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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド【映画】

2019/09/06


 1960年代後期、TVシリーズで人気を博した俳優リック・ダルトンは、いまや盛りを過ぎ悪役ばかり演じていました。彼の専属スタントマンとして雇われているクリフ・ブーフは、種々の雑用もこなしながらリックを支え続け、2人の関係はかけがえのないパートナーであり親友同士でもありました。
 俳優として落ち目になり、将来を悲観し憂うるリックに対して、クリフはいつも前向きで明るく生きていました。
 プロデューサーのマーヴィン・シュワーズは、ハリウッドで人気が得られなくなったリックに、イタリアでマカロニ・ウェスタンに出演することを勧めますが、リックはそれを受け入れられませんでした。しかしながらとある映画で監督から演技を絶賛され、子役の少女に共演できたことを喜ばれ、彼は俳優としての再起をかけてイタリア行きを決意します。

 落ち目のアクション俳優リック・ダルトンと、彼のスタントを演じたことから無二の親友になったクリフ・ブースのハリウッド生活を描いたお話しですが、舞台となる1960年代後期のハリウッドは、当時の様子をリアルに再現したもので、実在する有名な俳優が大勢登場します。その頃の筆者は父の影響で洋画(海外の映画)にハマり始めた頃で、マカロニ・ウエスタンも大好物でした。カラーテレビがご家庭に普及し始めたのもこの頃で、筆者の家では1970年にそれがお目見えしています。ベトナム戦争が終結に向かい、アポロ11号が月面に到達し、日本万国博覧会が華々しく開催されました。テレビではほぼ毎日各局が洋画を放送し、毎晩9時になると家族で洋画を観るのが日課でした。
 そんな筆者から見てこの作品は、少年期の多感な時期に強烈な印象を覚えた名作の数々と、今も名前を忘れることのない俳優や監督であふれた思いでのアルバムみたいな内容でした。
 監督のクエンティン・タランティーノは筆者と同年代なので、思いを共有することができるでしょう。そしてもちろん筆者より年上の人たちにとっても、目新しい文化が次々と現実のものとなり、おもしろいハリウッド映画が怒涛のごとく公開されるこの時代は忘れようとしても忘れられないものにちがいありません。
 書店にゆくと洋画の専門誌が平積みされており、関係書籍も山のようにありましたし、レコードショップでは洋画サントラコーナーが大きく幅を利かせていました。
 レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットが演じるリックとクリフは架空の人物ですが、彼らが生きた時代はまさしく本物。リックの家の隣に越してきた映画監督ロマン・ポランスキーは、「ローズマリーの赤ちゃん(1968)」が大ヒットしたばかりで、その妻シャロン・テードは人気女優で、ディーン・マーティン主演の「サイレンサー/破壊部隊(1968)」が大ヒット上映中です。落ち目のリックに比べて夫妻は華々しい映画人生活を謳歌しています。
 作中シャロン・テートが自分の出演作を劇場で観る一幕があります。よーく覚えていますとも「サイレンサー/破壊部隊」ひじょうにおもしろい作品でした。シャロン・テートもよく覚えています。そして彼女を見舞った惨劇も。

 ある時クリフは、ヒッピーの娘を車に乗せ、娘を彼女が住む場所へ送り届けますが、そこはカルト集団を率いるチャールズ・マンソンが設営するコミューンでした。そこでクリフは乗ってきた車をパンクさせられ、犯人の男をぶちのめします。ベトナム帰りの彼はケンカっぱやいのが欠点でした。
 数日後、チャールズ・マンソンはこの報復のためにクリフの住むリックの屋敷を夜襲します。

 チャールズ・ミルズ・マンソンは実在する犯罪者です。彼は家出娘たちを集め、薬漬けにして男たちをそそのかせ信者を集めてカルト信仰のコミューンを作って集団生活をしていました。彼はミュージシャンを目指していましたが、彼のメジャーデビューを拒んだ音楽家テリー・メルチャーに対して恨みを抱いており、ある時信者にテリーの殺害を教唆します。
 これを受けて3人の信者がテリーの家を夜襲しますが、そこにはすでにテリーは住んでおらず、ポランスキー夫妻の家になっていました。ロマン・ポランスキーは仕事でイギリスに行っていて不在で、家ではシャロン・テートが知人を招いてパーティを開いていました。この時いあわせた5人が犠牲になりますが、シャロンはナイフで十数ヶ所を刺されて死亡、お腹には赤ちゃんがいました。
 女優シャロン・テート惨殺事件は、当時大々的に報道され、筆者もよく覚えています。この映画に彼女が登場した時には、まっさきにこの惨劇が思い出されました。そしてストーリーがそのシーンに近づくにつれてひじょうに重苦しい気分になりました。
 シャロンが開いたパーティには、スティーブン・マックィーンやブルース・リーも呼ばれていましたが参加できず難を逃れた、そんな話しも聞いたことがあります。この作品には2人とも登場しています。

 筆者や同年代あるいは高齢の人たちにとっては、ひじょうに懐かしい香りのする作品で、ずっと目が離せなかったのですが、若い人たちにとっては文化のちがいもあり、あまりおもしろいとは言えない内容になっていたかもしれませんね。息子ともよく映画を観に行きますが、彼は途中で寝てしまうかもしれません。
 でもこれはやはり名作です。さすがタランティーノです。題材的にはシャロン・テート殺人事件を背景にしていますが、実際の事件とは内容が変えてあります。シャロンの死ぬところなんか見たくないと、この作品を敬遠する向きにも安心して勧められます。
 って、ネタバレしてしまいましたが、もしも実際にリックとクリフがシャロンの隣人だったら、彼女は死なずに済んだかもしれませんね。
 
原題:Once Upon a Time in Hollywood。
年アメリカ、161分、同年日本公開。
監督、脚本:クエンティン・タランティーノ。
出演:レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー、ラファル・ザビエルチャ、ブルース・ダーン、アル・パチーノ、ダミアン・ルイス、ティモシー・オリファント、ルーク・ペリー、エミール・ハーシュ、マイク・モー、ロレンツァ・イッツォ、カート・ラッセル、ゾーイ・ベル、ニコラス・ハモンド、デイモン・ヘリマン、ルーマー・ウィリス、ドリーマ・ウォーカー、オースティン・バトラー,ダコタ・ファニング、マーガレット・クアリー、マヤ・ホーク、レナ・ダナム、マイケル・マドセン、スクート・マクネイリー、クリフトン・コリンズ・Jrほか。

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