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日本橋にメイドは必要なのか

 メイドさんのお店が風俗店化してゆけば、それはやはり日本橋の電気街には相応しくない事態でしょうし、商工会も自治会も、お上もそれを野放しにしておけないでしょう。AV(オーディオビジュアル)つながりでAV(アダルトビデオ)店は、古くから電気街にたくさん存在しましたが、それはしっかり街に溶け込んでいて違和感もありませんが、メイド店が風俗店化してゆくのは、いささか具合が悪い気がします。メイド嬢という名の風俗嬢が、路上でビラ配りしているというのは、やっぱ電気街としては違和感があります。以前はメイドさんによるフライヤーの配布は、日本橋のオタク街らしい風景でしたが、最近のそれはいかがわしい感じがします。メイドさんに便乗して、女子高校生の格好をした娘が、執拗に客引きしている様子などは、健全には見えません。
 日本橋の電気街がそういうところだと知ったら、多くの父兄諸氏が「そんなところに行ってはいけまへん」と我が子をたしなめるでしょうし、学校も夏休みの過ごし方プリントに、学生が立ち入ってはいけない場所に、電気街を挙げることになるかも知れません。メイドという偽装で、あからさまな風俗店を名乗らない分、少年少女にとってはかえってたちが悪いかも知れません。
 メイドさんの良からぬイメージがどんどん定着して行けば、来年2014年度のストリートフェスタでのメイドパレードは実現するのでしょうか。  以前にも本著で記述しましたが、筆者の面識のあるメイドさんが、最近は厚化粧のギャルメイドの客引きが目立ち、メイド服を着ているだけで同様の非難の目で見られているような気がしてしまうと嘆いていました。メイドさんに対する好印象は失われつつあります。
 メイドさんの風俗嬢化が止められないのだとしたら、オタクたちにメイドさんが不必要なものになりつつあるのだとしたら、メイドは電気街には無用でしょう。あるいは、風俗店ではないにしろ、風営法の営業許可を取得し未成年者の来店及び就業を拒むお店も、電気街で営業する意味はないのではないでしょうか。風俗店のようなサービスはやっていないとしても、オタク文化の一環としてのメイドさんが未成年者を拒むのは、何かがちがう気がします。
 とくに日本橋では、清楚で上品なメイド店を“正統派”と称して支持していた顧客も大勢いました。萌え要素ではなく品位に癒しを求めるのは、日本発祥のオタク文化としてのメイドさんとは、ちがう気もするのですが、そこはメイド店が必ずしもオタク客限定ではないということの応用編ということで、それを批判したり嫌ったりする声は聞いたことがありません。そうした清楚系のお店まで、今後は風営法の営業許可が必要なのでしょうか。
 メイドさんのお店が秋葉原や日本橋に登場して以降、その派生系の様々なコンセプト店が現れ、その中には青少年育成保護に関する条例に違反する有害店も出現しました。店内で出会い系のサービスが行なわれているのを店側が黙認し、援助交際の機会を提供する場になっているとすれば、警察が黙っていないのは当然ですし、実際に摘発されるお店も出てきています。
 オタク文化の一面として海外でも高い評価を受け、メイドさんは日本発の文化として海外に多数のお店を産み出しているというのに、本場日本では、未成年者にとって適切でない、風俗街にこそふさわしいお店になりつつあるという現状は、ひじょうに残念であるというしかありません。……日本は、オタク文化を介して新たな風俗業を世にもたらしただけなのでしょうか。
 アニメの中の2次元世界の“萌え”を3次元化することに、風俗業化の危険性はありました。しかしそれが自明の理として受け入れられ、メイドさんの風俗嬢への転化を仕方のないことだとあきらめるのは、あまりにもバカバカしいことですし、アニメやオタク文化の敗北であり、日本人の恥です。メイド人気にあやかってもともとの風俗店がメイドスタッフを起用するのは納得できます。風俗店は、婦警さんでもナースでもOLでも中華っ娘でもスタッフにしてしまうのです。風俗店ではメイドさんだって風俗嬢になって良いのです。だからといって本物のメイドさん自らが、オタク文化の本分を忘れ、下心ありありのオヤジ目当ての風俗嬢になってどうするんじゃい、と言いたい。それだったら婦警さんもナースもOLも中華っ娘もみんな風俗嬢化しても仕方ないのかよ。実際にそうはなっていないですね。メイドさんと近縁のウェイトレスだってリフレのスタッフだって、風俗嬢化なんてしていないし、お店が警察の摘発を恐れて風営法の営業許可を取るなんて話しも聞いたことがありません。……メイドさんだけが風俗嬢化するのはおかしいのです。
 女の子を売りにするお店だから、そうなるのも仕方がないなんていう理屈は間違っています。秋葉系のメイドさんは、一般ウェイトレスと少しちがって、コーヒー混ぜ混ぜだとか、オムライスにケッチャップお絵描きなんてしちまう、アニメ文化から派生した日本独特のメイドであり、ウェイトレスのメイドコスプレなんかじゃなくて、メイドという職種なんだよ、メイドは独特のシチュエーションを演出することで萌えと癒しを提供するプロで、その源であるアニメの知識やオタク文化のなんたるかを踏襲しているのだよ、そうした資質をきちんと備え、自覚と責任を持ち、世界に名だたるオタク文化の担い手であることに誇りを感じて、メイド業に臨むべきなのです。オーナーにもメイドさん以上の自覚が必要で、メイドさんの採用基準や教育、メイド業界の常識作りとその維持の責任を果たすべきです。メイドさんをお水にしちまったのは、銭勘定だけでプライドを持たないオーナーの責任です。ちょっとけなし過ぎですか? では、オーナーの認識不足、業界のメイドという職種への理解不足とでも言いなおしますか?
 そして、本項の本題である日本橋にメイドは必要なのかという問題ですが、ここまで語ってべつに必要ないとは申せませんね。秋葉系メイドが世に登場して10年をはるかに越え、日本橋でもやがてそれに届くお店が何軒もある実情は、秋葉原や日本橋にメイドさんがいて当たり前という常識を作ってしまいました。かつてはオタク業界と無縁の業界においてもイベント用員として引っ張りダコになり、NHK紅白歌合戦にも登場した日本オリジナルのメイドさんを、世界中にその存在を知らしめたユニークな業種を、なんか間違えたから抹殺します、なんて格好の悪いこと、今さら言えないでしょう。  現在の混迷は、メイドさんの歴史における試練として消化し、メイド業界の明日を目指すべきです。メイドさんの自滅はオタク街や電気街、アニメ業界をも道連れにしちまいます。メイドさんがいかがわしいなら、それを誘致した電気街も歓楽街と変わらないし、その源泉であるアニメは有害文化です。
 業界の混迷を不況のせいにして逃げるのは間違いです。経済は本来、文化に引っ張られて付いてくるものです。経済効果が最終目的なのではなく、文化を発展する手立てとして経済は付いてくるものなのですよ。その当たり前のことに業界の方々が気づき、文化の担い手であることのプライドを喚起し、メイド業界の明日を築いていただきたいものです。
 近い将来、メイドさんが、オタク文化の担い手として、日本の2つの電気街で、女子中高生の憧れの職業であり安心して就業できる業種として復活することを期待したいものです。

2013/08/01


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