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ラ・ヨローナ 〜泣く女〜【映画】

2019/05/21


 1973年ロサンゼルス。ソーシャルワーカーのアンナは、虐待を受けている疑いのある2人の男の子を母親パトリシアから引き離して施設に入れます。ほどなくして男の子たちは近くの川で溺死し、パトリシアはアンナに恨みの言葉を残します。パトリシアは子供たちを虐待していたのではなく、部屋に閉じ込めてあるものから守ろうとしていたというのです。
 それからしばらくしてアンナの子供たちエイプリルとクリスは、夜になると女のすすり泣く声を聞くようになります。奇怪な現象は日増しにひどくなり、やがて子供たちだけでなくアンナ自身もその声を耳にし、襲われそうになります。
 アンナは教会に助けを求めますが、ペレス神父は教会が動くためには大司教の許可が必要でそれにはかなり時間がかかるとのことでした。しかし非公式に除霊を行なう術を伝えます。
 わらをもつかむ思いでペレスに教わった呪術師ラファエル神父を訪ねたアンナですが、ラファエルはそれは教会の仕事だと拒みます。しかしアンナがパトリシアから聞いた名前ヨローナを耳にすると、ラファエルは重い腰を上げることになります。
 そのむかし、メキシコのとある村の美女ヨローナは、スペインからやって来た若者と恋に落ち結婚します。そして2児を授かりますが、夫は裕福なスペイン女性の元へ行ってしまいます。嫉妬に狂ったヨローナは、夫の宝である子供たちを川で溺れさせてしなせ、自らも死を選んだのでした。
 ヨローナは、死してなお失った子供たちを求めてさまよい、現世の子供たりを自分の息子たちだと思って連れ去ろうとするのでした。彼女は夜になると力を増し、水のある所に子供たちを誘い込んで殺そうとするのでした。

 アメリカの有名な超常現象研究家のエド・ウォーレン&ロレイン夫妻が経験した怪奇現象を描いた「死霊館(2013)」から始まった死霊館シリーズに属する作品です。「死霊館」は「死霊館 エンフィールド事件(2016)」へ続きますが、その前に「アナベル 死霊館の人形(2014)」が「死霊館」の前日譚として製作され、さらに時間軸をさかのぼる「アナベル 死霊人形の誕生(2017)」が公開されています。アナベルのシリーズはたしか死霊館シリーズのスピンオフ作品だと聞いていたのですが、エド&ウォーレンのエピソードを上回っています。「死霊館 エンフィールド事件」には「死霊館のシスター(2018)」という続編がりますが、これはすべての発端となる最も古いエピソードであるみたいですね。
 本作は時間軸的には「アナベル 死霊館の人形」のあとのエピソードだそうです。和題に死霊館とつかないのでシリーズのイメージがありませんが、「アナベル 死霊館の人形」に登場したペレス神父が出ています。出ていますが、本作とアナベルシリーズは関連性はなさそうです。

 ヨローナはメキシコに伝わる怪談で、その泣き声を聞いた子供をさらってゆきます。白いウエディングドレスをまとっていて、生前は評判の美人だったのですが、悪霊となった彼女はどす黒い恐ろしげな表情をしています。自ら溺死させた2人の息子を取り戻したいという思いが強い怨念となって彼女を存在させており、標的にされた子供たちは水のある所に近づくと腕をつかまれて火傷を負い、何度も恐ろしい体験をしたあとに溺死させられてしまいます。
 その存在を知った親は必死に子供を守ろうとするのですが、子供を水に近づけないというだけでは守れません。ヨローナはバスタブや水たまり、プールといった水を媒介に近づいてくるとされていますが、水は最終的に子供たちを殺す場所で、子供をさらうのには水は必要ないようです。
 ラファエル神父は、呪術に使う材料や神器を持ってアンナの家を訪れ、ヨローナの侵入を食い止めようとします。ヨローナは夜になるとその力を増し、水がないところにも現れ、恐ろしいパワーを発揮します。
 最近のホラーでは、条件づけに対するこだわりが強いように思いますが、この作品の条件は“水”で、それさえ回避すれば危険を遠ざけられるのかと思いきや、そうはゆきません。日中こそヨローナは水のあるところに出現しますが、夜になると無条件にどこへでも行けます。それを阻むのがラファエル神父の呪術と神器ですね。でも、敵はヨローナばかりではありません。子供を失ったパトリシアもアンナを憎んでいます。子供たちが負傷しているのを親による虐待だと判断して親子を引き離したアンナのせいで、ヨローナの襲撃を避けられなかったとパトリシアは思っていますから。アンナの子供たちをヨローナの餌食にしようとしたのも彼女ですし。
 クライマックスでは家族の絆と勇気が試されます。ラファエル神父の力があってもそれがなければ怪異を退けることはできませんでした。いい話ですね。そして生前に悲劇を経験しているヨローナの人間的な一面も出てきます。

 自分の子供を溺死させたという悲劇のせいで悪霊として時代を越えてさまようことになったヨローナ。息子たちを取り戻したいという一念で他人の子をさらって命を奪ってもまだ怨念が消えず悪霊の力も萎えない恐ろしい執念。人の情念というものは本当に恐ろしいですね。

原題:The Curse of La Llorona。
2019年アメリカ、93分、同年日本公開。
監督:マイケル・チャベス。
脚本:ミッキ・ドートリー、トビアス・イアコニス。
出演:リンダ・カーデリーニ、マデリーン・マックグロウ、ローマン・クリストウ、レイモンド・クルス、パトリシア・ヴェラスケス、トニー・アメンドーラほか。

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