kepopput.jpg

少女邂逅【映画】

2018/09/10


 ミユリは、いじめのせいで声が出なくなりますが、ある時、山の中でカイコの幼虫を拾い、それが彼女の心の拠りどころになります。彼女は幼虫に紬(つむぎ)となづけ小さな箱に入れて持ち歩くようになります。ところがいじめっ子にそれを見つけられ、捨てられてしまいます。
 折しも一人の転校生がミユリのクラスに編入されてきますが、どこか不思議な雰囲気を持つ転校生は名を紬と言い、ミユリは彼女に強く心惹かれます。
 ほどなくしてミユリと紬は仲よくなり、2人だけで長い時間を過ごすようになります。ミユリは言葉を回復し、いじめもなくなり友だちも増えます。
 そして2人は、2人だけの秘密の沖縄旅行を計画します。

 劇中のミユリは、女子高に通う17歳ですが、この映画の題材となったのは、枝優花監督の14歳の時の実体験だそうです。彼女は人前で声を出せなくなる場面緘黙症という障害に苦しんだ経験があるそうです。でも今は回復し、24歳にして映画を作るという快挙を成し遂げています。
 モノトーンの暗い映画です。表現も淡々としており、演出されない素顔の少女たちを見ているようです。表現は日常的ですが、ミユリと紬の間にうごめく感情は幻想的で、非日常に支配されています。紬と名づけたカイコを奪われ、それと入れ替わりに転校してきた紬に、ミユリはあなたはカイコかと尋ね、紬はそれを否定しません。そこから2人の夢と現実が錯綜するような関係が始まります。
 夏休み直前という状況に湧きたちながらも、受験という現実を突きつけられる少女たち、そうした喧騒の中でミユリと紬はこっそり秘密旅行を計画します。それはワクワクするような夢でありながら、現実からの逃避であり、心の中だけで帰結する実現不可能な妄想のようでもあります。

 ミユリは時おり、紬の体から白い糸が飛び出しているのを目撃します。ある時、廊下に落ちている長い糸を見つけたミユリは、それをたどってゆくのですが、その先には紬の心の中を映した抽象世界が広がっています。
 ミユリは、カイコの生まれ変わりである紬に出会って元気を取り戻し、クラスの中でも自分の場所を見つけることができるのですが、そのことは紬にとってミユリが他の少女たちと同じ凡庸へと没して行く歓迎しがたい現象なのでした。
 救いを求めていたのはむしろ紬の方だった、という現実に直面するラストはかなり衝撃的です。

2017年、101分。
監督、脚本:枝優花。
出演:保紫萌香、モトーラ世理奈、松浦祐也、松澤匠、土山茜、秋葉美希、近藤笑菜、斎木ひかる、里内伽奈、

根矢涼香ほか。

コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

目 次
能書き

思うこと全般

けぽっぷ体験

アイドルのこと

韓流映画

番外編


索引 韓流映画&番外編





      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>

サイト内検索

NEW ENTRIES










recent comment

links

プロフィール

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM