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(r)adius ラディウス【映画】

2019/08/07


 事故で記憶をなくした男が現場を逃れ、近づいてくる車に助けを求めると、車は失速して停車するもドライバーは死んでいました。携帯で警察に連絡しようとして自分の名前が判らないことに気づきます。持っていた身分証明書から自分がリアム・ハートウェルという名前であることが判りますが、何も思い出せません。
 近くの町に出てみると、人々はみんな死んでおり、野鳥さえも死んで落ちてきます。訳が分からないまま身分証を手がかりに自宅にたどり着きますが、やはり記憶を取り戻す手がかりはなく、家に近づいてきた人間が目の前で死んでしまいます。
 どうやら彼から半径50フィート(15.24m)以内に近づいた人間は死んでしまう、そんな事態が発生しているようです。多数の死人が出たリアムが訪れた町では伝染病やテロのうわさが広まり、警察も動き出します。彼が事故を起こして放置したトラックから彼の身元を割り出した警察が訪ねてきますが、警官もやはり死んでしまいました。
 そこへひとりの女性が訪ねてきますが、なぜか彼女は無事でした。彼女にもまた記憶がなく、リアムにも覚えがなく彼の家にも覚えばありませんでした。2人は唯一共通の記憶である事故現場に行ってみることにしました。すると現場には円形に黒く変色した異質の大地が残されていました。
 リアムは、その女性をジェーン(名無しの権兵衛=ジェーン・ドゥ)と呼び、彼女が近くにいると周りの人間が死ぬ効果が失われることが判ります。
 やがてリアムは凶悪殺人犯として指名手配され、ジェーンは行方不明者として捜索願が出されます。2人は危険を冒して捜索願を出した男性に会いにゆくことにします。

 交通事故をきっかけに、自分に接近する生き物をすべて死に至らしめるという恐ろしい現象に憑りつかれてしまった男リアム。しかし彼に近づいても死なない女性が現れます。リアムがジェーンと呼ぶことにしたその女性もまた彼と同じように記憶がなく、さらには同じ事故現場にいた、すなわち2人一緒に事故に遇ったようなのです。
 2人は事故を契機に記憶を失い、リアムは半径15m以内に近づく者を死に至らしめるようになり、ジェーンにはその効果を阻止する作用が培われました。ジェーンがリアムの半径15m以内にいる限り誰も死なないのです。
 これまでにもオカルトや怪奇現象ではなくSF的雰囲気を帯びた奇妙な現象を扱った映画はいくつかありました。理由もなく人々が突然自殺し始める「ハプニング(2008)」や人々が突然死力を失ってしまう「ブラインドネス(2008)」。これらは謎の現象がどんどん拡大してゆく恐怖を描いた作品ですが、本作では現象はリアムとジェーンにだけ生じ拡大してゆくことはありません。
 リアムは警察に追われ、つかまればジェーンと引き離されてしまうでしょう。そうなればまた大勢の犠牲者が出ることになります。かといって2人ですっとこのまま逃げ続けることもできません。なんとかこの現象の謎を解こうとしますが、その手がかりがジェーンの捜索願です。それで彼女の本名がローズ・デアウッドであることが判り、捜索願を出した男サムに会いに行くことにします。
 この辺りから内容はSFホラーからサスペンスへと変貌してゆきます。リアムとジェーンがなぜこんなふうになったのかということよりも、2人がなぜ出会い同じ事故に遭遇したのかという謎解きにストーリーが移行します。

 予測できない結末との触れ込みはウソではありませんが、SFホラーからサスペンスへと移行したのでは、それは予測できませんって。ずるいですって。観客はあくまでも奇妙な現象の解明に興味があるのに。
 この思わぬ方向転換に目を丸くする人もいれば、拍子抜けしてしまう人もあるでしょう。2人が出会って事故に遇った真相を、謎の現象が隠してしまっていた……そんなのって……。
 現象のおかげでずっと2人でいなければならなくなったリアムとジェーンの間に突如として現れた過去の男サム。彼の存在がちょっぴりじゃまでした。2人の関係に水を差す男は、じつは悪人だったという設定で消えてくれないかなぁ、そして2人でハッピーエンドを迎えてほしい、そんな期待が脳裏を過りますが、果たしてどうなりますやら。

 原題は「RADIUS」で半径を意味しますが、これを話題にすると「(r)adius ラディウス」。出た、何じゃこらタイトル。ほんと日本の映画のネーミングセンスは意味が解りませんね。(R)で登録商標というのはありますが、(r)で半径とでも言いたいのでしょうか。数学等で半径を表すのに r= は用いますが、() はつけんやろ。……ぼやいてもしょうがないか。
 とにかく独特の雰囲気を持った奇妙な作品です。先を知りたいという思いが、観客をストーリーにくぎ付けにしてしまいます。その点ではなかなか見ごたえのあるシチュエーション・ホラーでした。

原題:RADIUS。
2017年カナダ、93分、翌年日本公開。
監督、脚本:キャロライン・ラブレシュ、スティーヴ・レナード。
出演:ディエゴ・クラテンホフ、シャーロット・サリヴァン、ブレット・ドナヒュー、ロバート・ボーチェス、ブラッドリー・サワツキーほか。

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