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億男【映画】

2018/11/02


 大倉一男は失踪した兄の借金の保証人になってしまったために3000万円の借金を抱えていました。返済するために図書館の司書のほかに夜はパン工場でバイトをしています。ある時、商店街のガラガラくじで宝くじを当てるのですが、その宝くじで5億円が当選します。仕事に明け暮れて家族を顧みない一男に愛想を尽かして手ていった妻の万佐子と娘のまどかともやり直せると思ったのですが、万佐子は色よい返事をしません。
 一男はいきなり転がり込んだ大金の使い方に悩み、学生時代の親友古河九十九に相談したところ、彼に言われるままに引き下ろした現金を持ち逃げされてしまいます。
 九十九が主催したパーティに来ていた女性あきらの紹介で、一男はIT企業バイカムのエンジニア百瀬栄一を訪れます。バイカムはもともと九十九が考案し起業した、オンライン物流サイトでした。そして九十九がバイカムのアイディアを思いつくきっかけとなったのが、一男と2人で行ったモロッコ旅行でした。競馬好きの百瀬は初対面の一男とあきらに100万円を貸し与え、馬券を買わせます。
 百瀬の紹介で次に千住清人に会いに行くのですが、彼はバイカムの財務担当にして、ミリオネアニューワールドというセミナーで、金に困った人を集め彼らからさらに金を巻き上げる詐欺商法を実践していました。
 かつてバイカムの広報担当だった安田十和子は、10億というお金を手にするも、お金は使わず貯金もせずに隠し持ち、貧しい借家暮らしをしています。
 大金を手にした様々な人たちとの出会いを通じ、一男はお金が何なのか解らなくなってゆきます。

 百瀬栄一から借りた100万円で万馬券を当てた一男は、3000万円を手にし、それで借金を返済できると安心しますが、百瀬はその全額を最終レースに賭けることを強要され、けっきょく大金を取り逃してしまいます。百瀬は悪びれることもなく、もともと無い金がなくなっても何も損をしていないと言い放ちます。
 ミリオネアニューワールドのセミナーで、千住清人は金に縛られている限り夢はかなわないことを説き、集まった人たちに持ち金を放棄させます。客たちは嬉々として財布の中身をぶちまけて帰ってゆきますが、千住はそれを回収して自分のものにしてしまいます。
 安田十和子は、大金を手にしながらも豊かな暮らしの不毛さをについて語り、それを否定して生きています。
 そして、一男の5億円を持ち逃げして姿をくらました古河九十九は、本当に一男から現金をだまし取ったのでしょうか。

 現代は、まともに働く人たちがまともな賃金を得られない時代です。筆者が若い頃は国は3公社5現業を税金でまかない、高齢者の医療費も負担し、年金生活者にも充分な配当をしていました。年金は加入者から徴収したお金をやり繰りして事業を運営したりし、そこから受給者への配当をしていました。しかし、現在は軍隊と警察、わずかな国営事業以外ほとんど何もしていないのに国の予算が足りず、国民に対する増税、福祉の改悪をどんどん進めています。消費税という超不平等税制を実施し、パートタイマーからも徴税するありさまなのに、国は何の事業もしていない。国民から集めたお金はどこへ消えてしまったのでしょう。厚生年金も我々が長年収めて来たものが底を尽きた、年金を納める若者が少ないので支給が困難だと言います。そもそも年金事業とは、加入者が収めてきたものを支給するものであって、支給するために新たな加入者を募るものではありません。そんなやり方で個人年金を始めようとしても道理が通りません。でも国のすることとなるとそれが通ってしまいます。
 国民が暮らしの多くを犠牲にして国に献上してきたお金はどこに消えてしまったのでしょう。
 税金が足りないから増税する。でも若い世代はまともな給料をもらえないので納税額も多くはありません。大企業はどんどん減税され、人を減らし、残ったわずかな社員の給料も減らし、空前の財力を蓄えていますが、国にはお金がないのだそうです。これでは国家自身が壮大な詐欺師ですね。
 こうした世の中で、資産を蓄えているのは、働かない人たちです。投資で当ててそこそこの資産を手にするとマネーブローが構築され、お金が転がり込む仕組みができます。不労所得はひじょうに巨額で、労働賃金ではまともな暮らしができない、それが現代社会です。

 この状況は長くは続かないと思います。そう遠くない将来、日本をはじめ格差社会を猛進している国家は財政破綻します。日本に関して言えば、みなさんのお給料を下げ、円安を招き、インバウンドを誘致することで海外からお金が転がり込んでくるのだそうです。まるで漫才ですね。国民のみなさんがドケチで物を買わないので、企業はそれに多くを期待せず、グローバリズムと称して外国相手に金儲けをするのだそうです。まともな暮らしができないような低賃金を高い人件費と称し、アジア諸国に工場を建てて人を雇うのだそうです。国内にもどんどん外国人労働者を動員するのだそうです。
 現代の日本の企業は、人材を育てませんので、技術や頭脳は諸外国に流出しており、今や家電も自動車もゲームやオタク産業も、中国や韓国の方が優って来ています。日本の家電製品は中国の部品を使っていますが、韓国の製品はものによっては日本製の部品を使っているそうですよ。そんなことを抜きにしても日本製品に対する信頼度は低下しつつあります。

 でもね、国や政治家、資産家が悪いわけでもないです。彼らは諸外国とのやり取りの中で経済摩擦を提言し、なんとか国のかじ取りをしようと頑張っているわけです。
 ここまでされてもヘラヘラ笑って何も言わない、なにも行動しようとしない国民がけっきょくは悪いのです。

 お金って何だろう。この映画を観るとそのことを考えさせられますが、それ以前にものの価値について考えてみるべきです。お金はそれを計る対価でしかありません。単なる単位なのですから。ものの価値、労働の価値、技術や知識の価値を正しく評価できない限り、社会は疲弊し滅びに向かうのみです。
 この映画が語るお金の価値は、個人的な問題で、筆者はほとんど心を打たれませんでした。考えさせられることも多くはありませんでした。人間は独りで生きてはいませんから、公益という価値観で物事を見て行かねば意味がありません。

2018年、116分。
監督、脚本:大友啓史。
脚本:渡部辰城。
出演:佐藤健、高橋一生、黒木華、池田エライザ、沢尻エリカ、北村一輝、藤原竜也ほか。

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