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転々【映画】

2018/11/14


 竹村文哉は大学8年生。自堕落な生活を続けているうちに借金が膨らみ、それを返す当てもありません。ある時借金とりの福原愛一郎が、俺の散歩に付き合えば100万円やると提案します。100万円あれば借金も返せますから文哉は福原の提案を飲むことにします。かくして2人の奇妙な東京散歩が始まります。
 福原は、誤って妻を殺してしまったことを文哉に告げ、今から霞が関まで自首しに行くというのです。まがりなりにも法律について知っている文哉は、遺体が発見される前に自首する必要があると、近くの警察署へ行くことを勧めるのですが、福原は大きな署がいいと言って聞きません。
 道すがら、福原の思い出の地を転々とし、むかし結婚式の参加者役を演じた時に妻役だった麻紀子を訪ね、2人の旅は続きます。一方、殺された福原の妻が勤める会社では彼女が出勤して来ず連絡も取れないことを不審に思い、社員の国松と仙台が彼女の家を訪ねることにします。
 妻の遺体が見つけられてしまう危機も知らずに、福原と文哉の旅は続きます。

 三木聡監督のゆるい感じのほんわかストーリーです。自堕落な大学生をオダギリジョー、なんとも怪しい借金取りを三浦友和が演じています。あとは三木作品の常連 岩松了、ふせえり、松重豊らが脇を固め、ユーモラスでちょっぴり不思議な三木ワールドが展開します。
 「インスタント沼」のように不思議な現象が起きるわけでもなく、河童が登場するわけでもありませんが、登場キャラが妖怪よりもむしろ不思議でおもしろい存在で、人間動物園を見るようです。この雰囲気は言わば三木ワールドの定番でもありますね。
 借金取りの福原は、ひじょうに怪しい風貌のいかにもヤクザ者といった風情であるにも関わらず、付き合ってみると以外にもちょっとクセのある普通のオヤジで、なかなかの人情家でもあります。文哉は散歩を続け、福原の思い出の地を巡るうちに、彼の人間臭い生きざまに触れることになり、妻を殺めてしまった彼に同情するようになります。「妻を殺してしまった、俺の散歩に付き合え」そんなことを淡々と言うヤクザ風情のオヤジに、好感を持てるはずがありません。いったい何を考えているんだ、だまされてるんじゃないのか、もしかしたら殺人の罪を着せられてしまうのかも。そんな思いが文哉の脳裏で渦巻いていたはずです。しかし、福原との散歩で文哉が得たものは、彼が知らない“家族の温もり”なのでした。
 誰かに遺体を発見され通報される前に自首しなければ罪が重くなる。なのに福原は少しも慌てようとせず、これまでの人生を回顧するように散歩を続けます。そうこうするうちに、亡くなった妻の勤め先の同僚たちが、彼女の元へ向かおうとしています。2人の知らないところでピンチが迫っています。
 ダメダメ大学生の文哉にも、最初は好感が持てませんが、散歩を通じて彼も次第に人間性を取り戻してゆきます。彼は福原に自分にはいない父親像を見ていたようです。 
 ひじょうに変てこなお話しなのに、とっても心が温かくなります。あまり期待していなかっただけに、感動はひとしおでした。

 「インスタント沼」の麻生久美子が、三木監督の某作品の某役でカメオ出演しています。「亀は以外と速く泳ぐ」の商店街アナウンスが聞こえるシーンがあります。他にも三木監督お得意の小ネタが随所に登場するのですが、これは三木作品をたくさん観てそれに精通している人の特権ですね。

2007年、101分。
原作:藤田宜永。
監督、脚本:三木聡。
出演:オダギリジョー、三浦友和、小泉今日子、吉高由里子、岩松了、ふせえり、松重豊、鷲尾真知子、石原良純、岸部一徳、広田レオナ、ブラボー小松、平岩紙、横山あきお、石井苗子、風見章子、笹野高史、宮田早苗、麻生久美子ほか。

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