2014/12/21
K-POPにはひじょうに多くのアイドルグループが存在するわけですが、グループの中のメンバーがソロデビューしたり、一部のメンバーだけでユニットを組んだりすることが多いですよね。異なるグループの歌手がコラボしてユニット組んだり、他のグループや歌手のラップやコーラス、ダンスのお助けをしたり。それが言わばK-POPの特徴にもなっていますよね。……これってどうなんでしょう? まぁ、賛成とか反対とか、メリットがあるとかないとか、そういう問題でもないんですけどね。
現代K-POPには、ヒップホップやR&B(リズム&ブルース)のジャンルの曲がひじょうに多く、別のジャンルの曲にもヒップポップに見られるラップがパートで引用されていて、グループの中にラッパー(ラップ担当)がいるケースが多いです。そしてヒップポップ専門のグループもいて、彼らはしばしばヴォーカルの助っ人を必要とします。ヴォーカルを動員することでバラードのようなメロディのある楽曲も演じられるわけです。歌番組などを見ておりますと、アーティスト名の横に feat として他の歌手の名が紹介されていることがありますが、あれがそうですね。たとえば「M.I.B feat ボミ」という表記は、ヒップホップグループのM.I.Bの楽曲に APink の ボミ がヴォーカルで参加しているという意味です。feat はフィーチャリング(featuring)の略です。
ヒップポップ以外の楽曲にもラップパートのあることが多いK-POPでは、ラッパーを助っ人にする場合もあります。メンバーにラッパーがいなかったり、ソロ歌手の場合に、ラッパーとのフィーチャリングがよく見られます。
こうした状況が、現代K-POPにグループ活動以外の個人活動ひいては派生ユニットの多用を当たり前にしていったのではないか、と筆者は分析しています。これは素人分析であり筆者独自の考えなので、これを読んで常識みたく他人に話すと恥をかくことになりますからね。
フィーチャリングとは、言わば楽曲へのゲスト出演のことで、ステージで一緒に歌うほかレコーディングにも参加するのが普通です。似たような用語にコラボレーションというのがありますが、まれにフィーチャリングと混同されることがあります。コラボレーションの方は共同作業つまり共演のことなので、似て非なるものです、ビミョーに。要は異なるミュージシャン同士が共同企画で曲を作って歌うとか、CDを出すとか、そういうことですね。最近では「昭格洞(ソギョクドン)」でのソ・テジとIUのコラボなんか有名ですね。デュエットなんてのもありますね。これはフィーチャリングやコラボレーションとはまったく異なり、もともと二重奏のことなので、2人組による楽曲の形態です。ふだん別々の歌手が一緒に歌うような場合は、コラボレーションによるデュエット曲というふうに言うべきですね。
K-POPのアイドルグループは、合宿生活をしているほど密接な関係を保っているのに、しばしば単独活動を行ないます。映画やドラマ、CMの出演でそうなるのは当然ですが、歌手としてもかなり頻繁にソロ活動します。そのせいかグループが解散してもソロとしてデビューする歌手も多いです。そしてこれは別項で述べたメンバーの入れ代りにも関することなのですが、グループを脱退してソロデビューする歌手も少なくありません。K-POPに関する某番組で、アイドルグループに席を置く歌手が、芸能界で長く活動するには、ソロデビューを視野に置く必要があると解説していました。アイドルグループのソロ活動にはそうした意味合いもあるのでしょう。グループの場合、視聴する側は大好きなグループであれば個々のメンバーまで顔と名前を覚えますが、そうでないグループについてはグループ名くらいしかわからない、メインヴォーカルくらいは見知っている、そんな感じでしょう。ソロデビューはより多くの視聴者に顔と名前を覚えてもらうチャンスでもあります。
そして、ソロ活動と共に多いのが、派生ユニット。中には ORANGE CARAMEL のように本体の AFTERSCHOOL よりもたくさんヒットを飛ばしているものまであります。派生ユニットも本体に比べて人数が少ない分だけ個々の顔を覚えやすいですし、本体としてもイメージチェンジというか多芸なところを見せる機会になるのかも知れませんね。見る側としては、それだけグループ数が増えるのでいささか大変ですけど。
ソロもユニットもそれぞれ新鮮味あるいは面白味があってよろしいのですが、それがグループのメンバの入れ代り(脱退とか)や、グループの解散につながらないか不安になるときもあります。SPICA の派生ユニット SPICA.S では、キム・ボアのみが参加しておらず、彼女のソロ活動が予定されているそうですが、そのまま SPICA からボアが消えちまわないか不安で不安で……。
筆者が、今覚えているユニットを、ツラツラっと列記してみましょうか。
AFTERSCHOOL からは AFTERSCHOOL RED、AFTERSCHOOL BULUE、そして ORANGE CARAMEL が派生しており、上述のように ORANGE CARAMEL は本体をしのいで頑張っています。
4MINUTE からは 2YOON、SISTAR からは SISTAR19、CRAYON POP からは STRAWBERRY MILK といった2人組ユニットが出ています。
RAINBOWは、これまでに RAINBOW Pixie という可愛い系ユニットと RAINBOW BLAXX というセクシー系ユニットを出しました。
そしてT-ARA。T-ARA N4 という4人のユニットと QBS という3人の日本語曲ユニットを出しているほか、正式デビュー前に SeeYa、ダビチとのコラボ曲を、デビュー後に超新星とメンバー4人とのコラボ曲「T.T.L」を出しています。そのあとメンバー4人とダビチのコラボ曲、今年は中国のお箸兄弟とメンバー4人がコラボしています。今年のコラボ曲「Little Apple」は、韓国カムバックではT-ARAの4人だけで歌っており、さながらユニット活動のようでした。
わすれちゃいけない TTS(テティソ) by 少女時代。優れたヴォーカル3人組ユニットです。
それとAOAですが、デビュー当時から AOA BLACK と AOA WHITE の2つのユニットを構成し、バンドチームとダンスチームに別れていましたが、最近はダンスチームの WHITE オンリーになり、AOAイコール AOA WHITE みたいなところがあります。WHITE に参加しないユギョンはもう長く出番がありません。
えっと、こんなもんですかね。思ってたより少なかった……。なんか不服なので、4MINUTE のヒョナが BEAST のヒョンスンとユニットを組んだ Trouble Maker。Nine Muses のギョリンと ZE:A のケビン、新人のソジンのユニット NASTY NASTY も入れておきましょ。SISTAR のソユとチョンギゴや、同じく SISTAR のヒョリンとジュヨンの場合は、ユニットではなくコラボによるデュエット曲のリリースでした。ややこしねぇ。
派生ユニットを見てみますと、後続曲に恵まれたユニットは多くありません。その中でダントツ猛烈に活動を続けているのが ORANGE CARAMEL ですね。SISTAR19 と Trouble Maker、TTS(テティソ)も後続曲が出ました。
……男子のみの派生ユニットについては、他をあたってください。
ソロでは、4MINUTE のヒョナ、SISTAR のヒョリンがよく目立ちますね。Secret のジウン、ヒョソン、T-ARAのヒョミン、ジヨンも頑張ってます。WONDER GIRLS 出身のソンミがソロで大ヒットを飛ばしたあと、イェウンもソロデビューしていますが、WONDER GIRLS 自体は活動のないままソネが結婚、ソヒが脱退と不安材料満載です。Brown Eyed Girls は、メンバー4人がそれぞれソロ活動やコラボ、フィーチャリングに精力的です。ソンミのような脱退組としましては、AFTERSCHOOL を卒業したカヒ姉さん、最近ではKARA出身のニコルがソロデビューしました。そのニコルと同じ事務所のイ・ヒョリ姉さんは、なんと言ってもガールズグループ出身ソロ歌手の代表ですよね。姉さんはかつて Fin KL(ピンクル)のリーダーでした。ピンクル無くともイ・ヒョリ姉さんは健在です。
ソロ歌手については、筆者が把握していないだけで、じつはあの方もかつてはガールズグループの一員だったというケースがたくさんあるのでしょうね。
ソロ活動や派生ユニットの活動は、アイドルグループの個人がたいへんよく目立ちます。それに参加しているメンバーは目立ってよいのですが、参加しないメンバー的にはどうなのでしょう。 ORANGE CARAMEL のレイナ、ナナ、リジは知名度がどんどん上がりますが、AFTERSCHOOL のほかのメンバーはちっとも目立ちません。別項の AFTERSCHOOL のところでも話しましたが、カヒ姉さん卒業後の AFTERSCHOOL 本体は韓国での音楽活動があまり揮わず、末っ子のイヨンとカウンがかなり可哀そうです。日本でのライヴでのみ披露された、限定ユニット、イヨンとカウンで いよかん にオリジナル曲を出してあげてほしいです。
繰り返しになりますが、ソロやユニット活動では、参加しないメンバーが浮かばれないところがひじょうに気になるところです。そのことがメンバーの脱退、入れ替えといったことにつながるとしたら、それはファンにとっては悲しいことです。韓国の芸能界に精通しているわけではないので想像でしかものを言えませんが、K-POP業界は多分に実力主義的なところがあるように思います。それと合せて経営者の権力主義も感じます。事務所の都合か、経営者のご機嫌かは存じませんが、ファンのことは考えずに人事をやるようなところが伺えます。音楽重視、芸術性重視なのは解りますが、それもすべてファンあってのことでしょう。ファンは、メンバー全員がそろって仲良くしていてほしいものです。