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罪の余白【映画】

2020/01/10


 高校生の木場咲と新海真帆と安藤加奈は同じクラスで大の仲良しでした。表向きはそう見えるものの、いつの頃からか咲の加奈に対するいじめが始まり、真帆もそれに同調するようになっていました。ある時、咲はテストの成績が加奈の方が悪かったことを理由に罰ゲームを強要しました。教室のテラスの柵の上に5秒間立つという危険なもので、いやならやらなければいいと咲は冷たく言い放ちます。
 とても断れる状況ではなく、柵の上に立った加奈は、そのままバランスを崩して転落し、病院に搬送されますが、けっきょく帰らぬ人となってしまいます。警察は事故と自殺の両面で捜査をしますが、早々に事故と断定します。
 大学で心理学を教えている加奈の父安藤聡は、娘の死に愕然とし、大学にも辞表を出します。先輩の小沢早苗が彼を気づかって手作りの料理を持参し再三彼を訪れますが、力づけることはできませんでした。

 酒におぼれ自暴自棄になっていた安藤のところへひとりの少女が訪ねて来ます。少女は加奈が遺書などを残していなかったのかと尋ねますが、安藤は何も見つからなかったと答えます。しかしその後、彼は加奈のパソコンから日記を見つけ出し、娘が2人のクラスメイトからいじめに遇っていたことを知ります。
 安藤は、学園祭中の学校を訪れ、近くにいた女生徒に咲と真帆について尋ねます。女生徒が示した少女たちのうちひとりは、先日安藤を訪ねてきた少女にちがいありませんでした。咲は加奈が自殺の原因になる証拠を残していないか確認に来ていたわけです。
 安藤は咲を問い詰めますが、咲は加奈を自殺に追い込んだ証拠となる日記を突き付けられてもまったく動じず、それは加奈の一方的な言い分だと冷笑します。

 咲は才色兼備の優等生で、自分に絶大な自信を持っており、自分以外はみんな凡人と考えているようです。劇中、芸能事務所にスカウトされるシーンがありますが、そこでも彼女は女優以外の仕事はしたくないと自己主張し、友だちなど作らないと言っています。
 娘の死の真相を知りたいと必死になる安藤をあざ笑い、彼に献身的に協力する小沢早苗の生き方を侮蔑し、外見を嘲弄します。安藤に咲と真帆のことを伝えた笹川七緒を脅します。彼女にとってクラスメイトはまるで玩具のようなもので、誰も寄せ付けようとしません。唯一真帆に優しい言葉をかけるのは、彼女を隷属させるためです。早苗は真帆のことを咲を独占したがっていると分析していますが、真帆は咲にただ従っているだけです。とくに加奈の死以降は怯えて言いなりになる犠牲者と化しています。

 早苗は安藤に咲が身勝手で危険な女であることを伝えますが、安藤の娘の死の真相を知りたいという思いは、咲に復讐したいという衝動に変ってゆきます。心理学の教授である安藤は、咲を精神的に追い詰めようとしますが、それでも彼女は動じません。

 加奈はなぜ死なねばならなかったのでしょう。先や真帆と友だちになれた頃の彼女は幸せそうでした。ところが咲の気まぐれで加奈が攻撃されるようになると、様々な負の感情が沸き上がってきます。加奈を産むとき母親は発癌しており、出産のために治療を拒みました。加奈は母の死と引き換えにこの世に生を受けたことで、自分が母親を殺したと思うようになっていました。咲にそそのかされてクラブに行き遅くまで帰らなかった時は、父を激高させましたがそれも父が自分を恨んでいるせいだと思ったようです。
 咲の言いなりになってテラスの柵に立ったのは、そうしなければ咲の攻撃が激しくなるという恐れと、従うことで咲きに認めてもらえるかもしれないという期待があったのかもしれません。あるいは足を滑らせてこのまま死んでしまうのもよいかも、自ら命を絶つよりも理想的な末路かもしれない、そう考えたのかもしれません。日記の中で彼女は、もうどうでもいい、疲れたとこぼしています。
 様々な思いが彼女の脳裏を過り、おそらく死の真相は彼女本人にもはっきりとは解っていなかったのでしょう。

 加奈が死んでから、真帆は罪悪感に苛まれ、咲に怯える日々を送ることになりました。そんな彼女とは裏腹に、咲は今の状況を楽しんでいるかのようでした。加奈が父親から性的虐待を受けていた、そんなうわさを流したのも咲でしょう。
 咲に対して牙をむく安藤を、体よくあしらいながらそれを楽しんでいる、彼女はそんな女でした。

 安藤は心理戦で彼女を追い詰め、復讐を果たそうとしますが、演出的に彼がずっと圧されっぱなしに見え、彼が堕落してゆくように見えるばかりでした。かといって咲の魔性をメインにした物語でもなく、主役はあくまでも安藤です。この恐ろしい少女を安藤がいかにして陥れるか、というお話しなのですが、あまりそのようにま見えないところがちょっと残念でした。

 ネタバラは申せませんが、ラストシーンの咲の表情、皆さんはどう思われますか? 映画を観終わったあとで考えてみてください。あの顛末で咲のあの表情に、ととえも奇妙な感じを受けました。
 原作本が出ています。そちらがひじょうに気になっています。

2015年、120分。
原作:芦沢央。
監督、脚本:大塚祐吉。
出演:内野聖陽 、吉本実憂、谷村美月、葵わかな、宇野愛海、吉田美佳子、宮川浩明、黒澤はるか、三浦朋香、イチキ游子、山木コハル、利重剛、加藤雅也 、堀部圭亮ほか。

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