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ボス・ベイビー【映画】

2019/03/22


 ティムことティモシー・テンプルトンは、7歳の時に奇妙な体験をしました。両親が新しくできた弟だという赤ちゃんは、黒いスーツにアタッシュケースを持ち、言葉を話すのです。おとなびた言葉と態度のその赤ちゃんは自らをボスと名乗り、何か企んでいるようです。ティムは両親にそのことを伝えようとしますが、赤ん坊の世話に忙殺される両親は聞き入れてくれません。ティムは家の中で次第に居場所がなくなってゆくのを感じてあせります。
 ある時、ご近所の赤ん坊が家に集まり、ボスはその子たちとミーティングを始めました。ティムは会話を録音してそれを両親に聞かそうとするのですが失敗、それどころか、赤ん坊をいじめたことをとがめられ自宅謹慎させられます。
 自室で悄然としているティムに、ボスは語りかけ、特殊アイテムのおしゃぶりを使って、彼をボスの出身地ベイビー・コープ社へ案内します。そこでは大勢の赤ん坊がファミリーとビジネスに振り分けられ、ファミリーに進んだ赤ん坊は普通に人間として暮らし、ビジネスに選ばれた赤ん坊は、ビジネスマンとして一般家庭に潜入することになります。ボスのような赤ん坊は、特殊ミルクのおかげで成長することなく、高い知性を持った赤ん坊として仕事をこなします。特殊ミルクがなければ、普通の赤ん坊になり、家族の許で不通に育てられることになります。
 ボスには重大な任務がありました。最近、子犬が癒しアイテムとして家庭に進出し、赤ん坊んも需要が急速に減っており、その元凶であるパピー・コープ社から情報をつかんでこなければならないのでした。この任務に失敗すれば、ボスは解雇され、特殊ミルクの供給を絶たれ、普通の赤ん坊としてテンプルトン家の子として育てられることになります。
 無事に任務を果たして出世しティムの許を去るか、失敗して解雇されティムの弟として普通の赤ん坊になるか、ティムにとっても前者が良いに決まってます。そこで彼は、ボスに協力して彼の仕事を成功させるために奮闘することになります。

 ティムは、途方もなく想像力のある子供でした。ですからボス・ベイビーのことも彼の想像なのではないか、そんなふうにも思えましたが、そんな落ちではありませんでした。ベイビー・コープはちゃんと存在し、ボスも実際にテンプルトン家に派遣されてきていました。おかしいのはボスが普通じゃないことを見抜いたティムの方なのです。
 人々の暮らしの中で赤ん坊はひじょうに大切なものでしたが、それが子犬に置き換えられようとしている、それがベイビー・コープ社にとっての大いなる脅威なわけですが、可愛い子犬を量産しているハピー・コープは、なんといつまでも可愛い子供のままの子犬を開発したんですね。いつまでも成長しないなんてまるでボスみたいですが、そう、パピー社はベイビー社の特殊ミルクを子犬に与えていたのです。ということは黒幕はベイビー社の関係者なのでしょうか。

 ハリウッドお得意のCGアニメですが、この分野はやはりハリウッドですね。日本アニメが世界を席巻していると言えども、CGアニメに関してはハリウッドにかなう者はいないでしょう。CGアニメはファミリー向けムービーの金字塔として日本アニメをも凌駕しています。アニメがまだ手描きだった頃、日本では固定の輪郭の中で目や口のパーツだけを動かしていました。これがセル画アニメの基本でした。でもハリウッドでは「トムとジェリー」の頃から会話や表情に合わせて顔全体を動かしていました。その頃の手法が現在のCGアニメにも受け継がれていて、ハリウッド・アニメのキャラの表情の動きはひじょうに豊かで、コミカルです。
 ボス・ベイビーでは、幼い赤ん坊がおとなさながらの会話をし、ひねこびた表情をし、おとなのようにふるまうところが見どころです。ボスの表情やしぐさだけでも見ものです。笑えるどころか感心させられます。ほんとこういったところの表現はハリウッド映画は上手いですよね。

 これはもちろん架空の物語ですが、こういうアニメを見た子供たちの頭の中で豊かな想像力が育まれることを期待したいものです。最近は古い作品の再燃ものが多くて(DCやマーベルのヒーローものもそうですね)フィクションも時代と共にネタが尽きてきたなんて言う人もいますが、本作のような傑作を観るにつけ、そんなことはない、若い作家は頑張っている、そう思います。とは言えこの作品の原作者マーラ・フレイジーは筆者より少し年上だったりしますけど。
 原作の絵本「赤ちゃん社長がやってきた」は、自分では何もできない赤ちゃんが泣き声ひとつで両親にあれこれやらせるさまが、まるでワンマン社長みたいだというところに着想を得て書かれた作品のように思えますが、映画版の方は、小生意気なボスとティムの大冒険に重きが置かれています。
 そして壮大なアドベンチャーの最後には大きな感動が待っています。これもハリウッドCGアニメの醍醐味ですね。そこに描かれるのは人間社会の縮図であり、大切な出会いと別れという人生の縮図でもあります。それは子供たちにとって学校の教科書よりも大切な教本です。もちろん、想像力を失いつつあるおとなたちにとっても素敵なビタミンです。

原題:The Boss Baby。
2017年アメリカ、97分、翌年日本公開。
原作:マーラ・フレイジー。
監督:トム・マクグラス。
脚本:マイケル・マッカラーズ。
声の出演:アレック・ボールドウィン、マイルズ・バクシ、スティーヴ・ブシェミ、ジミー・キンメル、リサ・クドロー、トビー・マグワイアほか。

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