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魔王様ちょっとそれとって!! 【コミック】

2019/02/25


 何もない荒れ地で、青年と少女がサバイバル生活を送っています。青年は少女を魔王様と呼んで敬語で接し、少女は"我"と自称し王族のような物言いです。でも青年はとくに少女を敬っている様子はなく、2人の間柄は対等です。青年は魔法使いで高い学識を持っており、ここでの生活の主導権を握っているようです。
 魔法使いの解説によると、少女は魔族の王で、幼少の頃はお城で暮らしていましたが、世界を滅ぼす力を持っているゆえに僧侶によって封印され、ここは彼女が封印された世界とのことです。
 魔王を封印するために、勇者一行が僧侶を魔王の元へ送り届けたのですが、その一行もついでにこの世界に封印されることになってしまいました。魔王様と魔法使いは、やがて一行と出会うことになります。
 勇者一行のリーダーすなわち勇者は、伝説の剣を操る剣士なのですが、料理が得意だったり、女風呂に鼻血を出したりと普通の純な青年です。武道家は、自分を"ボク"と呼ぶ幼い少女ですが腕力にものを言わせた近接戦闘が得意。魔王退治が終われば引退しようと考えていたそうです。荷物持ちは、筋肉質の大男ですが恐ろし気な外観とは裏腹にひじょうに温厚な性格をしており、誠実にして繊細、みんなからモッチンと呼ばれています。そして僧侶は、強大な神通力を持ち、誰もが恐れる存在ですが、姿は可愛らしい少女で、自分の素性については忘れてしまっています。みんなは彼女の記憶を呼び覚まさないようにしています。

 最初は殺伐とした荒野ですが、次第にものが増え、森ができ、おいしい果実に恵まれ、ついでに奇妙なオブジェも出現し、登場キャラも増えてにぎやかになってゆきます。世界に滅びをもたらす魔王と、それを封印するために旅立った勇者一行、僧侶、魔法使いとくれば熾烈なバトルが展開するファンタジーになるところですが、ここは彼ら以外誰もいない封印された世界。王族たちの争いも、世間の荒波も外の世界のお話しです。ここはひとつ、みんな仲良く"檻"の中の暮らしを満喫し、いつかはここを脱出して元の世界に帰りましょう。という具合にお話しはのどかな展開になります。
 まだ幼い魔王様がお城で暮らしていた頃の回想シーンでは、老獪な政治家たちがあれこれ登場し、これまたドタバタを繰り広げます。魔王様に仕えていた変態チックな侍女もなかなかいいキャラなのですが、彼女も物語の重要な鍵を握っています。

 みんな他人思いの優しい人たちばかりです。世界から隔絶された"檻"の中だからそうなるのでしょうか。魔王様にも残してきた世界や共に過ごした人々への思いがあり、それは私たち人間と変わるところはありません。
 そんな魔王様の優しさに触れてみてください。人は(魔王様も)こんなに優しいのに、私たちの生きるこの社会はどうして殺伐としているのでしょうね。"檻"の中では、強大な力を持つ魔王様にさえ「ちょっとそれとって」と言えるのに、会社ではたかだか課長に口を利いただけでお叱りを受けます。愚かなことです。

2016〜2018年、集英社ヤングジャンプコミックス。全8巻。
著者:春野友矢。

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