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スノー・ロワイヤル【映画】

2019/06/14


 ネルズ・コックスマンは、ロッキー山脈の山深い町キーホーで、町と都会をつなぐ経路を確保するために除雪作業に従事しており、その勤勉な働きは町から表彰されるほどでした。そんな彼の元へ空港で働く息子カイルの訃報が届きます。死因は麻薬の過剰摂取でした。息子が薬に手を出すわけがないと信じる彼は、妻のグレースに内緒で調査を始め、カイルと同じ空港で働く彼の友人の代わりに殺されたことを突き止めます。友人は通称ヴァイキングが率いるマフィアの運び屋をやるうちに品物の一部を横領し、ヴァイキングの怒りを買ったのです。
 ネルズは手荒いやり方で売人たちを次々に尋問し、ヴァイキングにたどり着きますが、尋問した男たちは殺して川に投じました。
 部下たちが次々に殺されたことを、ヴァイキングはネイティブ・アメリカンによる対抗組織ホワイトブルの仕業だと誤解し、報復を開始します。こうしてネルズの復讐は、マフィア同士の抗争へと発展するのでした。

 寡黙で誠実で模範市民賞を贈られるネルズが、一人息子を殺されて復讐に燃えるというお話しです。ネルズは徹底したクールガイで感情の起伏をほとんど表に出しません。淡々とマフィアの手下たちを脅し、情報を聞き出し、射殺して川に放り投げます。死体は金網です巻きにして、落差のある滝の上から川に投じます。これで死体は行方不明、金網に巻かれているので浮き上がってくる前に魚のエサになってしまいます。除雪作業と同じように淡々と事務的に殺しをこなしてゆきます。
 しかし彼は元軍人であるとかSPの経歴を持つというわけではなく、長年の山暮らしで覚えた自然との接し方と猟銃の腕前を持っているだけです。言わば殺しの素人の斬新な手口に売人たちは次々に消されてゆくわけです。
 3人もの腹心の部下が忽然と消えてしまった事態に、マフィアのボス・ヴァイキングは激高し、対抗勢力のホワイトブルの仕業だと思い込みます。ヴァイキングはホワイトブルの息子を殺してさらしものにし、マフィア同士の抗争の口火を切ることになります。
 息子のかたきがヴァイキングだと知ったネルズは、兄のブロックを訪ねてヴァイキングに近づく方法を聞きます。かつてヴァイキングの下で働いたことのあるブロックは、それは不可能であると諭し、殺し屋を雇うことを勧めます。ネルズはそれに従いますが、雇った殺し屋は彼を裏切ってヴァイキングに取り入り、逆に殺されてしまいます。
 次にネルズがとった行動は、ヴァイキングの幼い息子を誘拐して彼をおびき寄せる作戦ですが、エサに食いついたのはヴァイキングのみならず、ホワイトブル一味も襲来し、ネルズの仕事場は戦場と化します。

 ノルウェイ・スエーデン・デンマーク合作の「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車(2014)」のリメイクで、監督のハンス・ペテル・モランドは元作でも監督を務めているそうです。筆者は元作は観ていませんが、情報によるとストーリーもシチュエーションもオチも、雰囲気も変わらないのだそうです。それほど徹底したリメイクぶりも珍しいですね。
 地味でモノトーンな内容なのですが、ひじょうにブラック・ユーモアが利いていて笑えます。ネルズに誘拐されたヴァイキングの息子は、除雪車に乗せてもらって大喜びです。子供の教育に偏執的なこだわりを持つヴァイキングによって厳しく制限され、いかついボディガードに取り囲まれた生活から解放された彼は活き活きしています。ヴァイキングがいなくなれば、彼と離婚調停中のアヤが彼を引き取り、人並みの幸せを手にすることができるでしょう。ネルズは言わば救いの手です。

 たくさん人が死にます。そして死に度にその冥福を祈るように画面が暗転し、犠牲者の名前が明記されます。それがなんだか笑えます。なぜそれほどおかしいのかは、クライマックスシーンを観た時にあきらかになります。
 マフィアのボス ヴァイキングはかなりファンキーですが、対抗勢力のホワイトブルは沈着冷静、そしてかなりの人情家です。熾烈な戦闘の最中でもきちんと除雪作業はやるネルズに、彼は感銘を受けたようです。

 ド派手なバイオレンス・アクションを期待していた向きにはもの足りない点もあるかもしれませんが、この作品のじんわりと迫って来る面白さに、いつの間にか夢中になり、そんな不満は吹き飛んでしまうことでしょう。

原題:Cold Pursuit。
2019年アメリカ、118分、同年日本公開。
原作、監督:ハンス・ペテル・モランド。
脚本:フランク・ボールドウィン。
出演:リーアム・ニーソン、ローラ・ダーン、エミー・ロッサム、トム・ベイトマン、ウィリアム・フォーサイス、ジュリア・ジョーンズ、ドメニク・ランバルドッツィ、ラオール・トゥルヒージョ、ベンジャミン・ホリングスワース、ジョン・ドーマン、アレクス・ポーノヴィッチ、クリストファー・ローガン、ナサニエル・アルカン、ベン・コットン、トム・ジャクソンほか。

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