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ミスター・ガラス【映画】

2019/02/05


 とある知られざる研究施設に3人の男が幽閉されます。デヴィッド・ダンは、どんなダメージを受けても傷つかず、かつ他人に触れてその悪事を見破る能力があります。ケヴィンは、24人の人格を持つ多重人格(解離性同一性障害)でそのうちのビーストの人格が現れると、超人的なパワーを発揮します。イライジャは、骨形成不全症という難病に冒され90回以上も骨折しており、ずっと家にこもっています。その代わりに彼は卓越したIQを有し、部類のコミック好きであることから、コミック関連の仕事をしています。
 イライジャは、自分のような壊れやすい肉体を持つものもいれば、コミックのヒーローのような人間もいるはずだと信じており、デヴィッドとケビンを脱走させ、間もなくフィラデルフィアにオープンするオオサカタワーで戦わせ、多くの大衆にそのことを知らしめようと考えていました。一方、施設に彼らを収容し研究しようとする精神科医のスティブル博士は、それが偶発的な出来事の積み重ねで築かれた妄想であることを証明しようと、彼らの経歴を調査し、研究に打ち込んできました。
 デイヴィッドの息子のジョセフは父の味方で、彼の能力を信じています。また、高校生の頃にケヴィンの凶悪な人格に誘拐されたことのあるケーシーは、ビーストの存在を信じています。そしてイラジャの母親も息子の話しを信じるようになっていました。

 デヴィッド・ダンは、映画「アンブレイカブル(2000)」で、列車の脱線事故に遭遇し乗客全員死亡の中で唯一無傷で生き残っています。その後イライジャに会い、彼の考えを聞いたデヴィッドはヒーローとして目覚めるのですが、イライジャが彼のようなヒーローを見つけるために様々な大事故を仕組んでいたことを知り、愕然とします。
 ケヴィンは、映画「スプリット(2016)」の主人公で、精神科医のフレッチャー博士に保護され、各人格に応じた多数の部屋が用意された施設に保護されていたのですが、その時に凶悪な人格が3人の女子高生の誘拐を実行しています。その女子高生の1人がケーシーで、彼女は超人人格ビーストの目撃者でした。ケヴィンはケーシーが誘拐された時には2年も前から眠ったままの、彼本来の人格でしたが、フレッチャー博士が知るケヴィンを呼び覚ますキーワード「ケビン・ウェンデル・クラム(彼の本名)」によって呼び覚まされ、ケーシーの脱出の手助けをしています。
 2つの作品にはつながりがなく、これらの主役たちが出演する続編が公開されると聞いた時には、どんなお話しになるのか想像できませんでした。ただ、「スプリット」にブルース・ウィリスがデイヴィッド・ダン役でカメオ出演していて、ケヴィンの事件のテレビ報道を見ているシーンがあります。彼が居合わせた食堂で、同じニュースを見ていた客が、むかしの事件を思い出し、その時の犯人の名を思い出せないでいると、デヴィッドがミスター・ガラスだと告げます。「スプリット」製作の段階ではM・ナイト・シャマラン監督は、次回作の構想を持っていたわけですね。

 ミスター・ガラスとは、イライジャのことです。自らそう名乗っています。ガラスのように壊れやすい体を象徴した彼のニックネームですね。そしてこれは和題にもなっていますが、現代の方は単に"ガラス"で、なんだか和題の方がしっくり来ます。
 前作と前々作を観ていないとまったくおもしろくないと思います。両作品を観ている筆者でさえ、途中で眠くなりました。ひじょうに静かで淡々とした作品です。クライマックスの盛り上がるシーンも前2作に比べると単調ですし、途中のシーンも意外性もなければ手に汗握るスリリングな展開もありませんでした。
 ミスター・ガラスは彼の理論を公的に認めさせたいので、デヴィッドとケヴィンを大勢の人の目の前で闘わせようとするのですが、そのために彼は、高いIQであっと言わせるような仕掛けを講じる…わけではありません。たまたまスティブル博士が2人を拘束し、精神病院にいたイライジャもついでにそこへ連れてきて、そのおかげでたまたま機会が訪れただけです。
 スーパーヒーローの実在を公然と知らしめたいというイライジャすなわちミスター・ガラスの思いは叶うのでしょうか、それともそんなものはいないと証明したいスティブル博士の信念が勝利するのでしょうか。結末は意外な方向へと向かいます。

原題:GLASS。
2019年アメリカ、128分、同年日本公開。
監督、脚本:M・ナイト・シャマラン。
出演:ブルース・ウィリス、サミュエル・L・ジャクソン、ジェームズ・マカヴォイ、アニャ・テイラー=ジョイ、スペンサー・トリート・クラーク、シャーレイン・ウッダード、サラ・ポールソンほか。

以下は結末に関するネタバレです。映画鑑賞前に読むことは厳禁です。

 スティブル博士の研究施設に閉じ込められていた3人は、ミスター・ガラスの知恵で脱出することに成功します。そしてケヴィンに悪人の気配を感じたデヴイッドと、自分の超人パワーの実在を証明したいビーストとの闘いが始まるのですが、それはミスター・ガラスの思惑に反して、人知れずこっそりと行なわれます。そして3人ともそこで命を落とします。
 超人パワーを持つ者の存在を否定しようとしたスティブル博士の思惑は、とりあえず成功しました。しかしそれには裏があって、じつは博士は、超人たちの一員だったのです。そのパワーが公然と知られるとが人間社会にもたらす弊害を危惧した彼らは、超人として目立ってしまいそうな2人と、彼らの存在を公開しようとしたミスター・ガラスを抹殺しようと判断したわけです。超人ではないイライジャも偶然のように施設に収監されることになった理由がこれだったんですね。
 かくして、実在する超人たちの存在は公になることを免れたわけですが、天才イライジャは死ぬ前にあることを仕組んでいました。デヴィッドとビーストが超人パワーをぶつけ合う、監視カメラの映像が、証拠隠滅のために消されてしまう前にデータ収集されており、自動的に世界に向けて配信されるのです。ミスター・ガラスは、命を賭して願いを実現したわけです。

 このエンディングは、ひじょうに好感が持てるものでした。途中つまらないと感じていた人もこのラストに「よっしゃー!」と歓喜したことでしょう。
 でも、筆者としては気になることもあります。超人の存在が明らかにされて、世の中はどうなってしまうのだろう。あるいは、映像はトリックだったと専門家が発表して世間の人々も落胆しておしまい、そんな感じかもしれません。
 後日談を作ってほしい気もするのですが、筆者が考えうるエピソードは、後者の方で、これを受けてミスター・ガラスを継ぐ者が現れ、なんとかして超人を公然の許にさらそうとするのですが、またしても妨害されてしまい、いたちごっこが延々と続くことになるのです。こんな後日談、誰も観たくないですよね。
 映画を観た方、このエンディングと、その後の展開について、どんなことを考えたか、お聞かせいただけると嬉しいです。
 ちなみに筆者の某知人は、映画を観ていながら、結末が何が何やら解らなかったそうです。スティブル博士とその背後にある組織がとりあえず勝ったけど、どんでん返しが最後に来た、その展開すら理解できなかったそうです。なので彼の感想は「つまらなかった」の一言でした。残念なことです。

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