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銀魂2 掟は破るためにこそある【映画】

2018/09/14


 仕事の依頼がなく家賃を滞納し続ける万事屋の坂田銀時、新八、神楽の3人はついにバイトを決意します。警視庁長官の松平の紹介で引き受けた実入りの良いバイトの先々で、お忍びで庶民生活を体験中の将軍徳川茂茂に遭遇し、銀時たちは窮地に立たされます。粗相があれば打ち首です。
 その頃、真撰組は新進気鋭の参謀伊藤鴨太郎の進出で副長土方十四郎との間で対立が生じ、分裂状態になっていました。アマントが棄てた技術を何者かが利用して土方を洗脳し、彼は硬派な武人からヘタレオタク・トッシーに変じてしまいます。その期に乗じて伊藤は大勢の組員を抱き込み、真撰組を手中にするべく行動を蜂起します。
 伊藤に絶大な信頼を置く近藤勲局長は、命を狙われ、ヘタレと化した土方は、宿敵とも言える銀時に真撰組
を守ってくれ頼みます。
 罠にはまった近藤局長を追って銀時たちが江戸を離れた隙を突いて、高杉晋介が率いる鬼兵隊が徳川茂茂の命を狙います。高杉が放った刺客河上万斉が、松平長官と共に庶民の娯楽に興じる将軍に迫ります。

 コミックやアニメの実写化がことごとくコケまくる日本映画事情にあって、昨年公開された「銀魂」は大ヒットをマークしました。その第2弾が早くも公開です。2作目も役者もそのままテンションも変わらずで、観客の期待を裏切らない素晴らしい作品となりました。
 1作目があまりにも良かったので2作目の出来をちょっと心配したのですが、それはまったくの杞憂で、今回も機関銃のごとく繰り出される笑いと、感動がてんこ盛りです。往年の名作アニメを堂々とパクるご法度も次々と飛び出し、映画泥棒も飛び出し、アニメファン映画ファンの心をわしづかみにします。……わしづかまれました。
 今回の見どころにひとつは、あの土方が壊れるくだり。異星人アマント自身が持て余したテクノロジーによて人格改造されてしまった彼は、壮絶なヘタレっぷりを発揮し、新八と共にテレビ番組アイドルオタクVSアニメオタクに出演するしまつ。決して揺るがない生粋の武人土方の壊れっぷりは壮絶です。
 脇役陣も健在で、佐藤二朗はなぜか今回キャバクラのおやじになっていました。平賀源外はご法度をさらに強化し、近藤局長は今回は脱ぎませんが代わりに将軍様が脱いでました。万事屋が間借りしている大家のお登勢も今回登場し、前作ではあまりにも影が薄かった猿飛あやめもちょっぴり出番が増えました。よかったですね。お登勢とあやめは個人的に押さえておいてほしいキャラです。

 鬼兵隊率いるテロリスト高杉は、今回は河上万斉に銀時こと白夜叉との対決を譲っています。前作での剣劇で懲りたようですね。江戸時代末期の日本にアマントの文明が溶け込んだレトロヒュチャー都市で、熾烈な戦いが繰り広げられます。

 アマントの傀儡(かいらい)と化した幕府を擁護する真撰組と、アマントに乗っ取られた日本に対して謀反を企てる高杉一味、そして銀時は、かつて白夜叉としてアマントの軍勢と攘夷戦争を戦った最後の武士で、どちらかと言うと高杉側の人間ですが、彼にとって大切なものは、政治家でも侵略者でもなく、庶民とその暮らしなんですね。それが坂田銀時の守るものであり、それは今もむかしも変わらない。
 銀魂がおもしろいのは、ハチャメチャな大騒動の根底に確かな思想があるからかも知れません。普段はなまけものでぐーたらな彼にとって、国家を巡る覇権争いは、笑える冗談なのでしょう。この作品に描かれる笑いの数々は、銀時が見ている世界観なんですね。
 誰が偉いとか、誰が金持ちだとか、どの国が強いとか、そんなことは銀時にとってどうでもいい、笑える冗談なのです。
 これって、僕たち私たちが概観している現代社会と似ていませんか?

2018年、135分。
原作:空知英秋。
監督、脚本:福田雄一。
出演:小栗旬、菅田将暉 、橋本環奈、柳楽優弥、吉沢亮、佐藤二朗、長澤まさみ、岡田将生、三浦春馬、窪田正孝、ムロツヨシ、キムラ緑子、中村勘九郎、勝地涼、夏菜、戸塚純貫、堂本剛、堤真一ほか。

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