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ハロウィン【映画】

2019/04/26


 1963年のハロウィンの夜、イリノイ州ハドンフィールドでマイヤーズ家の長女ジュディス・マイヤースが殺害されました。犯人は6歳の弟マイケル・マイヤーズ。マイケルは精神病院に収容されますが、彼を担当した医師ルーミスは、マイケルの危険性を見抜き警戒を強めるよう進言しますが、幼い少年を危険視することに賛同する意思はいませんでした。
 1987年のハロウィンの夜、21歳になったマイケルは、病院を脱走すると殺害した作業員からつなぎ服を奪い、金物屋で白いハロウィン(ブギーマン)マスクと包丁を手に入れます。祭りに紛れ込んだマイケルは次々と人を殺してゆきます。
 ルーミス医師は、病室に残された「姉」という文字を手がかりにハドンフィールドを訪れ、マイケルが女子高生ローリー・ストロード
を襲おうとしたところを射殺します。ところが遺体は消え失せてしまいます。

 2018年、40年前のブギーマン事件の真相を追うジャーナリストのアーロンとディナは、今もマイケルが収容されている精神病棟を訪れ、主治医のサルティンの監視の下、マイケルへのインタビューを試みますが、マイケルは何も答えず、ブギーマンマスクを見せてもまったく反応しませんでした。
 それから2人は、事件の唯一の生き残りであるローリー・ストロードを訪ねますが、彼女は今でも事件を引きずっており、重武装した家に独りで暮らしていました。ローリーは、マイケルが常軌を逸した怪物であると主張しますが、それ以上は何も語らず2人を追い返します。彼女の娘カレンは母を嫌っており、孫のアリソンは母に内緒で祖母に会うことがありました。
 そしてハロウィンの前夜、マイケルは他の患者たちと共に別の施設に移送されることになるのですが、翌日になってマイケルは護送車から脱走し、アローンとディナを襲ってブギーマンマスクを取り戻します。
 ハロウィンの夜、仮装した人々でにぎわうハドンフィールドに、ブギーマンがまぎれ込みます。

 1987年のエピソードは、同年公開された同名映画のあらすじです。40年ぶりに製作された本作は、1987年版の直接の続編とされています。ブギーマンことマイケル・マイヤーズとの積年の対決に挑むローリー・ストロードを、前作と同じジェイミー・リー・カーティスが演じています。
 ジョン・カーペンター監督の出世作としてあまりにも有名な「ハロウィン」ですが、2002年までに外伝を含む8作が作られ、2007年には1作目のリメイクが、2009年にはその続編が作られています。旧シリーズではローリー・ストロードとルーミス医師のマイケルとの対決が描かれており、それはローリーの娘ジェイミーへと受け継がれてゆきます。
 しかしながら今回映画化された「ハロウィン」では、ローリーの娘はカレンで、彼女はマイケルと戦った経緯を持たず、40年前の惨劇をいまだに引きずり、自宅を要塞のように改造し射撃の練習に明け暮れる母を疎ましく思っています。カレンはブギーマンについて何も知らず、化け物との対決にいまだに執着している母を変わり者として遠ざけています。

 今回、鎖でつながれた重度の精神病患者として登場するマイケル・マイヤーズですが、収監されてから40年の間1度も口を利いたことがないと、現在の主治医サルティンは語ります。マイケルにとっては殺戮だけが生きている時間で、それ以外の時間は何もせず何も話しません。その異常心理を究明したいと欲するサルティンは、前任のルーミスとは異なり、ブギーマンを危険視し社会的に抹殺することよりも、稀有な研究目的として魅せられている感があります。彼は、マイケルと話したい、あるいはマイケルを世に放ってその行動を観察したいという衝動に駆られているようです。なので、彼が他の施設に移送されることになった時には、移送先に引き継ぐまで自分の患者だと主張し、護送車に乗り込みます。
 そしてマイケルが病院を後にしたのがハロウィン前日、ハロウィン当日にはハドンフィールド付近を通り、しかもそこには取材に訪れているアーロンとディナが来ており、2人は例のマスクを持っています。ブギーマン復活の条件がそろいました。

 仮装した人々でにぎわうハロウィンの夜にブギーマンがまぎれこんでも、誰も気づきません。その行動はひじょうに計画的に見えますが、マイケルの行動には計画性や知性が見られません。行く手を阻む木々をなぎ払うように人々を殺してゆくのです。かといって彼は無能ではなく、警察につかまるようなヘマはしません。獲物を追う時もけっして慌てず、獲物の動向を把握しているように見えます。知性以前に本能で殺戮のノウハウを身に着けている冷血動物のようです。そして彼の最終的な標的であるローリー・ストロードを追い詰めて行きます。
 マイケルが彼女を標的にする理由は、彼女が40年前の惨劇の生き残りでそれを抹殺することで殺戮劇を完成させようとしている、それだけではないようです。前作で成長したマイケルが「姉」という書置きを残していることからも解るように、彼にとってローリーは抹殺すべき姉なのです。6歳の時に彼は姉を殺しており、その時の興奮と快感が忘れられないのでしょうか。その瞬間こそが彼の存在意義なのでしょうか。旧続編「ハロウィンII(1981)」では彼とローリーのただならぬ関係が明かされています。
 ただ殺戮のためだけに存在するマイケルは、人の命はもとより自分の命にも頓着していません。そのような精神障害は実在するようで、その意味でこの作品はサイコ・ホラーなのですが、マイケルの異常性や行動はあまりにも異質で、彼の存在は人知を超えているとローリーも言っているように、オカルトめいた雰囲気が漂っています。
 それはあたかもブギーマンの怨霊が彼に憑りついて、彼を殺戮へと誘い、彼を不死身にしているようです。ただ、西洋に伝わるブギーマンは、姿かたちが不明の子供をさらうとされる妖怪で、マイケルの行動とはほとんど関連がありません。

 この新作「ハロウィン」は、映画史上で伝説になっているマイケルと、彼にもっとも近くしかも彼をもっとも恐れ憎んでいるローリーとの対決の物語です。40年に及ぶ2人の執念がぶつかり合います。そして母を快く思っていなかったカレンもだまっていません。長い間、母子の間を引き裂いてきた怪物を前にして、カレンの怒りも爆発します。
 そして映画を観ていてふと気づけば、観客たる自分もマイケルに憑りつかれ、彼の再来を歓喜しているのです。この映画の恐ろしさは、じつはそこにあります。ブギーマンはきっとあなたにも感染します。

原題:Halloween。
2018年アメリカ、105分、翌年日本公開。
原作:ジョン・カーペンター、デブラ・ヒル。
監督、脚本:デヴィッド・ゴードン・グリーン。
脚本:ダニー・マクブライド。
出演:ジェイミー・リー・カーティス、ジュディ・グリア、アンディ・マティチャック、ウィル・パットン、ニック・キャッスル、ハルク・ビルギナー、トビー・ハス、マイルズ・ロビンス、P・J・ソールズほか。

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