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Fukushima 50【映画】

2020/03/20


 2011年3月11日、東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)発生。マグニチュード9.0、最大震度7は、日本の観測史上最大でした。福島第一原子力発電所に勤務するスタッフにも津波警報が届きますが、海抜10m以上の地に建てられた発電所に津波被害が及ぶことはないはずでした。ところが、津波の高さは誰も予想しえなかった20mに達し、発電所はまともに波をかぶることになります。
 浸水により発電所はSDO(ステーション・ブラック・アウト)に陥りました。メインの電源が断たれた場合に備えた発電装置も浸水して稼働しなくなったのです。
 冷却水が循環しなくなった原子炉は、やがてメルトダウン(炉心融解)に陥り爆発します。そうなるとチェルノブイリ事故の50倍の放射線が発生し、日本は首都圏を含め広範囲が汚染されることになります。

 吉田昌郎所長は現場で陣頭指揮を執り、彼の同期で当直長の伊崎利夫が施設内に残り、計器の監視し何とか原子炉を制御しようと奮闘します。
 車のバッテリーを集めて重要な計器を復旧させると、炉内の圧力は予想以上に上昇し危険な状態でした。吉田所長は、ベントを実行するしかないと判断します。ベントは炉内になる圧力弁を解放して圧力を下げる方法で、これが上手くゆけば大惨事は回避できます。しかし充分な電力が確保できない以上、ベントを人の手で行なうしかありません。防護服をつけていても被爆の可能性が高い決死の作戦です。そしてこれは世界でまだ1度も実施されたことのない方法でした。

 東日本大震災は大規模な津波の襲来で、福島にたいへんな破壊をもたらしました。人々は住む家や財産を失ったばかりか、原子力発電所の事故による放射能漏れで復興の道をも阻まれました。マスコミ報道により、原発が放射能漏れを起こした、そのように伝え聞きましたが、映画を観てみますとその情報が大きな誤解を生んだことを痛感させられます。浸水により放射能漏れが起きたのではなく、大爆発という惨事を防ぐために苦渋の判断でベントを行なった結果、汚染物質が外部に流出することになったということなんですね。ベントは言わば日本壊滅の危機を回避するために福島を犠牲にした作戦だったわけです。
 事態を的確に掌握できない内閣はいらだち、総理は怒り心頭の面持ちで現地を視察します。アメリカの在日大使は日本政府に事態を収拾する能力はないと判断し、大統領に救援を要請しますが、大統領の回答は、まずは事故を起こした日本が対策を講じなければならないとのことでした。
 一方、米軍は、911 同時多発テロの際に日本が最初に応援に駆けつけてくれた恩返しをすると称し、オペレーション「トモダチ」を展開します。救援物資の補給や人々の避難に大きな力を発揮しました。

 海外メディアは、避難勧告の後も発電所内に残り、自分の身を犠牲にして最悪の事故を防ごうとした50人のスタッフたちの献身を Fukushima 50 と呼称し賞賛しました。日本国内ではあまり聞かなかった言葉ですね。
 日本では、関係者や政治に対する批判ばかりが大仰に報道され、多くの人々が原発に対する恐れや反感を覚えたことでしょう。でも、この映画を観れば認識が変わるかもしれません。
 マスコミは、他人の傷口を拡げたり、人と人との対立をあおる報道は得意ですが、建設的に物事を考えるというふうに人々を導く意思はないようです。Fukushima 50 の言葉も多くの日本人は知らなかったと思います。

 筆者は、原発賛成派というわけではありませんが、その実態やそれを維持するための労苦を見ずして、デメリットだけと指摘して一方的に異を唱えるのもいかがなものかと思います。
 核分裂の際に生じるエネルギーを利用する方法は、たしかに放射線汚染の危険がつきまといます。今回のような自然災害以外にもテロの標的にされでもしたら大変なことになります。廃棄物の廃棄の問題もあります。低コストで大きなエネルギーを産むというメリットに対して、危険性がひじょうに高いのも事実です。
 しかしながら、自衛隊や警察同様、多くの批判を受けながらそれに従事する人々は、国民の生命財産を守るために努力し、危険に立ち向かっているという事実を無視してはいけないと思います。

 現在の人々の暮らしは、電力や通信網が失われればたちまち危機に瀕してしまいます。それをいかにして維持し守ってゆくのかについては、人々の強い関心と、注意深い議論が必要です。

2020年、122分。
原作:門田隆将。
監督:若松節朗。
脚本:前川洋一。
出演:佐藤浩市、渡辺謙、吉岡里帆、段田安則、緒形直人、安田成美、萩原聖人、田口トモロヲ、吉岡秀隆、富田靖子、矢島健一、平田満、堀部圭亮、斎藤工、篠井英介、火野正平、佐野史郎ほか。

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