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フルメタル・パニック! 本気になれない二死満塁?【小説】

2018/10/19


 コメディ短編集第2弾です。戦場育ちの戦争のエキスパート相良宗介が平和な日本の学園に戦場の常識を持ち込み騒動を起こす、このシチュエーションだけで笑えるネタは山積ですから、長編シリーズに匹敵するかそれを凌駕するほどのボリュームになっています。まじめな宗介の誠意に大いに笑わされてください。

 ゲーセンでヤンキーを怒らせた宗介は、彼らを束ねるボス阿久津万理によって卑劣な報復を受けることになります。すなわち千鳥かなめを人質に取られ、彼らのアジトに呼び出されます。ヤンキー集団に単身で立ち向かう
宗介の対応は、いつもの重火器にものを言わせたものではなく、意外な方法でした。そしてそれはやはり彼の戦場での常識を応用したものでした。「妥協無用のホステージ」
 古典の宿題に苦戦した宗介は、かなめにノートを借りて難問をクリアしますが、かなめのノートを家に忘れて登校してしまいます。古典の藤崎先生はひじょうに厳格で、宿題を忘れれば則補習が確定します。かなめは古典の授業の5時間目に間に合うようにノートを取りに帰る決意をします。タクシーで往復すれば余裕で間に合うと思いきや、宗介が銃で脅したにもかかわらずタクシーは2人を待たずに逃げてしまい、仕方なく自転車を盗んで2人乗りで街を暴走していると、異常に執念深いミニパトに追跡されることになります。「空回りのランチタイム」
 かなめが年末に神社で巫女のバイトをしていると、御神酒に酔った常盤恭子が宗介を助っ人に呼びつけます。かなめが危険な目に遇っていると判断した彼は、武装して神社へ出かけます。指向性爆弾で社務所の壁に大穴を開けたことは寛大な重職に許してもらいますが、本殿には立ち入るなとの厳命が宗介にはなぜか気になりました。そこへ神社の放蕩息子が帰って来て、彼の話しから神殿に小型核爆弾が隠匿されていると判断した宗介は、決死の侵入を試みます。「罰当たりなリーサル・ウェポン」
 陣代高校ラグビー部は部員が足りないうえに試合にかったためしがありません。学校側は廃部を宣告しますが、これを生徒会に対する暴挙だと判断した林水会長は、かなめと宗介をラグビー部に派遣しテコ入れを図ります。不潔で汗臭い部室を想像していた かなめはひじょうに憂鬱でしたが、部室はきれいに清掃され花が飾られてあったりします。次の硝子山高校との試合に負ければ廃部決定、それが会長が学校側と交渉して得た唯一の救いでしたが、気弱な部員たちは試合には勝ちたいけど怪我したり相手を傷つけたりするのはイヤなどとラグビーにあるまじきセリフを吐きます。そこで宗介は部員たちを山奥に誘い、マオ曹長直伝の軍隊式新兵特訓法を実施することにします。「やりすぎのウォークライ」
 中学時代に憧れていた不破先輩と再会した かなめは遊園地でのデートの誘いに応じますが、かなめの親友の恭子は事態を憂慮し宗介にそのことを告げます。他人と仲よくすることは結構なことではないかと言い放つ宗介ですが、言葉とは裏腹に激しく動揺します。そして気づけば恭子と2人でこっそりとデートを尾行しているのでした。黒づくめにサングラスといういでたちで尾行を敢行する2人でしたが、かなめたちが酔ったヤクザたちに囲まれてしまいます。「一途なスティク・アウト」
 ミスリスの訓練に参加するために東京からメリダ島に急行した宗介ですが、予備のASの不具合で訓練は中止、同じ SRT要員のクルツに誘われて基地内のバーで彼の愚痴を聞いていると、退役軍人のバーテンがキャプテン・アミーゴの宝の地図というものをくれます。ひまを持て余していた宗介とクルツは、さっそく宝探しを始めます。ジャングルに分け入った2人は野生のブタを仕留め、使用していないASを無断借用して危険な洞窟に挑み、みごと1000万ドル相当のお宝を発見します。いきなり金持ちになった2人は優雅な暮らしを想像してにんまりするのですが、話しはそう上手くはゆきません。「キャプテン・アミーゴと黄金の日々」

 危険な作戦も宿敵アマルガムも登場しない宗介たちの平和な日々のエピソード集ですが、きまじめで根っからの軍人の宗介は、何事も深刻に捉え、最悪の事態に対処すべく知恵を巡らせ火器を行使します。優れた実戦要因である宗介は、プロ野球の中堅選手並みの報酬をもらっているのですが、ミスリルの経理担当は宗介の器物損壊の尻拭いに対してサジを投げてしまいます。おかげで宗介の貯金はずいぶんと減ってしまったそうです。学校その他の施設の破壊は、宗介の常識知らずのせいもあるのですが、彼のような人材を高校生として潜入させたミスリルにも責任の一端はあると思います。しかし弁償に自腹を切ることを宗介は不服と感じていないようです。
 彼はやはり戦場以外では普通に生きて行けそうにありません。学園生活という平和な日常こそが、彼にとっては決死のサバイバルなのかもしれませんね。 

1999年、富士見ファンタジア文庫。
著者:賀東招二。

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