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カイジ ファイナルゲーム【映画】

2020/01/20


 2020年東京オリンピック開催後、日本は1500兆円もの負債を抱え、国の経済はどん底まで疲弊していました。一部の富裕層のみが富み、一般市民は極度の貧困にあえいでいました。派遣社員として建設現場で働く伊藤カイジは、給料の7割を搾取する派遣会社の社長黒崎に猛然と抗議しますが、黒崎は無能な人間に職を与え感謝されるべきだと嘲笑します。
 ある時、自暴自棄になっているカイジにひとりの男が負えをかけます。かつてカイジが地下で強制労働を強いられていた時の現場の班長だった大槻でした。大槻は1枚のチラシを見せ、弱者救済イベント バベルの塔への参加を勧めます。とある富豪が主催するイベントで、どこに出現する分からない塔のてっぺんにあるカードを取ったものに巨額の報酬が授けられるというものです。
 カイジは誰も思いつかない方法でそれを獲得しますが、カードの電卓で金額を入力することを選ばず、その裏の人生を変える方法を選択します。
 カードの導きに従ってカイジが訪れたのは、バベルの塔の主催者東郷の別荘で、同じくバベルの塔の勝者桐野加奈子も招かれていました。東郷はカイジと加奈子にある計画への参加を要請します。
 不動産王の東郷は、日本政府が現在の経済危機を乗り越えるためにとんでもない策を講じようとしていることを察知しており、それを阻止するために2人に力を貸して欲しいというのです。
 政府は国民の預金総額1500兆円を国の負債と相殺するのに充て、それで経済を立て直そうと企んでいました。預金封鎖をして、国民の資産をすべて奪ってしまったうえで円を廃止し、これに代わる新たな通貨を流通させ、政府高官と一部の資産家だけが自己資産を新たな通貨に換金して生き残る手はずでした。
 カイジは資産家の東郷をすぐには信じませんでしたが、彼が病身で余命宣告を受けており、最後に日本を救いたいという話しを聞き、計画に参加することにしました。
 預金封鎖を提案した首相秘書の高倉は、10日後の天明の儀で閣僚に賄賂を渡し、法案を成立させようとしていました。それまでに高倉が賄賂として配ろうとしている1000億を用意し、閣僚を買収しようというのです。
 東郷の資産は500億、これを倍にするために、帝愛ランドで開催される「最後の審判 人間秤」に参加することになります。対戦相手はあくどい人材派遣で財を築いた黒崎です。
 
 命がけの人生ゲーム劇場版カイジの第3弾です。前作「カイジ2 人生奪回ゲーム」から実に9年ぶりです。今回はどこに出現するか分からないカードを奪い合う「バベルの塔」、10人がジャンプして1人が勝者となりあとの9人は命を落とすという「ドリームジャンプ」、首相秘書官の高倉が得意とする金の卵を使った「ゴールドジャンケン」、そして互いの資産を金の延べ棒に換えて重さを計る競技「最後の審判 人間秤」というゲームにカイジは挑みます。
 これまでの人生ゲームで、カイジは九死に一生を得る死線を潜り抜けてきましたが、本作では命の危険と引き換えのゲームという要素よりも、いかに相手の裏をかくかに重点が置かれ、ゲームとしてのおもしろさが増しています。ゲームのルールを越えた駆け引きにおもしろさがあります。
 そして、すべてをかけて戦うファイナルゲーム「最後の審判」では、人間関係や友情が試されます。地道に人脈を増やしてきた東郷と、人を陥れて材を築いた黒崎の闘いです。それがどんな内容なのかは映画で確かめていただくとして、とにかくこのゲームに勝つためには多くの人々の支持を得なければなりません。
 ところが、こちらの手の内がことごとく黒崎に読まれています。内通者が身内にいるのか? 東郷が絶大な信頼を置いている秘書の廣瀬、おまえ怪しくないか? いやいやそんな単純なものではありません。

 2020年すなわち今年開催予定の東京オリンピックの後に荒廃した未来がやって来るという暗澹とした予想が、なんとも不気味です。福本伸行による原作にはないオリジナルストーリーなのだそうですが、福本氏はオリンピック反対派なのでしょうか。原稿政治がそうであるように、オリンピックも富裕層の利潤だけを当て込んで誘致したものだとしたら、オリンピック景気は企業と資産家だけのものとなり、国が滅びに瀕することもあながち架空の話しではありませんよ。
 カイジが体現したように、ここは市民が熱い思いで国の立て直しに臨まなければ、日本は本当に終わります。
 なんだか手放しには笑えないお話しでした。カイジに味方した若者たちが生きるための教訓を得たように、現実社会の若い力も加熱すればと願う次第です。

2020年、128分。
原作、脚本:福本伸行。
監督:佐藤東弥。
脚本:徳永友一。
出演:藤原竜也、福士蒼汰、関水渚、新田真剣佑、吉田鋼太郎、松尾スズキ、生瀬勝久、天海祐希、山崎育三郎、前田公輝、瀬戸利樹、金田明夫、伊武雅刀ほか。

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