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LADIES' CODEの悲劇

2014/10/18

 LADIES' CODE(レディース・コード)は、昨年2013年にデビューして以来、ヒット曲を連発し、種々の賞を獲得するなど快進撃が続く女性5人組の新人グループです。筆者もたいへん注目しており、Pretty Pretty 、So Wonderful 、KISS KISS と続々登場する名曲に魅せられてまいりました。韓国のニュースメディアが予想する2014年にもっとも活躍する女性グループでも新人ながら上位にランキングされ、まさにビッグシンガーの仲間入りを約束されていた人気アイドルです。
 ところが今年の9月3日、仕事を終えて車で移動中、彼女ら5人や関係者を乗せた車が交通事故を起こし、メンバー2人が死亡し、悲劇のヒロインとして名が広く知れるところとなってしまいました。  事件は韓国芸能界に大きな激震となって伝播し、数々のアイドルや映画俳優などが追悼の意を表明するとともに、LADIES' CODE の再起を祈念するメッセージを表しました。

 韓国の交通事情は、はっきり言ってよろしくないです。筆者が読んだ何件かの文献でも、自動車の保有台数は日本の10分の1であるのに対し、死亡事故は日本の3倍と書かれてありました。単純に考えると、車の台数を日本と同じにすると死亡事故は30倍ということになります。これまでにもひじょうに多くのアイドルが交通事故に遭遇し、負傷したり命を落としたりしています。メンバーの怪我で活動を休止するアイドルグループも後を絶たず、韓国のすべてのアイドルが無傷でいる時期なんてかつてあったのかと疑われます。これまでに交通事故でメンバーが負傷したことがあるアイドルグループを列挙したらそれこそキリがありません。もちろんソロ歌手であっても事情は同じです。
 近年、高度経済成長を遂げ、技術大国として世界にその名を知らしめた韓国ですが、発展を急ぐあまり暮らしの安全がないがしろになり過ぎています。K-POPを紹介するとある日本向けのテレビ番組でも、韓国でタクシーを利用し、危ないからスピードを落とすようドライバーに注意すると、急がないなら降りてくれ、急ぎの用でタクシーを待ってる人が大勢いる、と言われたというエピソードを紹介していました。
 筆者も車が大好きで、マニュアルミッションのスポーツタイプの車を若い頃からずっと愛用してまいりました。でもね、急いでいるからと言って考えもなしに速度を上げても大した時間短縮にはなりません。無謀な運転をする車が、筆者を追い越して100メートル先行したとします。見た目ははるか彼方に行ってしまったように感じますが、車はその100メートルを数秒で走り抜けます。たっぷりガソリンを使って危険を冒したところで、得られる時間は数秒なのです。高速道路等でひじょうに長時間走行したとすれば速度の差で数分あるいは数十分の時間節約が実現できるでしょうが、街中ではスピードのちがいは時間の節約にはなりません。複車線や信号の事情、駐車による障害など、数々の道路事情が先読みのできないドライバーの行く手を阻みます。急いでいる人が大勢いるというなら、なおさら無謀運転による事故を減らし、交通渋滞を招かないようにしなければなりません。
 高度な技術に裏打ちされた文明国であっても、それが日々の事故の犠牲の上に立っているのであれば、お笑いでしかありません。今年、セウォル号沈没事故があった後もネット上に「こんな国に住みたくない」「脱出したいけれどお金がない」といった書き込みが相次いだと聞きます。そうした声は、単に事故の悲惨を嘆いたものではなく、技術大国に成長することと引き換えに安全と安らぎを失くしてしまったという日頃から感じている思いが声になったものと想像できます。

 韓国に比べ、日本の芸能人はあまり事故に遭遇しません。上述のデータを参照するならば、車の数が10倍でも死亡事故は3分の1なので、事故に遭う確率が極めて低いうえに、芸能人という大切な商品を運ぶということに関して芸能プロダクションの注意深さがちがいます。スターを失う損失は事務所にとっては計り知れませんから、慎重になってしかるべきです。
 では、韓国に比べて日本は安全という点において優れているのか、というとそうとも限りません。データの比較だけで日本の方が安全だと慢心しているようでは、それは安全意識の欠如にほかなりません。日本も今日に至るまでに数々の傷を残してきています。事故の確率は少なくても、一度事故を起こすとデカいということを日航機墜落事故やJRの列車脱線転覆事故が証明しています。営業に際して安全の確保には最大の責任を負わねばならない交通事業の経営者が、営利主義のために安全点検を軽視したり従事員を精神的に追い詰めたりといった愚行が今も続いていることを、現役鉄道員である筆者はよく知っています。筆者の勤務する関西の地方鉄道でも、ひじょうに神経を使う運輸従事員の心身のケアをするべき立場の上司が、パワハラやセクハラ、悪名高い日勤教育で部下を精神的に追い詰めると言ったことが、今なお増長しています。格差社会の勝ち組かなんか知らんけれど、調子ぶっこいた愚者たちの天下によって、日本の交通の安全神話は崩壊しました。我々日本人も、公共交通機関の重大事故に依っていつ同朋があるいは自らが命を失うかもしれないという危機の中で暮らしています。
 交通あるいは数々の作業の現場で安全を支えているのは、歴史によって培われた文化です。マニュアルや保安装置は安全の補助でしかありません。マニュアル通りの事故なんてありませんし、保安装置も重大事故ではその能力を発揮しません。

 これを書いている尻から、4Minute というアイドルグループのソウル公演において、通気口の崩落事故で今度は観客に多数の犠牲が出たというニュースが届きました。
 大きな事故が起きると、興行主の安全管理や警備や設備に対する責任が問われますが、だれが責任を取ったところで犠牲者の命は還りません。責任の追及はつまるところは権力者の蹴落とし合いに過ぎません。
 安全は文化です。文化とは人々の暮らしそのものです。そこで暮らしているあなたたち私たちこそが安全の力なのですから、日々の暮らしに快適と安らぎをもたらすために、公衆道徳の向上と子供たちに対する安全教育を、ひとりひとりが心がけて行かねばなりません。
 そして不幸にも重大事故の被害に巻き込まれた関係者の方たちは、個人で企業相手に保障の交渉をしてはいけません。善意の弁護士を中心に被害者の会を早々に立ち上げ、団体で交渉に臨みましょう。相手が企業では個人で立ち向かっても逆に脅されて終わるだけです。

 LADIES' CODE の事故のことでも、現代(ヒュンダイ)社の車の欠陥がどうのと、責任問題が話題になりましたが、そうしたコメントをネット上にアップしているあなた方は、安全に対してどれだけ意識を持っていますか? たとえ現代社が安全に関して信頼性の高い車の製造を実現したとして、最後に安全を確保するのはドライバーたるあなた方なのですよ。
 今回の事故で LADIES' CODE のウンビはほぼ即死、一命を取り留めたものの頭部に重傷を負ったリセは意識が戻らないまま4日後に死亡、ソンジュは顔面を骨折し大きな手術を受けました。奇跡的に軽傷で済んだアシュリーとジュニも精神的なダメージがひじょうに大きいと聞きます。生前、リセはウンビを一番気遣っていたのだそうです。リセの訃報を伝える記事にも、ウンビのもとへ、という表現がされていました。様々なメディアの報道によって周知の事実を、ここで述べるまでもないのですが、読者の皆さまと悲しみを共有したく、あえて記載させていただきました。
 事故当日、彼女たちの楽曲 I'm fine thank you が音源チャートで1位を獲得しました。LADIES' CODE の歌を聞いて元気をもらっていたファンたちが、天国のウンビに届くはずとネットを通じて呼びかけ、実現したそうです。死んでから1位になっても虚しいなんてことはありません。これが人間です。人は心でつながっているのです。ファンたちの熱い思いにジジィの目にも涙です。大勢の人の力が集まって、大きな偉業が成されました。逝ってしまった子たちが愛し演じた K-POP を生んだ素晴らしい国を、安全で快適に暮らせるところにし、育った文化がますます発展して行くように、ファンひとりひとりが自覚を持ちましょう。なにも難しい課題に取り組むのではありません、ひとりひとりが今よりも少し意識付けを持つ、それだけで安全は大きく改善されます。みんなの力が集まって I'm fine thank you を1位にしたのと同じです。
 そして韓国と同様に K-POP の大きな活動の拠点になっている日本のファンも、韓国のファンと心をひとつにしていただきたいと思います。国境は経済という名の魔物が敷いた幻影にすぎません。文化に国境はありません。

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