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電気街にオタク文化栄える理由

 メイドさんが、アニメ文化の2次元世界から、3次元のリアル世界に飛び出してきたことの背景については、前項におおよそについて述べました。秋葉原に居ついたメイドさんたちは、電気街がひじょうに居心地よろしかったようで、一種の社会現象として認知されるほどに大ブレークしました。オタクなヒロイン恐るべしですね。
 メイドさんたちは、お店でご主人様お嬢様のオムライスにケチャップ落書きしやがるのみならず、歌うわ踊るわ、アニトークするわ。あまつさえアニソンライヴだの、遠足だの、他企業からイベント用員として駆り出されだの、3次元社会の定義としてはウェイトレスなのに、びっくりドッキリの活躍ぶりでした。いや、ウェイトレスがそこまでしたらあかんやろ、という懸念の声もどこ吹く風と、やったもん勝ちの最たる状況を露呈しました。かの有名なアイドルグループAKB48の下地を作ったのも、メイド文化であったと豪語して的外れとは言えないでしょう。
 秋葉原の当時の実情について、関東人ならぬ筆者は、間接的な情報しか持ち得ませんが、大阪の日本橋についてはメイドさんは名実共に街を塗り替えました。秋葉原でブレークするなら、日本橋でもイケるのではと、生け捕ってきたメイドさん数名を放してみたところ、たちどころに増殖し、古くは電気街の裏通りの貨物搬入路だったところに、オタロードというイヤな感じの通り名を与え、土日ともなれば道頓堀や心斎橋さえも青ざめる人込みを形成するに至ったわけです。筆者は高校時代から日本橋を流浪しておりまして、その頃は難波駅へ抜けるショートカットとしてこの裏通りを利用したものですが、そこが人であふれる絵柄なんぞ想像もできなかったです。
 オタクたちにとって、電気街にメイドさんが大繁殖する理由はかなり明白で、なにゆえに電気街? なんていう疑問をいだくオタクは皆無であると思われますが、一般人にしてみれば、ずいぶん摩訶不思議なことであったようですね。メイド産業が猛威を振るっていた頃には、関西でも電気街以外のところにまでメイドさんのお店は点在したのですが、長くは生き長らえられず、けっきょく日本橋がメイドさんの棲息地になりました。
 筆者は、あるメイド店のファンサイトを運営していたことがありまして、あるときそのサイトが、関西の文化とその歴史を探るテレビ番組の取材を受けたことがありました。取材者の最大の疑問が、メイドさんがなぜ電気街でブレークしたのかということだったようです。この疑問を引っさげて、雑誌記者やメイド店のオーナーにも取材を行なった結果、電気街がオタク街でもあるからというところまでは答えを引き出したそうですが、じゃあオタクが電気街に住み着いた理由がどうしても解らないとのことでした。
 その取材者は、じつに器用にもオタクでない方ばかりを取材して回っていたのでしょうね。オタク街を取材して歩いてオタクの生声を聞けなかったなんて、どんな運の悪さなんでしょう。ようやくオタクたる筆者に遭遇できた取材者は、あまりにも簡単明瞭な答えに唖然としたことでしょう。
 オタクと電気街は、パソコンにおけるソフトとハードみたいなもので、オタクの趣向やらセンスやら才能やらを具体的な作品として再生するのに最も適した場所が電気街であるわけです。古くはアニメソングを収録したレコードを、新しくは映像作品を記録したDVDやブルーレイを再生するには、電子機器が不可欠ですよね。ハードを求めてオタクたちが集まれば、商売人は顧客の人種を見極めてオタクグッズを充実させます。何しろ日本橋とその近郊は問屋街でもあるわけです。グッズや材料をそろえる手腕はどこにも負けません。各種業者にしても電気街に商品を卸せれば手っとり早くて良いわけで、日本橋は地方の商店街や都心の王手デパートも舌を巻く豊富でマニアックな品揃えを実現して、オタクたちを引きつけて放さないわけです。電気街のすぐそばには、道具屋筋、少し足を伸ばせば心斎橋の服地街、松屋町の玩具街があります。鮮魚の豊富な日本橋黒門市場には、メイドさんが食材を買いに訪れます。
 表の顔が電気街、裏の顔はオタク街という2面性を、日本橋は古くから有していました。華やかな家電やマニアックなオーディオ店の陰で、様々なオタクグッズをトレードするショップが、雑居ビルの中にひっそりと居を構え、地味な佇まいとは裏腹に繁盛していました。
 それもネット時代なると、コアでマニアックなグッズがわざわざ日本橋まで来なくても通販で手軽に入手できるようになり、オタクたちの足は、日本橋から次第に遠のき始めました。電車賃をかけて日本橋に赴き、人目をしのんで薄暗い雑居ビルの中の一見怪しげなショップに足を運ばなくても、在宅でレアグッズが入手できるようになったのです。加えて大型家電店が日本橋に匹敵する安さと品揃えを充実させるようになり、電気街は表裏とも冬の時代を迎えたのでした。
 そこに光明をもたらしたのが、言わずと知れたメイドさん降臨事件ですね。メイドカフェでメイドさんを直接愛でるには、インターネットの力ではどうにもなりません。オタクたちは久しぶりに聖地に帰って来たというわけです。
 メイド店が急増する頃は、電気街とメイドさんは決して仲良くありませんでした。秋葉の方で、メイドカフェに行くお金を捻出するために電気街で万引きを働き、それを古物店に流すオタクが増えたなんてあらぬウワサも拡がり、古くから電気街を守り立ててきた古参の商人たちは「ここは歓楽街ちゃうぞ、うらぁ!」とお怒りなすったわけです。メイドさんを追い出すために行政の力を借りんと、商工会は政治家に働きかけさえしたと聞きます。しかし当の政治家にしてみれば、メイドさんの経済効果は素晴らしいし、だいいち可愛いし、って言うか可愛いし「メイドさんが日本橋にいても、いいんじゃね」という反応で、その後はメイドさんと電気街は和解しました。もっともメイドさんの多くは、電気街に疎まれていたなんて気づきもしなかった次第ですが。
 そんなこんなで、電気街はDVDやパソコンが登場する前から、オタクの聖地だったわけで、電気街にオタクがいることを疑問視すること自体が、当のオタクにとっては理解しがたいのだというお話しでした。
 ちなみに、電気街では、同人誌を作るためのアイテムやコスプレアイテムも揃いますし、アニメオタクならぬ、オーディオオタクやパソコンオタクから鉄道オタクといった各種オタクのアイテムやグッズも網羅しております。つまり、電気街は、アニメオタクのみならず、様々なオタクの集う場所であったわけす。
 電気街は、オタクという言葉ができるずっとずっとむかしから、各種オタクの巣窟として機能してきましたし、これからもそうでなくてはなりません。

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