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黒い箱のアリス【映画】

2019/02/22


 森の中にガラス張りのたいへん個性的な家があります。木々のざわめきや虫や鳥の声も家の中には届かず、そこはひじょうに静かな場所です。寡黙な少女アリスは、医師に義手を装着してもらい、3本の棒をつかんで台の上に立てる練習を始動されます。最も太い棒はかなり簡単に立てられますが、次第に細くなる残り2本を成功させるにはかなりの練習を要すると言われます。3本目の棒になるとひじょうに細くて指先の繊細な動きが必要になります。
 アリスは父の2人で暮らしていますが、父に対しては心を閉ざしています。父が事故を起こしたせいで、彼女の右腕、それに母の命が失われたからです。アリスが飼っている白い大きな犬は、首から特殊な装置をぶら下げています。彼女は犬を母親だと信じ、ママと呼んで、打ち明け話や相談事をします。ママは装置のおかげで彼女の問いかけに的確に答えます。
 父は、犬は母親ではないと説得し、彼女が心を開き、義手を自在に使いこなせるように諭しますが、アリスは聞き入れません。
 ある時父は、傷を負った少女と一緒にいた少年を連れ帰ります。少女の名はエリカ、少年は弟のポールで口が利けません。エリカの傷の原因は、付き合っている彼氏デヴィッドから受けたDVでした。
 アリスは近くの森で黒い正立方体に遭遇します。その中に手を入れると、小さな紙片が出てきて、彼女自身の筆跡で、エリカたちを信じてはいけないと書いてありました。

 幻想的でもの静かな映画です。四角いガラス張りの家は未来的なデザインが、モノトーンの演出と相まって不思議な雰囲気をかもし出しています。右腕のない寡黙な少女アリスが、これも未来的なデザインの義手を着けられ、棒を立てるトレーニングに取り組みます。説明がほとんどないので、彼女の腕がなぜないのか、犬のベアトリスをなぜ母親だと信じているのかは、あるていどお話しが進んでいった時点で類推するしかありません。アリスの問いかけに的確に応えるベアトリスの会話装置も未来的です。
 森の中の父と娘の静かな暮らしに、突然2人の姉弟が飛び込んできますが、これがまたひじょうに謎めいているうえに、アリスは森で見つけた黒い正立方体から取り出したメッセージで、姉弟に気をつけろという警告を受けます。しかも発信元は自分のようなのです。
 まるで迷路のようなお話しです。理論派の方にとっては、もっと説明が欲しいところでしょうし、辻褄合わせも必要と感じるでしょう。でも謎が解明されるより、想像力をたくましくして自分であれこれ推理してゆくのがおもしろいと思います。
 BGMは最低限に抑えられ、会話も少なく、静かなシーンが続きます。そして時おり意外な展開になり、ええっ? と思わず声を上げてしまいます。これまで推理してきたことをまた練り直さなければならなくなります。おもしろいですね。
 筆者はこういう作品大好物です。
 けっきょくエリカたちが来た理由は何だったのか、黒い箱は何だったのか、想像はどこまでも膨らんでゆき、自分が思いついたことにドキッとさせられることさえ……。おもしろいですね。
 月日が経って、内容も大方忘れてしまった時に再び観てみると、また新たな解釈がわいてくるかもです。

原題:Black Hollow Cage。
2017年スペイン、106分、翌年日本公開。
監督、脚本:サドラック・ゴンザレス=ペレジョン。
出演:ロウェナ・マクドネル、ジュリアン・ニコルソン、エデ・リサンデル、マーク・ピゲネル、ウィル・ハドソン。

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