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サスペリア【映画】

2019/02/08


 1977年ベルリン、ドイツ赤軍のテロが相次ぎ殺伐とする街を訪れたスージー・バニヨンは、マルコス舞踊団の門をたたきます。その独特なダンスのアメリカ公演を観て虜になった彼女は、自らも演じ手になろうとはるばるやって来たのです。オーディションで天才的な技能を見せつけ、入団を獲得したスージーは、その後振付師マダム・ブランのお気に入りとなり、劇団の中心的な役割を担うようになります。
 その一方で舞踊団を抜け出したパトリシアは、精神科医ヨーゼフ・クレンペラー博士を訪れ、舞踊団が悪魔に憑りつかれていると訴えます。博士は、第二次大戦の渦中に生き別れた妻のアンケが忘れられず、彼女との思い出の地である別荘にこもっていました。
 スージーは、次の公演「民族」でリード・ダンサーに抜擢されますが、その座を奪われたオルガはマダム・ブランを罵倒して姿を消します。公演に向けてレッスンに励むスージーの陰で、オルガは体を捻じ曲げられて悶死します。
 公演当日、私設スタジオに観客が招かれ、少女たちは裸身に赤い紐をまとった姿で、前衛的なダンスを披露します。観客の中にはクレンベラー博士の姿もありました。
 妖艶な雰囲気に包まれた会場は、博士の目の前で悪魔の儀式へと変貌してゆくのでした。

 1977年に公開されたダリオ・アルジェント監督作品「サスペリア」のリメイクとのことですが、前作のような恐ろしいホラーではなく、悪魔主義的演出の芸術作品の様相を呈していました。前作は当時また高校生だった筆者を大いに怯えさせ、何日も恐怖の夜を味わわせたものでした。当時の筆者にとってこれ以上恐ろしいホラー映画はありませんでした。映画を観た日は、家で家族と食べたスイカが血の色に見えてまったく味がしませんでした。バンドグループ ゴブリンが奏でるテーマ曲および挿入曲もひじょうに恐ろしくかつ美しく、40年以上経った今でも頭に残っています。舞踊団の女子寮を舞台にした強烈な血の惨劇と、多数のスピーカーを用いたサーカムサウンドが、迫力ある恐怖空間を生み出し、観客を震え上がらせました。その時のスージー・バニヨン役だったジェシカ・ハーバーが、クレンベラー博士の妻アンケ役で出演しています。
 リメイク版では、ホラー要素は抑えめで、前衛ダンスと相まってひじょうに芸術性の高い幻想的な作品になっています。スージーの夢に出てくるフラッシュバックのような奇妙な映像も芸術的です。
 ストーリー性は曖昧で、クライマックスに登場する不気味な魔女も劇中では正体が明らかにされません。話しの内容よりも血と裸を多用した儀式の演出が強烈です。
 名曲の再現と、さらなる恐怖を期待していた筆者にはあまりにも意外なものになっていました。リメイクとは言うもののこれは別物ですね。観て良かったのかそうでなかったのか、そう問われると答えに窮するところですが、期待していた要素がなかったから、怖くなかったから、つまらなかったというわけではありません。想像していたものとあまりにもちがっていたので意表を突かれたわけです。
 劇場には筆者のような年配者もたくさんいましたから、きっと前作を脳裏に描きつつ観ていたことでしょう。そうした前作を知る人たちの間では、どれほど受け入れられたのでしょうね。
 前衛映画がメジャーになることがほとんどなくなってしまった現在、これはその一翼を担うとも言うべき作品でした。内容の辻褄合わせよりも、想像力を拡げてご鑑賞ください。

原題:SUSPIRIA。
2018年イタリア/アメリカ、152分、翌年日本公開。R15+。
監督:ルカ・グァダニーノ。
脚本:デビッド・カイガニック、ダリア・ニコロディ。
オリジナル脚本:ダリオ・アルジェント。
出演:ダコタ・ジョンソン、ティルダ・スウィントン、ミア・ゴス、クロエ・グレース・モレッツ、ルッツ・エバースドルフ、ジェシカ・ハーパーほか。

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