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2001年宇宙の旅【映画】

2018/10/31


 1999年、ヘイウッド・フロイト博士は、政府の要請で月に向かいます。月へ向かう連絡船に乗り換えるために、地球を周回する宇宙ステーションに立ち寄った際、博士は旧知のジャーナリストたちから、現在の月面コロニーの様子について質問を受けますが、博士はそれには応じませんでした。月基地は伝染病の蔓延により完全封鎖されており、定期便をはじめあらゆる宇宙船の着陸を拒絶しているのです。
 伝染病はじつは政府による虚言で、アメリカ合衆国は月面で発見した地球外知的生物の遺産の発見を隠蔽していました。その調査の指揮を執ることになったフロイト博士は、現時点でこれを公表することは世間に大きな混乱を招くことになると判断し、その実態があるていど解析できるまで極秘裏に調査を続けることを関係者に告げます。
 謎の物体が発見されたティコクレーターへ向かった博士は、同クレーターから自然現象でない磁気異常を探知したため発掘調査を行なったところ、漆黒の大きな板状の物体「モノリス」を発見したとの説明を受けます。それは約400万年前からここに埋まっていたと推測され、日の目を浴びるとそれは木星へ向けて信号を送りはじめたとのことでした。
 現地に到着したフロイト博士一行がモノリスの前で記念撮影をしていると、それは唐突に耳をつんざくノイズを発生し、一行は耳を覆い悶絶しました。
 18ヶ月後2001年、木星探査船ディスカバリー号は、木星を目前にしていました。乗員は5名、デビッド・ボーマン船長とフランク・ループだけが活動しており、あとの3人はまだ人口冬眠中でした。食料や酸素の節約のためにクルーたちは人口冬眠状態で長い航行を過ごしてきましたが、人工知能の HAL(ハル)9000 はその必要がありません。HAL は船の制御を独りで管理しており、クルーたちは会話によって HAL にさまざまな指示を出すことができます。。
 船の通信を司る AE35ユニットの故障を HAL が予見したので、船外活動により部品の交換を行ないますが、異常は見つかりませんでした。ボーマンとループは、船外活動ポッドに乗り込んで通信機能を切り、HAL の判断の不審な点について話し合いますが、HAL はポッドのガラス越しに2人の唇の動きを読んでいました。
 HAL を交えた討議の結果 AE35の部品を元に戻して経過を見ることを決定し、ループが船外活動によって部品を戻しに向かいますが、HAL はループの宇宙服を操作し殺害します。
 ボーマンは、宇宙を漂うループを船外活動ポッドで追跡し、なんとか回収に成功しますが、HAL はハッチを閉ざしたままボーマンの乗船を拒否します。そして宇宙船内では、人口冬眠中のクルーたちの生命維持装置が HAL によって停止されてしまいます。

 今から半世紀前に作られたSF映画の名作です。スタンリー・キューブリック監督とSF作家のアーサー・C・クラクが共同でアイディアを出し合い、この作品が誕生しました。筆者がこの作品を初めて見たのは1977年のリバイバル上映で、折しも「スター・ウォーズ」第1作が公開された年でした。ひじょうに緻密な構造の宇宙船や宇宙ステーション、そして航行する船の中で活動するクルーの姿まで再現されていることに、当時高校生だった筆者は大きな衝撃を受けました。スター・ウォーズの9年前にもっとすごい映像が作られていた、筆者はそう感じました。この映画を作ったスタッフは未来からやって来たのではないか、半分本気でそう思ったほどです。
 そして現在、IMAX の巨大スクリーンにこの名作が蘇りました。その圧倒的な映像は、今観ても驚くほど新鮮で、大画面でさらにその迫力が伝わってきました。
 上述のあらすじにはありませんが、映画は太古のむかしの地球から始まります。弱小な猿人の群れがモノリスと遭遇して刺激を受け、初めて道具を使うことを覚えるさまが描かれています。太古の地球で猿人に知恵を授けたモノリスが、月面生活時代を迎えた文明人の前に再び現れたというわけです。月面のモノリスが設置された時期は推定400万年前で、地球上で猿人の前に出現したものも同年代だったのでしょうか。モノリスは、群れで眠っている猿人たちの前に忽然とその姿を現しています。

 1968年すなわち人類の月面到達の前年に作られたこの作品では、世紀末には月面に植民地が完成しており、地球を発したシャトルが衛星軌道上の宇宙ステーションまで人間を運び、そこからは球形の連絡船で月へ向かうようになっています。
 モノリスが木星へ向けて信号を発信していることが判ると、すぐさま有人宇宙船が木星に向けて送られ、2001年には船は木星に到達しています。有人探査船ディスカバリー号の球形部分には回転する居住スペースがあって、そこは回転による遠心力で重力が発生し、クルーは地球上と同じように行動することができます。
 ディスカバリー号は、HAL9000 という人工知能システムを搭載しており、船の航行を管理しているほか、クルーと普通に会話ができます。
 J・F・ケネディ米大統領は、1960年代中に人類を月に送ると言明して、その最後の年にそれを実現し、キューブリックとクラークの2人の天才たちは、そのおよそ30年後の未来には、月面に人が住み、木星へ人類を送り込むほどには文明が進歩するだろうと予測していたようです。
 しかし残念なことに、それからさらに20年近く経過した現在もディスカバリー号はおろか月面基地も実現していませんし、人工知能はまだ HAL に追いついていません。ここはひとつ、モノリスに今一度お出ましいただき、知恵を授けてほしいものです。

 勇壮なクラシックの名曲に乗って、壮麗な科学技術が描かれる映像美は、今なおまったく色あせていません。製作当時は未来のお話しだったものに、あえてクラシック音楽をBGMに採用したセンスも卓越しています。筆者はこの映画を観て、交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」やワルツ「美しく青きドナウ」の素晴らしさに触れました。余談ですが、ベートーベンの第9の素晴らしさを教えてくらたのはキューブリック監督の「時計仕掛けのオレンジ」です。

 それまで、宇宙人ものと言えば、地球を侵略しようとするインベーダーのイメージが強かったのですが、この作品では宇宙人はモノリスという痕跡以外その姿を現しません。モノリスとは何なのでしょう。宇宙人の高度な文明が凝縮された宇宙人の遺品なのでしょうか。
 太古のむかし、飢えと渇きに苦しんでいた猿人の弱小な群れが突然モノリスに遭遇し、おそるおそるそれに触れてみます。そのことがきっかけになり、群れのうちのひとりが大型草食獣の骨を手にします。それまで彼らを迫害し、貴重な水場を奪っていた列強集団を、彼らは武器を使って撃退することに成功します。彼らは肉食獣のように草食獣を狩ってその肉を食べることを覚えます。
 そして人類は宇宙時代にまで進歩した、というドラマがナレーションひとつもなく効果的に描かれ、観る者の心を打ちます。

 間もなく木星に到達するというところで、人工知能 HAL9000 が反乱を起こすわけですが、仲間を失ったボーマン船長は、そこで宇宙空間を漂うモノリスに遭遇します。それからのさらに強烈な映像は、高校生だった筆者にとっては強烈な衝撃と感動でした。筆者は今も趣味で小説を書いたりしておりますが、この映画が筆者の捜索に与えた影響は小さくありません。
 ひじょうにローテンポで、ナレーションや字幕解説もない独特の展開は、観客にさまざまな想像を許すわけですが、人によっては意味が解らない、と腹立たしく、あるいはつまらなく感じてしまう場合もあるかもしれません。とくに衝撃のラストは抽象的かつ象徴的で、観客の数だけ解釈がある、そう言っても過言ではないでしょう。観た直後は大いに戸惑い、首をひねることになりますが、これから人類はどうなるのだろう、そんなことをこれまでの経緯……400万年前のモノリス、月のモノリス……と照らし合わせて考えると、いろんな想像があふれだし、考えさせられます。善きにつけ悪しきにつけ、この映画は後を引きます。

 ひとつの解釈として、アーサー・C・クラークはノベライズを著しています。この本がまたたいへん面白く、これを読めば映画もさらにおもしろくなります。ただし、小説版は映画とは微妙に内容が異なっています。その後に続くストーリーも書かれていますが、それらも前後作とじゃっかん設定が変わっていたりします。
 ディスカバリー号のその後を描いた「2010年宇宙の旅」、木星旅行がもたらした人類の未来のお話し「2061年宇宙の旅」、そして「3001年終局への旅」と、小説版は4作が執筆されています。2作目は1984年に映画化もされています。こうしてお話ししていると2作目「2010年」も久々に観たくなりました。

原題:2001: A Space Odyssey。
1968年イギリス/アメリカ、141分、年日本公開。
監督、脚本:スタンリー・キューブリック。
脚本:アーサー・C・クラーク。
出演:キア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド、ウィリアム・シルベスター、ダグラス・レイン、ダニエル・リクター、レナード・ロシター、マーガレット・タイザック、ロバート・ビーティ、ショーン・サリヴァン、フランク・ミラー(声)、エド・ビショップ、アラン・ギフォード、アン・ギリス、ビビアン・キューブリック、ミラー ケヴィン・スコットほか。

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