kepopput.jpg

2001年宇宙の旅【小説】

2018/12/03


 不朽の名作 映画「2001年宇宙の旅」が IMAX の大画面でリバイバル上映され、謎めいたストーリーについてゆけなくて小説版を読んだという人はひじょうに多いようです。筆者はすでに数十年前にこれを読んでいますから、今回は再読です。Amazon で電子書籍版を購入してみればタイトルに決定版とありました。なにが決定版なのかはけっきょく不明です。
 小説版は映画のノベライズで、原作ではありません。あの名作には原作はなく、スタンリー・キューブリック監督と作家アーサー・C・クラークのアイディアにより誕生した…という話しは映画の感想の時にしましたっけ。
 表現がひじょうに謎めいていて、おそらくほとんどの観客の頭の中で物語が完結しなかった映画版ですが、当初は映画冒頭に科学者らへのインタビュー映像が挿まれ、全編に渡ってナレーションがつけられる予定だったそうです。しかし映画からマジックが奪われることを恐れたキューブリックがそれらをすべて削除してしまったそうです。これは学術肌のアーサー・C・クラークにとっては不満だったかもしれませんが、キューブリックは、映画に芸術性を求めたのかもしれませんね。

 映画では人類の祖先は400万年前にモノリスと遭遇しますが、小説では300万年前に変更されています。そして現代の月面に出現したモノリスの年齢も300万年で、強い磁気を発生していたせいで人間に発見され掘り起こされることになるのですが、この人類との再会でモノリスは急に目覚めてはるか宇宙へ向けて電波を発し始めます。ここに文明人がいたぞ、300万年前にヒトザルに知恵を与えたが、彼らはようやく月に到達したぞ、という信号を宇宙へ飛ばしたわけです。映画では電波は木星へ向けて発信されていますが、小説版では土星になっており、ディスカバリー号は木星へ接近したあと土星へ向かいます。当時の映像技術では土星の輪をリアルに再現するのが困難であったため木星に変更されたとも言われています。
 ディスカバリー号に搭載されたコンピューター HAL9000 が反乱を起こすのは映画と同じ木星接近時で、ボーマン船長はそこで仲間を失い独りになってしまいます。ボーマンは木星の軌道上で初めてディスカバリーの本当の目的を知らされます。彼は当初の目的を完遂するために異常を来した HAL のAIを切断し、船の航行と船内環境の制御のみを活かしておくという難しい操作を成功させ、一路土星を目指します。
 土星ではモノリスから発信された電波の受信先とされる衛星ヤペタスへのランデブーを成功させ、船外活動用ポッドで、ヤペタスへ向かいます。

 ボーマン船長がポッドに乗り込み、ディスカバリー号を後にしてからの展開は、映画では謎に満ちており、ほとんどシュールとも言える内容になっていますが、小説版ではその謎が詳しく解明されます。
 映画だけを観て消化不良になってしまった方は、ぜひ小説版を読んでいただき、新たな感動にひたっていただきたいと思います。小説版では上述のように映画との差異がいくつか見られますが、映画を理解するうえでそれらは問題にはなりません。

 映画版は「2010年」の和題で続編が製作されていますが、小説版も「2010年宇宙の旅」がアーサー・C・クラークによって執筆されています。続編ではヘイウッド・フロイト博士らを乗せた宇宙船が、木星軌道上を漂うディスカバリー号に接触する旅が綴られていますが、小説版の続編でも目的地は木星になっています。土星で任務を終えたディスカバリー号が、乗組員もいないままに木星まで戻ってきたのでしょうか。著者アーサー・C・クラークは、これについてこのシリーズはパラレルワールドで、前編の続きではないとコメントしているそうです。
 筆者の考えでは、土星のディスカバリー号を木星に移動させることは学術的に可能だと思いますけど。何せあいてはモノリスを作った超文明人ですし。あるいは映画「2010年」を小説に合わせて(映画製作時の最初の設定に合わせて)土星を舞台にすればよかったのに、そんなことも思ったりします。

 そして小説版は「2061年宇宙の旅」「3001年終局への旅」と、計4作執筆され日本でも翻訳されています。
 小説版は、劇場映画を皮切りにスタートした長編シリーズですが、アーサー・C・クラークは人類が初めて月に到達した年に、この小説の中で2001年の土星への有人飛行を予言しているわけです。しかし現実には2018年になっても人類はおとなりの火星にさえ人間を送り込んでいませんし、HAL ほど高度な人工知能も開発されていません。また、スマホのような携帯端末の登場は予測していませんが、インターネットの登場を思わせるニュースパッドの出現を予想しています。

 筆者の夢は、現在の技術を駆使した小説版の「2001年宇宙の旅」を原作とした映画化です。現在のCG技術により、土星はリアルに再現されることでしょうし、宇宙人の科学技術との遭遇もより具体的な表現が可能でしょう。
 もちろん筆者にはその能力がないので、どなたかお願いします。

原題:2001: A Space Odyssey。
1969年アメリカ。
著者:アーサー・C・クラーク。

コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

目 次
能書き

思うこと全般

けぽっぷ体験

アイドルのこと

韓流映画

番外編


索引 韓流映画&番外編





      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< December 2018 >>

サイト内検索

NEW ENTRIES










recent comment

links

プロフィール

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM