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ペット・セメタリー【映画】

2020/01/31


 都会の喧騒を逃れて田舎に引っ越してきた外科医のルイス・クリードとその家族は、購入した土地が広大な森を含むことに驚愕します。娘のエリーは、さっそく森を探検し動物の仮面を被った子供たちの奇妙な行列に出くわします。後を追いかけてゆくと、森の中に墓地がありました。墓地の入り口には「ペット・セマタリー」とまちがったスペルの看板があります。墓地の背景にある小枝が丘のように積みあがった場所が気になり、登ってみようとすると、何者かに叱責されます。老人は、そこにハチの巣があることを警告してくれたのでした。エリーの足にはすでに1つの刺され傷がありましたが、老人は膏薬を塗ってくれました。そこは死んだペットを埋める墓地だと老人は教えてくれました。
 仕事中ルイスは交通事故に遇った青年ヴィクターを治療することになりますが、搬送された時にはすでに手遅れで、ヴィクターはルイスの目の前でこと切れてしまいます。しかしそのあとすぐに起き上がり「境界を越えるな」と警告します。
 その夜、ルイスと妻のレイチェルは、隣人のジャド・グランドールを夕食に招きます。それはエリーが森で出会った老人でした。エリーと弟のゲイジが可愛がっていた黒猫チャーチがチャドの膝に飛び乗ります。
 しかし次の日、ジャドは車に撥ねられて死んだチャーチを発見します。レイチェルの希望でチャーチは死んだのではなく逃げたのだと説明することにします。ルイスとチャドはチャーチをペットセメタリーに埋葬しにゆきますが、チャドは、その奥の秘められた土地へ彼を誘います。

 その翌日、エリーがチャーチがクローゼットにいると言います。そこには荒れた毛並みをしたチャーチがいました。復活したチャーチは以前とは異なる獰猛な猫に変じていました。
 エリーの誕生日にルイスは知人とその家族を呼び寄せ、エリーは同世代の子供たちと楽しいひと時を過ごすことができるのですが、路上でチャーチを見つけ飛び出してゆきます。それを追うゲイジ。そこへ巨大なタンクローリーが近づいてきます。
 ルイスはすんでのところでゲイジをかばうことに成功しますが、エリーは助けられませんでした。

 エリーの葬儀を終えた夜、ルイスは密かにエイリーを掘り返し、チャーチを埋めたペットセメタリーの奥へと運びます。

 スティーブン・キングの小説「ペット・セマタリー(1983)」が最初に映画化されたのは1989年のことで、本作は30年ぶりのリメイクになります。劇中でエリーは、ペットセメタリーのスペルがまちがっていると指摘しますが、チャドは何も答えません。その後、その訳も解説されることはありません。ただ、原作小説は「Pet Sematary」とあり映画の現代も同じです。英語で墓地を意味するセメタリーは“cemetery”で、日本ではこのスペルをカタカナ表記したタイトルになっています。この作品が“sematary”というスペルを使っている意味は不明です。ただ、ルイスたちが越してきた森には今は存在しない原住民族がかつて住んでいて、これはその種族が使っていた言葉に起因しているのでしょうか。

 娘を失ったルイスは、耐え難い悲しみから禁忌を犯してしまいます。すなわちチャドが行なった蘇りの地への埋葬を娘に施します。ルイスが救えなかった青年ヴィクターの警告「境界を越えるな」を彼は犯したわけです。ヴィクターは死した後、ルイスの行動を予言したようです。
 この作品は、死者を蘇らせてはならないというスティーブン・キングによる教訓であると以前に聞いたことがあります。映画の前作の評論か何かだったでしょうか。でも、死者を蘇らそうとするような人間は現実にはいないでしょうから、教訓としては奇妙というか、説得力がないというか。
 似たようなお話しにこんなのがあります。イギリスの小説家W・W・ジェイコブズの短編「猿の手」は、3つの願いをかなえる猿の手のミイラのお話しです。それを入手した男は、息子が家のローンの残りを返済するのにお金が欲しいというのを聞き、それを猿の手に願います。すると息子が勤務先で事故死し、会社からローンの残高と同額が付与されます。息子の死を嘆いた夫の妻に懇願され、男は息子の蘇りを願います。するとドアをノックする音が聞こえます。妻は息子が帰って来たと喜び、ドアを開けようとするのですが、息子の無残な姿を見ていた男は結果が怖くなり、妻がドアを開ける前に、息子を墓に戻してくれるように願い、3つの願いは終了します。
 つまりは死者を蘇らせるようなとんでもない願いをかなえようとすると、大きな代償を払うことになるという教訓であるわけですね。

 でも、この作品から何を学ぶか、よりもホラーとしての面白さを満喫すべきだと思います。家族との時間を作りたくて田舎に引っ越したルイスですが、そのことが娘の死という悲劇を招いてしまいます。家族を幸せにするつもりが、不幸のどん底に叩き込む結果になってしまいました。こんなはずではなかった、悲嘆し混乱するルイスの目の前に、彼女を蘇らせる方法が転がっているのです。ルイスの行動は無理からぬことではないでしょうか。

 そしてエリーは蘇ります。ルイスは彼女の帰還に大喜びしますが、それは家族にとって真の恐怖の始まりでした。
 蘇った少女を演じたジェテ・ローレンスの迫真の演技がすごいです。子役にここまでやらすか? 可愛らしい子供が突然豹変して牙をむくというホラーやサスペンスはこれまでにもいろいろありましたが、エリーもまたひじょうに怖いです。そしてとても悲しいです。彼女は自分の身の上に起こったことを覚えていますし。
 亡くなった家族や友人にもう1度会いたい、そんな思いを抱いている人は大勢いるでしょう。たとえ幽霊でもいいから会いたい、そんなことを言う人もいます。でも、この映画を観たら考え直すかもしれません。死者と生者は相いれないものなのでしょうか。

 それにしても最近ますます、リメイク作品が多くなりましたね。

原題:Pet Sematary。
2019年アメリカ、101分、翌年日本公開、R15+。
原作:スティーブン・キング。
監督:ケヴィン・コルシュ、デニス・ヴィトマイヤー。
脚本:ジェフ・ブーラー。
出演:ジェイソン・クラーク、ジョン・リスゴー、エイミー・サイメッツ、ジェテ・ローレンス、ヒューゴ・ラヴォイエ、ルーカス・ラヴォイエ、アリッサ・レビン、オバッサ・アーメドほか。

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