kepopput.jpg

セッション【映画】

2019/01/24


 シェイファー音楽院に通うアンドリュー・ニーマンは、教室でドラムをたたいている時、テレンス・フレッチャーに声をかけられ、彼のバンドチームに参加することになります。教官としては名高いフレッチャーですが、そのスパルタぶりは猛烈で、メンバーたちは口汚く罵られ、ものを投げつけられ、怯えながら練習を続けるのでした。
 アンドリューも練習初日からテンポのずれを指摘され何度も頬をたたかれ涙を流すことになりますが、彼はめげることなく血のにじむ特訓を始めます。
 チームがコンテストに出場した際、アンドリューは主奏者のタナーの楽譜めくりを担当しますが、途中の待ち時間に預かった楽譜をなくしてしまいます。楽譜を暗記していないタナーの代役をフレッチャーにねじこんだアンドリューは見事に役目を果たし、チームは優勝します。翌日から彼はタナーに代わって主奏者に抜擢されます。
 しかしフレッチャーはアンドリューの初等クラスの頃の同僚のコリノーを引き抜いてきて、主奏ドラマー候補にします。以降アンドリューはいっそうドラムの練習に没頭するようになり、自分から誘った恋人のニコルに一方的に別れを告げます。
 フレッチャーの地獄のしごきに耐え、アンドリューは次の大会でも主奏者に選ばれますが、会場へ向かいバスが故障してレンタカーを借り、事故を起こしてしまいます。開演と同時にステージに駆け付けた彼は、血まみれでしたが、強引にドラムを叩き、やがて力尽きてしまいます。「お前は終わりだ」そう宣告するフレッチャーにアンドリューはつかみかかり、退場させられてしまいます。

 アカデミー賞ほか数々の賞にノミネート及び受賞した名作です。鬼教官テレンス・フレッチャーを演じたJ・K・シモンズはアカデミー助演男優賞およびゴールデングローブ助演男優賞を受賞しています。彼は「ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!」でも鬼だけれど理解のある上官の役を務めています。ひじょうに印象深い名バイプレイヤーですね。
 主演のマイルズ・テラーの傲慢な天才ドラマーも役も迫真の演技でしたが、評論家の評価はフレッチャー先生には及ばなかったようです。しかし彼もゴッサム・インディペンデント映画賞で主演男優賞を受賞しています。監督は「ラ・ラ・ランド(2016)」でアカデミー監督賞を受賞したデイミアン・チャゼル。ラブストーリー・ミュージカルの「ラ・ラ・ランド」に比べると、本作は熱血青春ドラマの要素が強いですね。アンドリューに求愛されながら、ドラムと天秤にかけられてこっぴどくふられるニコル役は、ご存知スーパー・ガールのメリッサ・ブノワ(ベノイスト)です。

 筆者の知る限り観た人をみんな夢中にさせた名作ですが、確かにすごい作品ではあります。ドラムのことしか頭になく、有名なドラマーになることしか頭にないアンドリューを、フレッチャー先生は自分のバンドチームに引き抜き、猛特訓するのですが、絶対にほめることはなく罵詈雑言の嵐を浴びせます。それが一流を育てるための彼のやり方なんですね。
 アンドリューは本当に傲慢な少年で、自分のことしか考えておらず、周りを蹴落として自分を売り込むことに躊躇がありません。それはドラムへの情熱のせいもあるのでしょうが、彼の家族にも原因があるかもしれません。彼の家族はエリートぞろいで、みんなプライドが高く、ジャズドラマーのアンドリューを軽視しています。彼は有名になって家族を見返してやりたいという思いも強かったのでしょう。

 大会の会場へ向かう途中で事故を起こしたアンドリューは、血まみれで強引にステージに立ち、失態をおかしてフレッチャーに見捨てられますが、このあと彼は退学になり、フレッチャーもまた学院を去っています。
 そして大勢のスカウトマンが注目するJVC音楽祭で2人は再会することになるのですが、そこでフレッチャーはアンドリューに対してある仕掛けをほどこします。悪意のこもった罠のような仕掛けには、果たしてどんな意図があったのでしょう。2人はこのあとどうなるのでしょう。
 ひじょうに意味深なエンディングには、賛否両論があったかと思います。筆者的には少々物足りないものを感じましたが、より感性豊かな方にとっては大満足のエンディングだったのでしょうか。
 ニコルの扱いがぞんざいすぎました。少ない出番のあと、君は僕の努力の邪魔になるみたいなことを言われて捨てられますが、JVC音楽祭の出演が決まったときに彼はニコルに謝罪して電話しています。であれば彼女にもう1度役割があってしかるべきではなかったか、そう思うのです。でないとアンドリューは結局わがまま坊主のままです。

 天才ならぬ筆者には、ここまで傲慢になれる天才の気持ちは解りませんが、そんなものなのでしょうか。人の道の1つや2つ踏み外すくらいでないと天才は生まれないものなのかも知れませんね。

原題:Whiplash。
2014年アメリカ、106分、翌年日本公開。
監督、脚本:デイミアン・チャゼル。
出演:マイルズ・テラー、J・K・シモンズ、ポール・ライザー、メリッサ・ブノワ、オースティン・ストウェル、ネイト・ラング、クリス・マルケイ、デイモン・ガプトン、スアンヌ・スポーク、マックス・カッシュ、チャーリー・イアン、ジェイソン・ブレア、コフィ・シリボー、カヴィタ・パティルほか。

コメント
コメントする








   

目 次
能書き

思うこと全般

けぽっぷ体験

アイドルのこと

韓流映画

番外編


索引 韓流映画&番外編





      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
<< February 2020 >>

サイト内検索

NEW ENTRIES










recent comment

links

プロフィール

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM