも参加するのが普通です。似たような用語にコラボレーションというのがありますが、まれにフィーチャリングと混同されることがあります。コラボレーションの方は共同作業つまり共演のことなので、似て非なるものです、ビミョーに。要は異なるミュージシャン同士が共同企画で曲を作って歌うとか、CDを出すとか、そういうことですね。最近では「昭格洞(ソギョクドン)」でのソ・テジとIUのコラボなんか有名ですね。デュエットなんてのもありますね。これはフィーチャリングやコラボレーションとはまったく異なり、もともと二重奏のことなので、2人組による楽曲の形態です。ふだん別々の歌手が一緒に歌うような場合は、コラボレーションによるデュエット曲というふうに言うべきですね。

 K-POPのアイドルグループは、合宿生活をしているほど密接な関係を保っているのに、しばしば単独活動を行ないます。映画やドラマ、CMの出演でそうなるのは当然ですが、歌手としてもかなり頻繁にソロ活動します。そのせいかグループが解散してもソロとしてデビューする歌手も多いです。そしてこれは別項で述べたメンバーの入れ代りにも関することなのですが、グループを脱退してソロデビューする歌手も少なくありません。K-POPに関する某番組で、アイドルグループに席を置く歌手が、芸能界で長く活動するには、ソロデビューを視野に置く必要があると解説していました。アイドルグループのソロ活動にはそうした意味合いもあるのでしょう。グループの場合、視聴する側は大好きなグループであれば個々のメンバーまで顔と名前を覚えますが、そうでないグループについてはグループ名くらいしかわからない、メインヴォーカルくらいは見知っている、そんな感じでしょう。ソロデビューはより多くの視聴者に顔と名前を覚えてもらうチャンスでもあります。
 そして、ソロ活動と共に多いのが、派生ユニット。中には ORANGE CARAMEL のように本体の AFTERSCHOOL よりもたくさんヒットを飛ばしているものまであります。派生ユニットも本体に比べて人数が少ない分だけ個々の顔を覚えやすいですし、本体としてもイメージチェンジというか多芸なところを見せる機会になるのかも知れませんね。見る側としては、それだけグループ数が増えるのでいささか大変ですけど。
 ソロもユニットもそれぞれ新鮮味あるいは面白味があってよろしいのですが、それがグループのメンバの入れ代り(脱退とか)や、グループの解散につながらないか不安になるときもあります。SPICA の派生ユニット SPICA.S では、キム・ボアのみが参加しておらず、彼女のソロ活動が予定されているそうですが、そのまま SPICA からボアが消えちまわないか不安で不安で……。

 筆者が、今覚えているユニットを、ツラツラっと列記してみましょうか。
 AFTERSCHOOL からは AFTERSCHOOL RED、AFTERSCHOOL BULUE、そして ORANGE CARAMEL が派生しており、上述のように ORANGE CARAMEL は本体をしのいで頑張っています。
 4MINUTE からは 2YOON、SISTAR からは SISTAR19、CRAYON POP からは STRAWBERRY MILK といった2人組ユニットが出ています。
 RAINBOWは、これまでに RAINBOW Pixie という可愛い系ユニットと RAINBOW BLAXX というセクシー系ユニットを出しました。
 そしてT-ARA。T-ARA N4 という4人のユニットと QBS という3人の日本語曲ユニットを出しているほか、正式デビュー前に SeeYa、ダビチとのコラボ曲を、デビュー後に超新星とメンバー4人とのコラボ曲「T.T.L」を出しています。そのあとメンバー4人とダビチのコラボ曲、今年は中国のお箸兄弟とメンバー4人がコラボしています。今年のコラボ曲「Little Apple」は、韓国カムバックではT-ARAの4人だけで歌っており、さながらユニット活動のようでした。
 わすれちゃいけない TTS(テティソ) by 少女時代。優れたヴォーカル3人組ユニットです。
 それとAOAですが、デビュー当時から AOA BLACK と AOA WHITE の2つのユニットを構成し、バンドチームとダンスチームに別れていましたが、最近はダンスチームの WHITE オンリーになり、AOAイコール AOA WHITE みたいなところがあります。WHITE に参加しないユギョンはもう長く出番がありません。
 えっと、こんなもんですかね。思ってたより少なかった……。なんか不服なので、4MINUTE のヒョナが BEAST のヒョンスンとユニットを組んだ Trouble Maker。Nine Muses のギョリンと ZE:A のケビン、新人のソジンのユニット NASTY NASTY も入れておきましょ。SISTAR のソユとチョンギゴや、同じく SISTAR のヒョリンとジュヨンの場合は、ユニットではなくコラボによるデュエット曲のリリースでした。ややこしねぇ。
 派生ユニットを見てみますと、後続曲に恵まれたユニットは多くありません。その中でダントツ猛烈に活動を続けているのが ORANGE CARAMEL ですね。SISTAR19 と Trouble Maker、TTS(テティソ)も後続曲が出ました。  ……男子のみの派生ユニットについては、他をあたってください。

 ソロでは、4MINUTE のヒョナ、SISTAR のヒョリンがよく目立ちますね。Secret のジウン、ヒョソン、T-ARAのヒョミン、ジヨンも頑張ってます。WONDER GIRLS 出身のソンミがソロで大ヒットを飛ばしたあと、イェウンもソロデビューしていますが、WONDER GIRLS 自体は活動のないままソネが結婚、ソヒが脱退と不安材料満載です。Brown Eyed Girls は、メンバー4人がそれぞれソロ活動やコラボ、フィーチャリングに精力的です。ソンミのような脱退組としましては、AFTERSCHOOL を卒業したカヒ姉さん、最近ではKARA出身のニコルがソロデビューしました。そのニコルと同じ事務所のイ・ヒョリ姉さんは、なんと言ってもガールズグループ出身ソロ歌手の代表ですよね。姉さんはかつて Fin KL(ピンクル)のリーダーでした。ピンクル無くともイ・ヒョリ姉さんは健在です。
 ソロ歌手については、筆者が把握していないだけで、じつはあの方もかつてはガールズグループの一員だったというケースがたくさんあるのでしょうね。

 ソロ活動や派生ユニットの活動は、アイドルグループの個人がたいへんよく目立ちます。それに参加しているメンバーは目立ってよいのですが、参加しないメンバー的にはどうなのでしょう。 ORANGE CARAMEL のレイナ、ナナ、リジは知名度がどんどん上がりますが、AFTERSCHOOL のほかのメンバーはちっとも目立ちません。別項の AFTERSCHOOL のところでも話しましたが、カヒ姉さん卒業後の AFTERSCHOOL 本体は韓国での音楽活動があまり揮わず、末っ子のイヨンとカウンがかなり可哀そうです。日本でのライヴでのみ披露された、限定ユニット、イヨンとカウンで いよかん にオリジナル曲を出してあげてほしいです。
 繰り返しになりますが、ソロやユニット活動では、参加しないメンバーが浮かばれないところがひじょうに気になるところです。そのことがメンバーの脱退、入れ替えといったことにつながるとしたら、それはファンにとっては悲しいことです。韓国の芸能界に精通しているわけではないので想像でしかものを言えませんが、K-POP業界は多分に実力主義的なところがあるように思います。それと合せて経営者の権力主義も感じます。事務所の都合か、経営者のご機嫌かは存じませんが、ファンのことは考えずに人事をやるようなところが伺えます。音楽重視、芸術性重視なのは解りますが、それもすべてファンあってのことでしょう。ファンは、メンバー全員がそろって仲良くしていてほしいものです。

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