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アメリ【映画】

2020/03/12


 冷徹な元軍医の父ラファエルと元教師の母アマンディーヌの間に生まれたアメリは、両親にあまりかまってもらえず、親との身体的接触と言えば、父による健康診断くらいのものでした。父に触れられることでドキドキしてしまったアメリは、その心音を聞いた父に心臓疾患を疑われ、学校にも通わせてもらえませんでした。母が事故死したあとは孤独の中であれこれ想像をふくらませる夢見がちな少女となり、周囲とのコミュニケーションも苦手でした。
 22際になったアメリは、家を出て実家の近くのアパートに住み、カフェで働き始めます。
 ダイアナ妃の事故死のニュースに驚いた拍子に化粧水の小瓶のフタを落とした彼女は、それを追ってバスルームに向かい1つだけ浮いているタイルを見つけます。それをはがすと、古い小さなブリキの箱が出て来ました。それは少年が宝物をしまった秘密の箱でした。アメリは根気よく聞き取り調査を続け、むかしこのアパートに住んでいた住人ブルトドーを探し出します。今は老齢に達したブルトドーが街を歩いていると、突然公衆電話が鳴りだします。気になって電話ボックスに入り受話器を取ると、電話はすぐに切れ、ボックスの中には彼が子供だった頃にタイルの裏に隠した宝箱が置かれていました。
 小さなブリキの箱を持ってカフェを訪れた老人が、カフェのマダムに「奇跡を信じるかと」尋ねます。それを傍らで聞いてアメリはにんまりとします。
 アメリは人を幸せにすることに喜びを感じるようになり、父が庭に置いたドワーフ人形を旅させてその写真を匿名で父に届けたり、夫が不倫相手を駆け落ちしたマドレーヌ夫人に、夫からの手紙を偽造し、むかし墜落した飛行機に積まれていた郵便物が今頃になって回収できたと言って郵便配達人に届けさせたりしました。
 また、同じカフェに努めるウェイトレスと常連客のキュービット役も演じました。
 
 ある時、アメリはスピード写真のボックスの下のゴミをあさる青年を見つけ、胸がときめいてしまいますが、その思いを伝える術を彼女は知りませんでした。他人を幸せにはできるものの自分の幸せを手に入れられないアメリでした。
 アメリには話せる知人がいました。同じアパートの住人で自室に引きこもって何十年も同じ絵を描き続ける老人レイモンです。アメリはレイモンの絵の中の少女に自分の思いをちょっぴり重ねて彼と話しをしました。
 スピード写真の青年ニノの落とし物を拾うことになったアメリは、例によって間接的にそれを彼に返そうとあれこれ画策します。

 人とのコミュニケーションが苦手で、友たちと言えば変わり者の絵描きの老人か、自室の小物たち。サン・マルタン運河に石を投げて水切りをし、その瞬間にパリで何人がエクスタシーに達したか想像する。アメリは自分の殻に閉じこもりがちな変人です。でもそんな彼女がモンマルトルの街を歩けば、そこはおとぎの国に変わってしまいます。
 アメリの半生を描いたこの映画もかなり変テコな作品です。なにしろ受精シーンから始まりますから。元軍医の父に聴診器を当てられてドキドキしてしまった彼女は父に心臓疾患を疑われ、学校にも行けなくなります。母が事故死すると寡黙な父との2人暮らし、こうして重度の妄想癖を持つ変人アメリが完成します。

 アメリが見染めた青年ニノもかなり変わり者です。ポルノショップと遊園地のお化け屋敷で掛け持ちで働き、スピード写真のボックスの下をあさって人々が破り捨てた失敗写真を収集して復元し、スクラップ帳に収集しています。それを拾ったアメリ、スクラップ帳になぜかしばしば登場する禿頭の男。アメリが密かにもたらした偶然の出来事からニノはその謎について知ることになります。
 アメリの計画はいつもひじょうに手が込んでいます。偶然に偶然が重なって奇跡を呼ぶ、そうとしか考えられないような小さな出来事が人々に幸せをもたらします。
 でも、彼女自身の幸せは、誰がもたらしてくれるのでしょう。アメリはニノを追ってポルノショップや遊園地にも出かけますが、彼と直接会うことはできません。その勇気がないのです。そんな彼女をずっと観察していたのが、これまた変人のレイモン老人です。彼の部屋のテレビは画面に時計を表示し続けています。それは彼が姪からもらったビデオカメラが映している某店の時計です。

 アメリは時々石ころを拾ってそっとポケットに入れます。運河で水切りをするためですね。
 とにかくすごく変な映画です。でもアメリが次々と巻き起こす奇跡が、小さな感動をもたらしてくれ、とても温かい気持ちになります。そしてさわやかなエンディングは、観客の心も幸せな気分で満たしてくれます。
 何度も繰り返して観たい作品リストに加えておきましょう。

原題:Le Fabuleux Destin d'Amélie Poulain。
2001年フランス、122分、同年日本公開。
監督、脚本:ジャン=ピエール・ジュネ。
脚本:ギヨーム・ローラン。
出演:オドレイ・トトゥ、マチュー・カソヴィッツ、セルジュ・メルラン、ジャメル・ドゥブーズ、ヨランド・モロー 、クレール・モーリエ、ドミニク・ピノン、クロティルド・モレ、イザベル・ナンティ、アルチュス・ド・パンゲルン、ユルバン・カンセリエ、モーリス・ベニシュー、リュファス、ロレーラ・クラヴォッタ、クロード・ペロン、アルメール、アンドレ・デュソリエほか。

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