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マリオネット 私が殺された日

2019/04/19


 女子高校生のミナは、ボーフレンドのキム・ジノに騙され集団強姦の餌食になってしまいます。それが動画に撮影されネット上に配信されます。キム・ジノとその仲間は、それで金儲けを企んでいたのでした。
 オ・グクチュル刑事は、ミナの母親に極秘捜査を約束しますが、事件は間もなくマスコミによって大きく報道され、被害者を人形のように扱う非道な行いとして「マリオネット事件」と呼ばれ、世間に広く知れ渡りました。
 ミナは、引っ越ししてソリンと名前を変え、新たな人生を歩みます。高校の教師になり、結婚の約束をする男性も現れます。ミナとしての暗い過去を捨て、幸せを手に入れたと思った矢先、ソリンの携帯にマスターと名乗る何者かからメールが届き、それにはマリオネットのイラストが添えられていました。
 それから度々マスターからのメールが届き、過去の悲劇の再来とも思える要求が送られてきます。ソリンがそれを拒むと、罰と称して椅子に縛られ凌辱される女性の写真が送られてきます。そのメールは彼女が受け持つクラス中の生徒たちにも配信され、犠牲者の征服と名札が、同じクラスのセジョンという女子生徒であることが知れ渡ります。
 しかしセジョンは、負けたくないと言って登校し、ソリンは彼女を助けようとします。ソリンは、セジョンがクラスの優等生キム・ドンジンと仲が良く、ごく最近2人が言い争っているところを目撃していました。そのことをさりげなくセジョンに尋ねると、彼女がドンジンに脅されていることが判ります。
 放課後、ドンジンを尾行して歓楽街を訪れたソリンは、そこでドンジンの仲間に見つかり、逆に追われる立場になります。彼女の窮地を救ったのは、かつてマリオネット事件を解決したオ・グクチュルでした。
 オ・グクチュルは今は警察を辞め、ネットカフェを経営していますが、最近また少女たちが被害者となる猥褻動画を配信するサイトがあることを知り、犯人を追っていたのでした。

 韓国で実際にあった事件を題材にしたフィクションです。2年前の作品ですが、ヒューマントラストシネマ、シネリーブル梅田で毎年開催されている「未体験ゾーンの映画たち」で日本でも今年になって劇場公開されました。
 韓国では犯罪をテーマにした作品ではしばしば生々しい残酷描写が成されますが、この作品にはそうした描写は登場しません。それよりも少年犯罪に対する法いわゆる少年犯罪法に対する批判といった社会性の高い作品になっています。日本では未成年者の大人顔負けの凶悪犯罪の往行に対応して、少年法の対象年齢の引き下げ、刑罰の上限の引き上げが行なわれましたが、韓国でもそれが社会問題になっているようですね。このような映画の製作意図もそのあたりにあるようです。
 とは言っても、社会的問題を声高々に叫ぶだけの映画ではありません。サスペンスとして、推理劇としてひじょうに楽しめる内容になっていて、観客をぐいぐい惹きつけます。誇大な描写のないモノトーンのまま観客の目をくぎ付けにする手腕はすごいと思います。この作品が韓国ノワールとも言われるゆえんです。

 ミナを襲った高校生集団による「マリオネット事件」はオ・グクチュル刑事らによって解決し、犯人は逮捕されました。あれから14年、住む場所も名前も変えたソリンを、14年前そっくりのシチュエーションが襲います。犯行の手口も眠り薬を強要することもまったく同じです。キム・ジノが出所して性懲りもなく犯行を繰り返しているのでしょうか。
 そして都合よく出現するオ・グクチュル。あの事件以来刑事を辞め、今はネットカフェを経営しています。ネット環境とは緊密な仕事をしているとは言え、どうやってソリンの窮状を嗅ぎつけたのでしょう。怪しいです。しかも彼は先の事件で極秘捜査を家族に約束していながら、アルバイト目的で情報をマスコミにリークしていたのです。
 今回新たに登場した優等生のキム・ドンジン、親は検事でいわゆる社会的有力者です。御曹司が凶悪犯罪に手を染める、ドラマではありがちなシチュエーションですね。親が警察の関係者であることから、ソリンの過去を知ることになったのでしょうか。

 過去の悪夢がじわじわとソリンに迫ってきます。婚約者の家族と会っている場でも、婚約者の親の携帯にいかがわしいメールが届いたりします。犯人はどこまで彼女とその過去について知っているのでしょう。マスターと名乗る怪人者はいったい……。
 誰にも言えず苦しみ続けるソリンは、とうとう自殺を決意し、風呂場で剃刀の刃を準備しますが、怪しく光その小さな凶器が逆に彼女に勇気を与えます。

 ネット上の世界は人々に平等性を与えますが、少年さえも社会を震撼させる犯罪者にしてしまう可能性を内包しています。複雑な問題ですね。

2017年、102分、2019年日本公開。
監督、脚本:イ・ハンウク。
出演:イ・ユヨン、キム・ヒウォン、キム・ダミ、イ・ハクジュほか。

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