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漫画から萌え文化へ

 むかしむかし、漫画という文化が誕生したばかりの頃、それは必ずしも子ども向けの文化を意識したものではありませんでした。人の特徴をデフォルメしたイラストで、世情やその風刺を視覚的に訴えるユニークな手法として、新聞のコラムや広告に登場し、文字表現よりも直接的な表現力として活躍しました。それが4コマ漫画と言われる、起承転結を4つのシーンで現した短編ストーリーの要素を含んだスタイルになり、漫画はイラストとはまったく異なる文化として発展して行きました。
 日本の漫画文化は、もともと西洋から輸入されたものではありますが、江戸時代の北斎漫画の中に4コマ漫画の手法を用いた作品があり、それを漫画の源流だとする考え方もあるそうです。国外を見てみますと、東洋では4コマ漫画が主流で、西洋には3コマ漫画が多数存在します。それらはさらに発展してストーリー漫画や劇画へと進化します。漫画独特のデフォルメされたイラストであるものの、基本的には写実画を描くのと同じ技能を必要とする緻細で高度な作品が次々に誕生し、現代の主流を占める漫画は、鍛練と高度な技術、センスを要するハイクォリティなものになりました。
 日本では、半世紀以上のむかしから、少年漫画、少女漫画、成人漫画といったジャンルが存在し、少年漫画や成人漫画の代表作は、概して太い輪郭で描かれた写実的な画法を用い、スポ根ものやSFもの、成人漫画ではギャンブルや歴史ものを扱ったものが主流を占め、少女漫画は繊細で独特のタッチで描かれたキャラが演じる恋愛もの、学園ラブコメの作品が多数誕生しました。
 筆者が幼少の頃は、これら3つのジャンルは一見してそれと判るていどに線引きされていて、それぞれの性差年齢にあったジャンルを嗜むことが常識でした。少年が少女漫画を嗜好するのは、たいそうマイナーなことでした。少年が少女漫画を読むなどは、たまたま女兄弟がいて家にあったそれをこっそり見るとか、女友だちの家に遊びに行った際に、それを見る機会に恵まれるとか、そんなことでもない限り、我々男子は少女漫画を読むことはありませんでしたし、読もうともあまり考えませんでした。
 筆者がまだガキんちょだった1960年代前半に、白黒テレビなる魔法の箱が自宅にやって来て、元祖特撮ヒーローだの、魔女っ娘アニメ(当時はテレビ漫画と言った)を放映し始めました。筆者の家でも夜8時頃までと、学校が休みの早朝は、テレビの番は子供の役目になりました。
 テレビ漫画は、雑誌の漫画と事情がちがいまして、家に女の子がいなくても少女漫画を観ることができるわけで、筆者も気づけば魔女っ娘もの各種を自然に観ていました。男のクセに女の観るものを、と眉をひそめていた母も、いつしか一緒に「リボンの騎士」などを観るようになり、「アルプスの少女ハイジ」では少女漫画とは言えない男女兼用のヒロインものとして性差年齢の別なく大勢が楽しむようになりました。
 そして日本のアニメ業界は、1980年代の低迷期を経て、ヒロインが大活躍する名作の出現を皮切りに、数々の美少女ものを輩出するようになり、キャラクターの女性化が支配的になってゆきました。少年漫画であっても繊細な線で描かれた優美な面立ちのキャラが、日本の漫画の常識となったわけです。  世界に名だたる日本の萌え文化は、こうした土壌の上に確立されました。  これは筆者の持論なのですが、オタクとその文化が国内で評価され、オタクたちがそれを自称して恥じないようになったのは、ヨーロッパをはじめ諸外国で日本の美少女アニメが高く評価されたところに依るものが大きいと思います。
 世界から高い評価を受けるようになった日本のアニメは、それからどんどん調子ぶっこいて、様々なヒロインが誕生しました。かつての少年漫画、少女漫画では、男子向けは怪獣や宇宙人が大暴れするのを、破格のパワーを持ったヒーローやロボットが撃退するというスペクタルがもてはやされ、女子向けは普通の女の子が大活躍して周囲を見返しちまうシンデレラストーリーが多かったのですが、萌え文化ブレーク以降は、それが逆転した感があります。女の子がバンバン地球を救いますし、男の子の方がもう少し地味で堅実な魔導師とか、剣客とかやってます。男子ヒーローものでさえも、女子がバリバリ活躍します。エヴァンゲリオンの主人公はシンジ君なのでしょうけど、アスカやレイの方がパンチがあります、よね。
 まぁ、これらの傾向論はあくまで傾向を申しているわけで、そんなことないわい、男子のヒーローも今も頑張ってるなんて反論なさらないように。  要は、そうした日本独特の萌え文化の中で、世界がアッと驚くヒロインがワラワラ誕生することに相成ったと言いたいわけです。  女子中学生が戦隊組んで魔女を分からすんなら、小学生女子だって負けてられへんし、ナースだって、中華っ娘だって、婦警さんだって黙っちゃいない。そしてメイドさんだって屋敷の掃除とお料理の合間に、ふにゃちんなご主人様に代わって殺伐とした武器を手に、地球を救うというちょっとしたアルバイトをしちまうということにわるわけです。
 現在の萌え文化においては、かつての少年漫画的スペクタルと少女漫画的シンデレラストーリーがない交ぜになった、どうしようもないジャンルが出現するに至ったわけです。
 いかがです? そろそろ、秋葉系メイドさん現るの匂いがしてきませんか? 3次元の世界にメイドさんが降臨しなすった事象は、オタクたちにとっては、一般人が思うほど驚異的なものでもなかった、のかも知れませんね。

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