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マスカレード・ホテル【映画】

2019/02/11


 都内で起きた3つの殺人事件は、殺しの手口も被害者同士のつながりもなく別々の事件のようでしたが、いずれの現場にも数字を並べた暗号が残されており、警察は同一犯による連続殺人であると断定します。各現場に残された数字から殺害日時を引くと、次の現場の経緯度になったことから、警察は4つ目の事件がホテル・コルテシアで起きると判断します。
 特捜部はホテルに協力を要請し、警察がホテルの従業員に成りすまして網を張る作戦に出ます。人を見る天才と言われた新田浩介刑事は、フロントクラークとして現場を見張ることになり、ベテランホテルマンの山岸尚美に指導を乞うことになります。
 整容から言葉遣い、フロントマンとしての心得まで厳しく指導する尚美に手を焼きながらも新田刑事は自重し、フロントマンを装い続けます。
 これまでの事件に関連性がなく、しかもそれぞれの事件には別々の容疑者が上がっており、第4の事件がこのホテルで起きるという手がかりだけで操作を始めた特捜部にとって、ホテルを訪れる客はすべてが容疑者です。観察すればするほどどの客も怪しく見えてきます。客たちの怪しいそぶりに翻弄されながら、時間だけがいたずらに過ぎてゆくのでした。

 タイトルのマスカレードとは、仮面舞踏会のことですね。山岸尚美が「ホテルへ来るお客様はみんな仮面を被っている」という言葉がそのことを表しています。客たちは思い思いのマスカレードを楽しむためにホテルを訪れ、ホテル側はそれに協力する、それがホテルマンとしてのサービスであり、客の素顔に干渉するべきではありません。しかし刑事はその仮面を剥がし、悪事を見抜くのが仕事です。猛禽のような鋭い目で客を監視する新田は何度も尚美にたしなめられ、いらだちながらも何とか自分を抑え、フロントクラークを務めます。
 ホテルマンと刑事という正反対の職種がタッグを組むというのが、この作品のおもしろさのひとつになっています。新田は口うるさい尚美にうんざりし、尚美は新田のような男を職場に迎えることに不満を抱いています。ところが、2人は次第にお互いの仕事への思いに敬意を抱くようになってゆきます。
 そこへ挙動の怪しい客が次々に現れ、2人はそれに翻弄されることになります。どの客も犯人に見えてしまう。観客はいつしか刑事の目でホテルの客たちを見てしまっており、それがこの作品のもうひとつのおもしろさです。
 そして時間だけが刻々と過ぎてゆき、犯人にたどり着く手がかりは一向に得られません。最初は客のひとりとしてホテルを訪れる能勢刑事は、新田の元相棒で、思わせぶりな言動がこれまた疑わしいのですが、彼は新田の代わりに外堀を埋める足を使った捜査に専心し、新田をホローします。
 刑事ものサスペンスは、謎解きが醍醐味と思われがちですが、この作品はそれよりも過程に重きを置いているように思います。それと、新田と尚美という正反対の立場の人間が共に仕事をし、それぞれまったく別の目的で働いていながら行動を共にし、互いに相手を敬うようになるという人間模様がひじょうに魅力的です。
 潜入捜査を通じて、客の仮面をはがそうとする刑事と、仮面を守ることを使命とするホテルマン、何も知らずに仮面舞踏会を楽しむ客たち、その命を狙う凶悪犯。マスカレードホテルとはまた絶妙なネーミングですね。名前もさりながら内容もひじょうにハイセンスでおもしろいです。

 予告編では新参者シリーズに次ぐ新シリーズのようなことを言っていたかと思うのですが、原作小説は3部作があるようです。筆者としては新田と尚美の名コンビの活躍でシリーズ化してほしいところですが。

2019年、133分。
原作:東野圭吾。
監督:鈴木雅之。
脚本:岡田道尚。
出演:木村拓哉、長澤まさみ、小日向文世、梶原善、泉澤祐希、東根作寿英、石川恋、濱田岳、前田敦子、笹野高史、高嶋政宏、菜々緒、生瀬勝久、宇梶剛士、橋本マナミ、田口浩正、勝地涼、松たか子、鶴見辰吾、篠井英介、石橋凌、渡部篤郎ほか。

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