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任侠学園【映画】

2019/10/08


 構成員6人の弱小ヤクザ阿岐本組の親分阿岐本重里は、義理人情に厚く困っている人を見れば助けずにはいられませんでした。そんな彼が、経営不振の仁徳京和学園高校の再建という仕事を引き受けてしまいます。若頭の日村誠司は、組自体が経済的に苦しい折り、そんな仕事は受けたくありません。しかし恩義のある親分に逆らうこともできず、手下の二之宮稔、三橋健一、志村真吉らを連れて学校に向かいます。
 日村たちはそこで理事の退任に就き、経営の立て直しに挑むのですが、ことなかれ主義の教師陣に無気力な生徒たちの実態に愕然とします。綾小路校長曰く学力は中程度、部活は以前に事故があって以来すべて中止。こんなありさまでは新たに入学希望者を募ることさえできません。
 そこへ次々と問題が持ち上がります。夜間に学校の窓ガラスが割られ、問題児の沢田ちひろが疑われます。けっきょく彼女は犯人ではなかったのですが、この事件が思わぬ政治がらみの陰謀へと発展してゆきます。

 日村たちは自分たちがヤクザであることを隠して学校に入り込みますが、端々にこぼれるドスの利いた振る舞いから、生徒たちに怪しまれます。不良少女と目されるちひろは、窓ガラスを割った犯人にされてもそれを否定せず、ふてぶてしい態度を捨てません。しかし日村たちの熱血ぶりに少しずつ心を開くようになります。
 強面の男たちがせっせと割れたガラスを片付ける様子、プランターに花の苗を植える様子が、生徒たちの胸を打ちます。そして日村たちは、野球部をはじめ様々な部活を復活させるために動き始めます。

 しかし学校の運営は青春ドラマのようにはゆきません。窓ガラス破壊事件は、小日向という悪徳弁護士が参入し、政治的な汚職事件へと発展してゆきます。さらには広域暴力団隼勇会の唐沢組長まで出張ってきます。大きな組を怒らせては阿岐本組はひとたまりもありません。ところが阿岐本重里はまったく動じず一歩も引こうとしません。

 阿岐本組は、常日頃から周囲に気を配り多くの人たちから信頼を得ていました。とにかく困っている人がいれば放っておけない、人様に迷惑はかけない、その方針で地域のとくに商売人たちから慕われてきました。
 今の世の中、かたぎの人間どもが忘れてしまった人の情というものを、ヤクザの方が持っている、そんな気がします。ヤクザの世界は外道などと呼ばれていますが、義理人情を捨ててやってゆける稼業ではないようです。かたぎの人間は法の後ろ盾に甘えて、違法でなければどんなに不義理を働いても平気で罪の意識もありませんが、法の後ろ盾のない世界ではそれは通用しないようです。

 ことなかれ主義の校風の中で無気力が蔓延している学校内に青春を取り戻させたのは、そんな任侠の精神でした。法治国家の弊害に毒されない少年少女たちは、相手がヤクザだからと敬遠することなく、自分たちの思いを受け止めてくれる人間を選びません。そして教師の中にも日村たちに同調するものが現れるようになります。

 笑い満載、感動満載、そして爽快なエンディング。こんな映画を観たかった、そう言える傑作です。
 この映画を観て、そんなに上手くゆくわけがない、なんて冷たい目をしている人は、かなり心が汚れています。単純に、純粋に楽しむこと、感動することを忘れてはあきまへん。

2019年、119分。
原作:今野敏。
監督:木村ひさし。
脚本:酒井雅秋。
出演:西島秀俊、西田敏行、伊藤淳史、葵わかな、葉山奨之、池田鉄洋、佐野和真、前田航基、戸田昌宏、猪野学、加治将樹、川島潤哉、福山翔大、高木ブー、佐藤蛾次郎、桜井日奈子、白竜、光石研、中尾彬、生瀬勝久、永野愛理ほか。

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