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屍人荘の殺人【映画】

2020/01/06


 神紅大学ミステリー愛好会の明智恭介と葉村譲は、校内ではホームズとワトソンと呼ばれる名探偵コンビでした。しかしながら明智の推理は必ずしも上手くゆくとは限らず、学園内やご近所の事件をただ攪乱するだけであることも少なくないことを葉村は知っていました。でも単なる引きこもり推理小説オタクの葉村を外に連れ出してくれたのも明智であり、葉村は明智に恩義を感じていました。
 給食のおばちゃんが賄賂を受け取っているという情報を得た明智と葉村は、学食で張り込みを行ないますが、そこへ剣崎比留子と名乗る女子大生が現れ、2人に仕事の依頼をします。
 剣崎比留子の依頼は、ロックフェス研究会の合宿への同行でした。会員宛てに殺人予告が届き、しかも去年の合宿では行方不明者が出ているというのです。脅迫状を恐れて女子部員が減っているので、比留子は明智と葉村の同行を条件に合宿への参加を取りつけたのでした。事件に興味を覚えた明智は、比留子の依頼を快諾し合宿に参加することにします。
 山間にある古い洋館“紫湛荘”が合宿の宿になりました。そこはロック研のOB七宮兼光が所持するホテルで、すぐ近くで大規模なロックフェスティバルが開催されていました。明智たちはロック研のメンバーと共に会場に赴きますが、突如会場に異変が生じます。観客が次々と倒れ、しばらくして復活した彼らはゾンビと化し、人々を襲い始めたのです。
 紫湛荘に逃げ込んだ一同は、扉を施錠しゾンビの群れの侵入に怯える夜を過ごすことになりますが、そこで殺人事件が起きます。

 古い洋館に立てこもった大学生やOBたち、ゾンビの大群が血を求めてそれを取り囲みます。ゾンビの侵入を許せば逃げ場はありません。しかも備蓄の食料はわずか、それだけでも死に直面した窮状なのに、ゾンビとは関係ない殺人事件が起きます。剣崎比留子の推理が光ります。じつは彼女は警察に協力して多くの難事件を解決してきた明智も及ばない名探偵なのでした。一方葉村は、事件が起きた密室のトリックを見破りますが、彼は数多くの推理小説を読んで1度も犯人を当てたことがありません。

 次々と予想外のことが起きるのが推理ものの醍醐味ですが、この作品の予想外は桁外れです。古い洋館紫湛荘における密室殺人、そう信じて観に行ったわけですが、まさかのゾンビ映画に! 予想外にもほどがあります。大勢の観衆でごった返したロックフェスティバルの会場に、注射器を携えた怪しい人影がまぎれ込みます。救急コーナーに次々と運び込まれる失神者たち。しかしそれらは間もなく復活し人を襲い始めます。感染は爆発的に拡がり、あたり一面ゾンビの大群です。ゾンビを逃れて紫湛荘に立てこもった人たち、しかし執念深いゾンビの群れは今にも古い扉を破壊し、中に侵入して来そうです。備蓄した食料はわずか、どれだけ持ちこたえられるか分かりません。
 そんな中で密室殺人が勃発します。自分たちが今にもゾンビの餌食になってしまいそうだという絶体絶命のピンチの中で、剣崎比留子が事件を推理します。いやいやこの状況で犯人が判ったところでどうにもなりませんよ、ゾンビの侵入を許せば全員命がありません。事件の推理よりも脱出する手立てを考えることが肝心じゃないのか? でも比留子の関心事は脱出よりも事件の謎解きです。葉村が献身的にそれを手伝います。

 クラシックなフォーマル衣装の美少女名探偵がめちゃくちゃ可愛いです。常に緊張した面持ちで男言葉でしゃべります。どこぞの高貴なお嬢様ですか? 葉村譲は最初っから彼女にぞっこんで、時折「可愛い」の歓声を口に出してしまいます。比留子嬢の命とあらばそりゃもう2つ返事で従います。
「葉村君、死体を運び出して」さすがにこの依頼には「ええー」と表情をゆがめますが、「運び出してくれたらキスしてあげる」の一言で再起奮発。
 終始凛とした態度を崩さない剣崎比留子ですが、意外にドジっ娘だったりします。そこがまた……。ドジと言えば自称名探偵明智恭介もなかなかやらかしますよ。彼は序盤で事件が起きる前に犯人を突き止めてしまうという才能を発揮しますが、劇中で最も予想外な展開に直面します。ほんとまさかの……です。もうビックリです。

 映画はコミカルで楽しい異色ミステリーになっていますが、原作小説はどうなのでしょう。国内の主要なミステリー賞を総なめにするほどの大作だそうですから、多くのミステリー愛好家を唸らせる内容になっていると思うのですが。ひじょうに気になるところです。原作にもゾンビは出てくるのでしょうか。ぜひ読んでみなければなりません。
 映画の方は、愛好家を満足させる出来だったのでしょうか。それとも事件推理ものとしてはあまりにも異色な内容に戸惑う人が多かったのでしょうか。筆者は、もう大絶賛です。ぜひともシリーズ化して欲しいです。

2019年、119分。
原作:今村昌弘。
監督:木村ひさし。
脚本:蒔田光治。
出演:神木隆之介、浜辺美波、葉山奨之、矢本悠馬、佐久間由衣、山田杏奈、大関れいか、福本莉子、塚地武雅、ふせえり、池田鉄洋、古川雄輝、柄本時生、そこに中村倫也ほか。

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