kepopput.jpg

ショートウェーブ【映画】

2019/03/06


 幼い娘を誘拐され行方が分らなくなってしまったイザベルは、夫のジョシュと共に人里離れた新居に移り住みます。その家はジョシュの研究テーマである宇宙からの電波を探査する施設も兼ねており、研究仲間のトーマスがセキュリティ設備を担当しました。
 失意のイザベルは新しい暮らしの中でもふさぎ込んだままで、時折幻聴や幻覚に襲われるようになります。あるとき彼女は何者かによって地下の物置に閉じ込められてしまい、以来この家には何かがいるという感覚にさいなまれるようになります。そんな時、ジョシュの9年間に及ぶ研究が実を結び、宇宙の知性体の発する電波を捉えることに成功します。しかしながら電波を解析するうちに、ジョシュはこの家から発せられた電波が電離層に当たって帰ってきていることに気づきます。
 イザベルの幻聴と幻覚はどんどんひどくなり、彼女はジョシュたちが研究している電波との関係を疑います。ジョシュとトーマスは彼女を心配しつつも彼らが受信した電波を彼女に聞かせ、その反応を観察します。実験の中でイザベルは過去にトリップし、その現象を解析すれば娘を取り戻せるかもしれないと思い込むようになります。

 ショートウェーブは波長の短い電波いわゆる短波のことですね。ジョシュは宇宙から飛来する自然現象ではない短波を受信し、大喜びしますが、それを解析するうちにこの家から発せられ電離層に当たって跳ね返ってきている短波の存在に気づきます。そのこととエリザベスの、ここには何かがいるという主張が重なります。彼女は耳鳴りのような怪電波のような幻聴に悩まされ、野原や林の中あるいは水の中へ飛ばされる幻覚を見ます。そして時々フラッシュバックのように黒っぽい何かの存在がすぐ近くに現れます。それは輪郭がぼやけた一瞬の幻影で、獰猛な人ならざる存在に見えます。
 もしかするとイザベルは宇宙人に支配されており、突然いなくなった娘もそれと関係しているのではないか、そんな想像が浮上しますが、真実はまた別のところにありました。

 SFホラーですが、ひじょうに幻想的で色づかいが明るいです。幻覚と現実の狭間で揺れるイザベルの孤独が静かな雰囲気で淡々と流れてゆきます。謎は最後の最後まで判りません。そしてクライマックスはこれまでの静けさと打って変わって凄惨です。それまで失意と狂気の中を漂っていたイザベルが明確な意思をもって行動します。
 なにが起きているのか、彼女がそこにいると主張するものが何なのか、まったく不明のままストーリーが進んでゆくので、観客はあれこれと想像を膨らませることになります。先日観た「黒い箱のアリス」を彷彿させるものがありました。人里離れた場所にある代わった作りの家というシチュエーションも似てると思いました。
 何者かに憑りつかれてしまったイザベルは、この家の中からでることができず、お話しは家の中だけで展開します。彼女に憑りついているのは宇宙人らしいのですが、最近のSFに登場する宇宙人は、古典的なそれとは異なり明確な征服意図を持っている脅威であったりせず、姿形も曖昧で交信手段も不明、地球人に干渉してくる意図も不明といった不可解で釈然としないものが多いですね。肉体を持っているのかも不明です。
 かつては宇宙人と言えば、容姿はちがえど肉体を持ち、言語を持ち、方法や手段はちがえど同じ宇宙の摂理を学んだ知的存在でしたが、最近の宇宙人は霊的存在のようなつかみどころのないものも少なくなく、何がしたいのか、何かしようとしているのか、まったく解りません。もしかすると古来より妖怪とか心霊現象とか言われてきたものの中に宇宙から飛来した知性体が含まれているのではないか、ふとそんなことを思いました。

原題:SHORTWAVE。
2016年アメリカ、89分、2018年日本公開。
監督、脚本:ライアン・グレゴリー・フィリップス。
出演:ファニータ・リンゲリン、クリストバル・タビア・モント、カイル・デイビス、ジェイ・エリス、ニーナ・セニカル、サラ・マラクル・レインほか。

コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

目 次
能書き

思うこと全般

けぽっぷ体験

アイドルのこと

韓流映画

番外編


索引 韓流映画&番外編





  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< October 2019 >>

サイト内検索

NEW ENTRIES










recent comment

links

プロフィール

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM