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パラサイト 半地下の家族

2020/01/09


 半地下に住むキテクとその家族は、仕事もなく貧困にあえいでいました。ある時、息子のギウの友人ソジュンが家庭教師の仕事をギウに紹介します。海外留学を決めたソジュンが、富豪のパク家の高校生の娘ダヘの家庭教師をギウに譲るというのです。
 姉のギジョンの手腕で書類を偽造し、高名な大学の学生に成りすましたギウがパク家を訪れると、妻のヨンキョはソジュンの紹介ということでギウを信用してしまい、ダヘも彼のことを気に入ります。
 ダヘの幼い弟ダソンは常にネイティブ・アメリカンの扮装をして駆け回る奇行の持ち主で、家族も頭を抱えていました。ダソンがシュール画を描くことを知ったギウは、美術に造詣のある家庭教師を紹介することにし、ヨンキョもそれに賛同します。そうしてパク家を訪れたのがギジョンでした。こうして姉妹そろってパク家の家庭教師になったのです。
 ギジョンは、パクの車にパンティを脱ぎ捨て、お抱え運転士が女癖が悪いことを偽装します。運転士はクビになり、ギジョンが紹介した新たな運転士キテクが採用されます。
 キテクはパクとヨンキョの信頼を取りつけると、この家で長年働いてきた家政婦のムンが結核を患っていることを偽装します。ムンが解雇されるとキテクは派遣会社の名士をパクに手渡します。パクがそこに電話をかけるとギジョンが出て、新しい家政婦を紹介します。キテクの妻チョンソクがムンの後任としてパク家に勤めることになりました。
 こうしてキテクの家族4人は、まんまと富豪の家の仕事にありついたのでした。

 ある時、ダソンの誕生日を祝うためにパク家がそろってキャンプに出かけます。留守を任されたチョンソクは家族を呼び寄せ、豪邸で宴会を始めます。夜になり嵐が到来します。そして事件が。
 前任の家政婦ムンが訪ねてきたのです。忘れ物を取りに来たというムンの主張を無下に断ることもできず、彼女を家に通すと、なんとキッチンの隠し扉から誰も知らない地下室へと向かうのでした。そしてそこへ嵐でキャンプが中止になったムン家の家族が帰ってきます。

 フランスのカンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを受賞した話題作です。日本公開は本年度ですが、昨年末に一部の劇場で先行ロードショーが行なわれました。
 一頃、韓流映画は日本でも大きなブームになり、一流劇場に長蛇の列ができる作品もあったのですが、今では韓流作品を上映する一流館はほとんどなくなってしまい、小さな劇場での上映のみになってしまいました。韓国がおもしろい作品を手がけなくなってしまったわけではないのですが、日本人が飽きてしまったのでしょうか。ひじょうに悲しいことです。
 本作は世界的に名だたる映画祭カンヌ国際映画祭で最高賞が授与されるという快挙を達成したわけですが、日本アニメも大人気のフランスでは韓流作品はどのように評価されているのでしょう。今でも多くの韓流作品が人々に支持されているのでしょうか。
 というわけで、じつに長らくぶりに韓流作品が一流映画館にお目見えし、しかも冬休みに先行ロードショーされることになりました。これを機に、ヨン様以来の韓流旋風が再来するといいですね。

 半地下の家族のサブタイのように、キテクの家族は4人で半地下スペースに間借りして暮らしています。日本ではあまり見かけない半地下スペースですが、筆者が知る半地下と言えば、アメリカのテレビドラマ「ラバーン&シャーリー」で、1970〜1980年代にかけてヒットした作品に登場するものです。ラバーンとシャーリーという貧しい2人の労働者の女性が半地下の部屋をシェアして暮らしています。
 半地下構造とは、部屋の上部が少しだけ地上に出ていてそこに窓を設えて明り取りができる間取りのことで、窓から望む風景は、往来の足元です。道行く人々の足や車のタイヤを眺めながら暮らしているわけです。外からでは、地面に接した陰気な窓が伺えます。貧乏暮らしの象徴のような部屋ですね。もっとも都市部の限られた土地で部屋面積を増やすために利用された機能的な住宅もあるようで、半地下=貧乏という図式は成り立ちませんが。

 ひじょうにおもしろい作品です。身分を偽装し一家そろって富豪の家に就職してしまうしたたかな貧民のお話しですが、綱渡りのような危うい生活がいつばれるかとひやひやしながら見守らなければなりません。そんな観客のハラハラドキドキを他所に、キテクの一家4人は偽装に絶対的な自信を持ち、パク家の留守を利用して宴会を始める始末。おいおい事態が急変して家族が帰ってきたらどうするんだよう。
 危ういです、じつに危うい、そしてその心配は的中し、家族で出かけたキャンプは嵐で中止、パク家の面々が帰ってきてしまいます。それだけならまだしも、すでに解雇されている元家政婦のムンの到来。彼女もまたパク家に対して秘密を持っており、パク家の留守を見計らって訪問したようです。それはいったいどんな秘密なのか。

 予告編でもネタバレ厳禁を切実に訴えていますが、事件の顛末は絶対に予測できないと思います。狡猾な詐欺師一家がいったいどんな計画を立てているのか、彼らの本当の狙いはなんなのか、そんなふうに考えていると、この顛末に思いが及ぶことはありません。

 この作品を詐欺師一家によるブラックコメディととらえていると、ラストシーンは肩透かしの感を覚えるかもしれません。でも、聡明で多くの映画を観てきた御仁なら、ユーモアの中に仕組まれた痛烈な社会風刺を見抜くでしょうし、狡猾な貧民に対して間抜けに見える富豪一家という構図に慄然とさせられることでしょう。そこにパラサイトという言葉が重なると、なんだか笑えなくなります。シチュエーションがホラーに変じます。
 パラサイトとは寄生のことですが、単に富豪の家に寄生した貧民家族という図式のみならず、人間社会そのもののおぞましい図式が見えてきて、ぞっとさせられるかもしれませんよ。

2019年、132分、同年日本(先行)公開。
監督、脚本:ポン・ジュノ。
脚本:ハン・ジンウォン。
出演:ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、チャン・ヘジン、イ・ジョンウン、チョン・ジソ、チョン・ヒョンジュン、パク・ソジュンほか。

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