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生理ちゃん【映画】

2019/11/21


 ファッション誌の編集部でバリバリ仕事する米田青子、同僚の山内裕と共に記事の収集に奔走します。そんな2人がオフィスの清掃員山本りほには、別世界の人間に見えてしまいます。りほには青子と裕はお似合いのカップルにも見えますが、青子は妻を亡くし小学生の娘と暮らす久保勇輔と恋愛中。
 女性たちの許へ月に1度やってくる生理ちゃん。青子のところへ来るのは重くてでっかい生理ちゃん。りほも掃除用具入れに巨大な生理ちゃんを乗せえっちらおっちら運んでいます。青子の妹ひかるの生理ちゃんはまだ小さくて手のひらサイズ。ひかるの彼氏ゆきち君は、ひかると一緒にいると欲望君を呼び寄せてしまいます。
 掃除のバイトが終わると部屋に引きこもってゲームに明け暮れる りほは SNS で世間に対して毒舌を吐き続ける毎日。それが裕の目に留まり、彼は りほを突き止めます。雑誌のコラムの記事を依頼する裕、最初はかたくなに依頼を断っていた りほの気持ちが少しずつ溶けてゆきます。しかし打ち合わせの場に来たアシスタントを裕の彼女と勘違いした りほは再び自分の殻に閉じこもってしまいます。
 一方、勇輔からプロポーズを受けた青子ですが、勇輔の娘かりんに猛然と拒絶されてしまいます。かりんにとって母親は亡くなったもの、新しい母親なんて認められません。青子はかりんに気に入られようと努力しますが、かりんはまったく応じません。そんな かりんに初めての生理ちゃんがやって来ます。

 女性の生理を擬人化するという何ともシュールな設定の人間ドラマです。青子の大きな生理ちゃんが重くのしかかります。それを背負って仕事に赴く青子の姿が、これまたシュールです。妹のひかるの生理ちゃんは軽くて肩に乗るていど。りほは、掃除のバイト時、清掃用具入れに巨大な生理ちゃんを乗せてヒーヒー言いながらこれを押しています。
 女性が頑張ろうとするとき、生理ちゃんは申し訳なさそうにやって来てズズンとのしかかります。そんな生理ちゃんが彼女たちから好かれるわけがありません。でも、仕事に恋に行き詰まった時、寄りそって話しを聞いてくれるのは、ピンクでブサイクなゆるキャラだけです。

 引きこもりの りほが裕が差し伸べた手を取って、自分の殻を破ろうとした時、生理ちゃんは力づけてくれます。でもちょっとした誤解から彼女は元の暗い部屋へ戻ってしまいます。「もういいから、私なんかのところへ来なくていいから」どうせ自分は一生独身、生理なんか来たって意味がない。りほは女を捨ててしまおうとします。

 母を亡くした かりんちゃんの許にもそれはやって来ます。小さな生理ちゃんを抱えて途方に暮れる かりんちゃん。でももっと途方に暮れているのは勇輔。わらをもつかむ思いで青子に電話します。あとの展開は……読めましたね。いいえ、読めないと思いますよ。

 男子のところには、欲望君やら童貞君といったゆるキャラがやって来ます。なんだかなぁ。

 変な題材の変なお話しですが、とても心が温かくなります。時間に追われ仕事や人間関係に追い詰められている現代人にとって、生理ちゃんのようなキャラがいてくれるといいな、そう思いました。それは自分ひとりが抱え込む妄想で、普段はじゃまで仕方がないのですが、苦しい時に心のよりどころになってくれます。
 ボーッと傍らにたたずむだけのピンクのゆるキャラに頭を預けて物思いにふける青子や りほが印象的です。ひかるや かりんにちょこんと寄り添う小さな生理ちゃんが可愛いです。
 日本の漫画やアニメは、なんでも擬人化してしまいますが、ついに“それ”まで。難にでも心を持たせてしまうのは、日本古来の八百万の神々信仰に通づるものがありますね。
 あわただしい現代社会の軋轢にお疲れぎみのあなたにお勧めです。

2019年、75分。
原作:稲葉直人。
監督:品田俊介 。
脚本:赤松新。
出演:二階堂ふみ 、伊藤沙莉、松風理咲、狩野見恭兵、豊嶋花、信太昌之、藤原光博、中野公美子、鈴木晋介、広岡由里子、笠松伴助、小柳津林太郎、八木橋聡美、安藤美優、竹村仁志、田宮緑子、飯田愛美、岡田義徳ほか。

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