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小さな神の子供たち

2018/10/22


 キム・ダンは幼い頃、地方のキリスト教会「天国の門」で母と一緒に暮らしていました。巫女の血を引くダンの運命を断ち切ろうと、母が家を棄てて境界に逃げ込んだからです。ダンはそこで身寄りのない子供たちと一緒に暮らしていましたが、子供たちは世話をする教会の大人たちからひどい虐待を受けていました。
 ある時、教会で集団自殺事件が発生し、31人の信者たちが志望します。その中にはダンの母親も含まれていました。事件を担当したクク・ハンジュ検事は、以降ワン牧師と親密になり、やがて政界に進出し大統領候補になります。
 集団自殺の難を逃れ、成長したダンは警察官になっていました。巫女の血を引く彼女は、これから起きる出来事をあるていど予知することができ、その能力で事件解決の手がかりを見つけることもありました。
 一方、IQ167の天才刑事チョン・ジェインは、最近起きた複数の殺人事件を同一犯による連続殺人であると推理し、化学的根拠から犯人の居場所を突き止めますが、現場には彼より先にダン捜査官が来ていました。容疑者を確保した2人ですが、証拠不充分で釈放することになり、その後にジャーナリストの女性が同じ手口で殺されます。その女性は、ジェイン刑事の妹スインでした。
 失意のジェイン刑事は警察を去り、ホームレスに身を落しますが、密かに事件を追っていました。そしてスインが殺されたのは、異常者による連続殺人に見せかけた計画殺人で、ジャーナリストのスインが取材で得た情報が殺される原因になったと推理します。
 先輩のコネを使って復職を果たしたジェインは、犯人を再逮捕しますが、護送中に脱走を試み射殺され、裏で糸を引いている者を知る手がかりが消えてしまいます。一連の事件の背景にあるものはひじょうに根深く、警察内部にも内通者がいるようです。
 ワン牧師が運営する天人教会とクク・ハンジュの間に不透明な金の流れがあることを突き止めた若き検事チュ・ハンミは、ダンとジェインに近づき、警察内で誰も手を着けようとしない一連の事件を追うために秘密組織を立ち上げます。しかしハンミはクク・ハンジュと裏でつながっていたのです。

 天人教会とクク・ハンジュは、過去の集団自殺事件からずっとつながっていました。「天国の門」で孤児たちを養育する天人教会は、子供たちに怪我をさせて保険金をだまし取ったり、金策のための悪事をたくさん繰り返していました。信者の密告によってそれが外部に漏れそうになったのを防ぐためにワン牧師は信者たちの集団自殺を画策したのですが、それを提案したのが当時検事だったクク・ハンジュでした。
 大企業ソンハグループの会長ペク・ドギュもかつて天人教会の管理に携わっており、教会に流れ込む寄付金等を私益としてむさぼっていたひとりでした。その娘ペク・アヒョンは、幼い頃から自分は普通の人間とは価値がちがうと教えられて育ち、教会の孤児たちを見下して来ました。そして彼女も連続殺人犯ハン・サングに誘拐され監禁されますが、奇跡の生還を果たします。
 ハン・サングもまたキム・ダンと同じ「天国の門」出身の孤児でした。彼は脱走しようとして射殺された際に、ダンにポパイが来ると言い残します。ポパイは、ダンたちが幼い頃によく遊んだ孤児仲間の呼び名で、ジェインは、ポパイが裏で糸を引いて妹を殺害させた張本人であると推測します。……事件はすべて、過去の「天国の門」につながっているのでした。
 そしてダンが父親と信じて一緒に暮らしてきたキム・ホギにも、事件にまるわる暗い過去がありました。

 弱者を食い物にして政界財界で権力を握ろうとするクズどもに挑む警察官たちの物語です。巨大な財力で人を動かし、市民の人命を何の価値もない存在と軽んじる極悪人どもに立ち向かうのは、予知能力を持つ捜査官、IQ167で難事件をいくつも解決してきた天才刑事、そして特異な才能で法治外で生きているホームレスたちです。悪党どもの魔手は警察内部にまで深く侵攻しており、警察上層部も、現場の警官たちも、事件に関わろうとはしません。そこでヒーローたちは有志の警察官を募り秘密調査組織を作ります。
 彼らは幾度もクク・ハンジュとワン牧師の尻尾をつかみかけるのですが、敵にも知恵者が存在します。天国の門出身の元孤児ポパイです。ポパイは誰なのか。ダンとジェインたちは苦戦を強いられます。
 そしてダンは、大勢の人がビルから飛び降りて集団自殺する光景を予知します。クク・ハンジュは政敵を倒すための決定打として、恐ろしい惨劇を用意しているのでした。

 2転3転するストーリー展開は、ひじょうにスリリングで目が離せません。アメリカのTVドラマの名作「24」シリーズを思い出してしまいました。それに加えて韓国特有のメンタルなドラマ性もあって泣けます。天国の門で虐待を受けて育った子供たちは、31人集団自殺という壮絶な事件を経てみんなバラバラになり、ある者は警察官に、あるものは検事に、そしてあるものは連続殺人犯に姿を変え、巨悪が演出する一連の怪事件に翻弄されます。
 敬虔なキリスト教徒として世直しを唱えるワン牧師、卑劣な手段を使って大統領の実験を握り、理想社会を実現すると称するクク・ハンジュ。彼らの高邁な理想は、人の命を軽視し、市民を無価値な愚者と見下します。彼らは権力という悪魔に魂を売った愚者たちです。
 回が進むごとにどんどんおもしろくなり、最終回までどうなるか分かりません。そして感動のラストシーン。これまで見た韓国ドラマで、このラストが一番素晴らしかったです。
 小さな島で起こった天国の門集団自殺事件、それは自殺ではなく獰猛な悪魔による大量殺人でした。教会で番号で呼ばれて暮らしていた人たちの霊に、数十年の時を経て名前が返されます。そしてあきらめることなく戦い続けた神の子供たちにも屈託のない笑顔が戻ります。

2018年、TV16話。
演出:カン・シンヒョ。
脚本:ハン・ウリ。
出演:カン・ジファン、キム・オクビン、シム・ヒソプ、チャン・グァン、イ・ジェヨン、イ・エリア、イ・ヒョジョン、アン・ギルガン、キム・ドンヨン、ホン・ソヨン、パク・ソウン、シン・スンファン、ハン・ソジンほか。

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