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10 クローバーフィールド・レーン【映画】

2020/05/22


 交通事故に巻き込まれたミシェルが目を覚ますと、そこは見知らぬ閉塞的な部屋で鎖につながれていました。やがて初老の男が部屋を訪れ、ここは彼の農場の地下施設だと説明します。外の世界は何者かの攻撃を受けて汚染され、人が住める状態ではなくなっている。ここは核攻撃に備えて彼が造ったシェルターで、ある程度の期間を持ちこたえる物資の備蓄もあると言います。
 男の名はハワード、ミッシェルよりも先にエメットという若い男もハワードによってここに収容されていました。ハワードは施設の出口の窓から外の景色をミシェルに見せますが、そこには人の姿はなく、壊れたトラックや豚の死骸がありました。
 拘束を解かれたミッシェルは、食事中に隙を突いてハワードが持っている鍵を奪い、出口に向かいますが、窓の外にひとりの女性が現れ、中に入れてくれと懇願します。しかし彼女の顔はひどくただれ、外が汚染されているというハワードの話しを信じるしかありませんでした。
 ハワードにはメーガンという娘がいましたが、すでに亡くなっていました。しかしやがてその話しがウソであり、ここに監禁されていた少女が逃げ出そうとして殺されたという事実が明らかになります。
 ミシェルとエメットは、ハワードの目を盗んでシャワー室のカーテンで防護服を作り、ここからの脱出を図ります。

 J・J・エイブラハムが製作を担当した「クローバーフィールド/HAKAISHA (2008)」に続いて彼の製作によるパニックムービーですが、ストーリー的にはつながりはありません。前作では宇宙から飛来した巨大生物がニューヨークを襲い、その様子をホームビデオ撮影の主観映像で描くというフェイクドキュメンタリースタイルをとっていましたが、本作ではその手法は採用されず、通常のSFパニックムービーになっています。
 前作では唐突に出現した巨大生物による破壊行為に、人々はわけも解らずなんの情報もないまま逃げまどうしかなく、作品を観ている観客にもなにも知らされません。怪物がいったい何者なのか、どこからどうやってやって来たのかも解らないまま、目前に迫る脅威から脱出を試みるしかありません。
 本作では、人類を襲った脅威は姿を現さず、ミシェルやエメットを匿ってくれたハワードの言葉を信じるしかありません。あとは出口の窓から見える閑散とした農場と豚の死骸、顔のただれた女性の到来、そうした痕跡がハワードの話しを裏付けるだけです。

 ミシェルは服飾デザイナー志望でしたから、ビニールのカーテンやいくつかの道具を用いて汚染された空気から身を守る防護服を器用に作ります。しかしそれがハワードにばれて騒動になり、施設内に火災が生じてしまいます。外界と隔絶されたシェルター内での火災は深刻です。換気装置では空気の浄化は追い付かず、酸素も急速に奪われてゆきます。ミシェルにはここを脱出するしか道はなくなってしまいますが、ここを出たとして助かる方法があるかどうかも判りません。外ではいったい何が彼女を待ち受けているのでしょう。

 得体の知れない脅威にさらされるというシチュエーションは同じでも、前作は次々と倒壊するビルの間を縫って逃げまどうひじょうにスケールの大きな映像が展開し、やがてホームムービーにそこにいるであろう怪物の片鱗が映し出されます。今回は密室状態の狭いシェルター内でストーリーが進行しますからスケール的には大幅にパワーダウンしています。しかしながら、見に迫る緊迫感が尋常ではなく、映像に目がクギ付けになってしまいます。
 前作とどちらがおもしろいのかと問われれば、それぞれに良さがあり比べようがないと言うしかありません。筆者はどちらも好きです。ストーリー性ということで言えば、本作の方が明確ですし、納得できるものになっています。でも前作はストーリー性を求められる内容ではなく、唐突に降ってわいたわけのわからない恐怖をありのままに受け入れるしかない、そんな個性的な手法になっていますから、これも比較する方がナンセンスですね。

 この作品の敵は、地上を滅ぼしてしまった宇宙人なのか、それともそんなストーリーをでっちあげてミシェルたちを地下に監禁したハワードなのか。彼には少し前に監禁した少女を殺している経歴がありますし。しかしながら、窓の外には人影もなく、豚の死骸や顔のただれた女性といったハワードの話しを裏付けるものの片鱗が見えます。
 ハワードから逃れてシェルターを脱出した先に救いはあるのか。これは出口のない恐怖であり、胸を引き裂かれるような戦慄です。

原題:10 Cloverfield Lane。
2016年アメリカ、103分、同年日本公開。
監督:ダン・トラクテンバーグ。
脚本:デイミアン・チャゼル、マット・ストゥーケン、ジョシュ・キャンベル。
出演:メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ジョン・グッドマン、ジョン・ギャラガー・Jr、ダグラス・M・グリフィン、スザンヌ・クライヤー、ブラッドリー・クーパーほか。

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