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メイドの黄昏と外国のメイド事情

  日本のアニメ文化が世界的なブームになって久しくなりますが、もはやこれは単なるブームというよりは世界的な文化になりつつあるようです。日本人が古くから洋画や洋食を当たり前のように嗜んで来たように、日本アニメは世界中の多くの人々にとって今では日常的なものなのでしょう。考えてみれば、人の作る文化というものは、人や情報の流れに乗って世界中に拡がり、さまざまな国や土地でそれぞれの方法で受け入れられ、日常生活に溶け込んで行き、人々の暮らしを豊かにして行くわけです。
 日本のアニメや和食が世界中に受け入れられるから、日本人すごいと自画自賛する人もいますが、まぁそれはそれでけっこうなことですが、それ以前に日本人は他国の文化をどんどん受け入れてまいりました。とくに食文化については、洋食や中華料理をどんどん輸入して日本人にあったアレンジをし、食文化をたいへん豊かにしてまいりました。日本は他国の文化を受け入れ、西洋かぶれなどと自嘲し、外国文化への憧れや畏怖を感じてまいりましたが、アニメや和食が世界に受け入れられるようになって、ずいぶんとプライドみたいなものが育まれたと思います。アジアの東の隅っこにある小国がすごいものだ、なんて自国を評する声も聞いたこともあります。しかしながら、パスタやローマ字やスーパーカーでお馴染みのイタリアだって日本より総面積も小さく人口も日本の半分くらいです。
 とかく日本人は謙虚で内省的で、外国人がウザがるほど謙遜好きな国民性なので、日本文化が世界を席巻するといった事態にはあまり慣れていないのでしょうね。東京や大阪の地名は、パリやロンドンと同様に古くから世界に知れ渡り、サムライや柔道、クロサワ映画も古くから世界中にファンがいたというのに。
 文化とは、かくのごとく世界に拡がり、人々の暮らしを豊かにし、世界を結びつけているものではあります。芸能、芸術、スポーツ、衣食、科学技術といった様々な文化が世界を駆け巡るおかげで、世界は平和を取り戻しているのかもしれません。もしも文化交流というものがなかったら、人間社会はもっと殺伐としたものになっていたでしょうし、競争と争いを妄信する権力者たちによって自滅の一途をたどっていたことでしょう。
 とまぁ、壮大な余談になりましたが、アニメ文化と萌え文化の国際化は、多くの外国人に新たな“可愛いもの”を知らしめましたし、新たな日本大好き人間を育成しました。オタクやマニアに市民権を与えるこの文化は、歴史文化や食文化とちがって、いささか奇妙な人種を育むことになったかもですが……。でも、アニメが熱く語る、愛と正義、夢と希望は、それを知らない下品なおっさんたちが言うような、性犯罪被害の低年齢化の誘発や暴力の増長とは無縁のものです。猟奇殺人やオカルトを扱った虚構もしかり、それを虚構として嗜むことは、むしろ暴力を現実社会に持ち込むことへの抑止力であると、古くから言われてきました。虚構を模倣して犯罪を犯す人間の増加は、想像力や希望の欠如した社会から生まれます。アニメやバイオレンスゲームを犯罪の元凶とののしる権力主義や格差社会の信望こそが、若者を絶望に追い込み犯罪を増加させているのです。人を嫉み、敵対することでしか自分を表現できないマネーゲームの亡者の想像力と創造性の欠如は、人間社会に蔓延した癌です。
 と、またまた壮大な脱線転覆を来してしまいましたが、つまり言いたいのは、混濁した今の世の中で、愛と正義、夢と希望なんて恥ずかしいセリフを真顔で吐くのは、アニメのヒーロー&ヒロインくらいじゃねーの、ってことなのです。
 でだ、その3次元化たるメイドさんが、萌え文化の風に乗って、海外にもメイドカフェなどをオープンするに至ったわけですが、メイドさんは、日本のオタク男女の中を取り持ち、オタク文化を大きく進化させたのみならず、今や平和の使者として世界にはばたきなっさったわけです。
 インターネット上を巡る、海外のライヴなメイドカフェ事情を見てみますと、なかなかすごいですね。フランスやドイツ、アメリカ、カナダはもとより、南米のメキシコやチリ。ロシアにもメイドカフェが拡がっています。経営者もメイドさんも現地の人ですが、店内には日本のアニソンが流れ、“萌え”や“可愛い”や“美味しくなぁれ”といった日本語が普通に使われ、ロシアではエヴァンゲリオンがマトリョーシカになっていたり(欲しい)と、萌え文化がすっかり浸透しています。そしてアジアではさらにすさまじく、台湾、タイ、ベトナム、カンボジア、フィリピン、シンガポール、マレーシア、インドネシア等々、ほとんどの国に、当たり前のようにメイドカフェが存在しています。
 こうした海外のメイド店を訪ねるオタクたちは、一度は本場ジャパンのメイドカフェに行ってみたいと思っていることでしょう。しかしながら、日本の現状はあまり芳しくありません。熱狂的な日本アニメファンの外国人が、日本橋のメイドカフェで、アニメを知らないメイドさんに出会ったら、どう思うでしょう。メイド店にキャバクラ感覚で勤めるギャルメイドに遭遇したら、どのように感じるでしょう。そんなふうに考えると、日本人オタクとして悲しくなります。外国人に、本場の萌え文化も見せることができないメイドなんて、悲しすぎます。
 日本のメイド業界の衰退が、単に不況のせいではなく、文化をなくしたことに起因していることに、オーナーたちが気づくべきです。オタクたちがメイドさんのお店から遠のいたのは、メイド店を訪れる必要性を認められなくなったからでしょう。コーヒー1杯で長時間ねばるキモいオタク客よりも、小金を持ったおっさんのニーズを満たした方が旨みがあると、オーナーたちが判断し、オタクなメイドよりもルックスが良い娘、オヤジ受けの良い娘を採用することに専心し、メイドスタッフからオタク娘を追い出したことが、そもそもオタク客のメイド離れを促した要因でしょう。
 そりゃ、メイド店も商売ですから、儲かる方を選択するのは当然のことですし、それでメイド店がさらに発展するならそれで良いのでしょうけど、果たしてどうだったのでしょう? オタクメイドからメイド嬢への転換で、お店の将来性、業界の将来性は培われたのでしょうか。電気街の風俗街化は上手く行ったのでしょうか。
 日本橋では、メイド店が風営法の営業許可を取得するという新たな方向性が生じてきており、メイド嬢のお店は、未成年者の来店及び就業ができないお店へと移行しつつあるようです。これでオーナーたちのお望みどおり、お店とメイド業界の発展は約束されたのでしょうか。この有り様について、かつてのメイドさんファンたちに尋ねますと、一様に「終わったな」という答えが返ってきます。
 日本橋のメイド店が建ち並ぶ通りは、パソコンショップやマニアのお店が並ぶ電気街です。でんでんタウンと称されるメインストリートとは異なるものの、それと並走するサブストリートです。こんな場所に、風俗嬢目当てのおっさんたちがワラワラ来てくれるのでしょうか? そもそも、商工会や自治体が、電気街の風俗街化を所望するでしょうか。若いオタク男子たちも、オタロードを歩いているとケバい化粧のギャルメイドがしつこく客引きしてくるのに辟易し「最近の日本橋、全然楽しくない、グッズは通販、パソコンはヨド○カメラでいいか」なんてもらしています。こうしてオタクたちが日本橋から遠ざかり、小金持ちのすけべじじぃたちが首尾よく増殖してくれるでしょうか。
 内容が少々下品になってしまいましたが、当の筆者も、最近はメイド店に足を運ぶ気がしません。日本橋は筆者の少年時代から40年近くになる遊び場所で、その動向を見守りたいという点で、今後も日本橋には足を運ぶつもりですが、メイド店はどうでもいいかな、って感じです。ただ、諸外国のメイドさん事情を見るにつけ、これじゃいけないんでねーの、と思ったりするわけですよ。

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