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屋敷女【映画】

2018/08/04


 車の運転中に正面衝突事故を起こして4ヶ月後、事故で夫を亡くしたサラは、クリスマス・イヴに独りで臨月を迎えていました。ひどい事故だったにもかかわらずお腹にいた子供は無事でした。
 その夜、サラの元へ訪問者が現れ、車が故障したので電話を貸してくれと依頼します。夫が寝ているので他を当たってくれと言うと、訪問者は、夫は死んだはずだと答え、サラの名前も知っていました。鍵穴からは女性の影が見え、女は激しくドアを叩き続けます。
 警察に通報し、間もなく警官が来ると告げると女は姿を消し、警察官たちが駆けつけた時には、家の周りには誰もいませんでした。警官たちはあとで見まわりを寄越すと言って引き上げ、サラはベッドに入ります。
 いつの間にか家に進入した女は、大きなハサミで眠っているサラの衣服を切り裂き、露出した腹にハサミを突き刺します。痛みに目を覚ましたサラは、女を振り切ってバスルームに閉じこもりますが、お腹の傷のせいで破水し、倒れ込んでしまいます。
 サラが家の鍵を預けている隣人のピエールが訪ねて来て女と遭遇しますが、彼は女をサラの母親と勘違いします。女はピエールにサラはもう寝たといい、酒を勧めますが、そこへ本当の母ルイーズが現れます。ルイーズはサラを求めて2階の寝室に向かいますが娘はいません。そして灯りの点いたバスルームの扉を開けた瞬間、中から鋭利な刃物が飛び出してきてルイーズの首を貫通します。サラが女の攻撃に備えて用意していたヘアスティックが、彼女の母親を殺してしまったのでした。ルイーズの後を追ったピエールも女に殺されてしまいます。
 バスルームを出ようとしたサラに女が迫ります。サラは女の腕にヘアスティックを突き刺し、再び中に閉じこもります。女はドアを開けろと命じながら、駆け寄ってきた猫の首をへし折ります。
 パトカーのサイレンが聞こえると、女は家具でバスルームのドアをふさぎ、顔を洗って警察官たちと対面します。警官たちを上手くあしらった女は、バスルームに引き返し、ドアを開けようとして破れ目から手を出しているサラをハサミで攻撃します。サラの手はハサミでドアに串刺しにされてしまいます。
 しばらくして警官たちが引き返して来ました。通報者が妊婦でなかったことを不審に思ったからです。警官たちは強引に家に上がりますが、女によって殺されてしまいます。1人は針金で目を突き刺され、もう1人は殺された警官が持っていた銃で射殺されました。
 街で暴動を起こした男を拘束するためにパトカーに残っていた警官は銃声を聞くと、拘束していた男と共に家に向かいます。しかし女は家のブレーカーを落とし、闇に潜んで警官を射殺してしまいます。警官と手錠でつながった男も眉間にハサミを突き刺され倒れてしまいます。
 サラはからくもバスルームから脱出すると寝室へ向かいます。ぐったりしているサラに女が近づいてきました。女はサラに熱い口づけをします。サラは女の下を噛みちぎり、階下へ逃れます。台所に逃げ込んだサラは、包丁で自分の腹を刺そうとします。女がお腹の子供を狙っていると思ったからです。

 先日公開された「インサイド」の元になった作品です。リメイク版の和題は、本作の英題をそのまま引用しています。本作の「屋敷女」というなんとも奇妙なタイトルは、1990年代に刊行された日本の漫画「座敷女」をもじったという情報もあります。都市伝説等の心理恐怖を題材にした作品でホラー好きからは高い評価を得ているようですが、一般的知名度はそれほど高くなく、このタイトルを引用した効果は低いと思われます。
 屋敷女というと、不気味な屋敷に住む謎の女といったイメージが思い浮かびますが、本作は得体のしれない訪問者の恐怖を描いたホラーですから、なんとも違和感のあるタイトルです。上述の意図で付けられたものだとしたら、すべったと言わざるをえません。また、日本公開時のキャッチコピー「この女、凶暴につき」はひじょうに印象的で、作品のイメージを良く伝えていますが、元ネタは日本映画「その男、凶暴につき」で、これもちょっと古い作品なので覚えていないあるいは知らない人が多いと思われます。惜しいです。

 リメイク作品「インサイド」では、被害者のサラが主人公で、彼女の視点で彼女が経験した恐怖を描いていますが、本作ではベアトリス・ダルが演じた"女"があまりにも強烈で、主演の影が薄くなっているほどです。いわゆる主役を食った演技というやつですね。
 とにかく女の情念が猛烈です。スプラッター(血しぶき)映画と評されるに値する大流血で見ていて体に激痛が走ります。ほんと痛いです。あたしゃ嫌いじゃないけどね。
 女は自らも深く傷を負いながら、次々と人を殺してゆきます。この鬼は、サラを殺してお腹の子を奪おうとしています。事故で夫を亡くしたサラにとってお腹の子供は唯一の生きる希望です。それを鬼のような女が狙っているのです。ほんと怖いです。
 でも、女を鬼に変えた原因はサラ自身にありました。4ヶ月前のあの事故さえなければ。こんな惨劇はなかったはずです。これは女の車を運転する人たちへの命を賭けた警告です。

 この作品の衝撃は後を引きます。でも見終ったあとひじょうに切ない気分になり、感動さえ覚えてしまいます。受け付けない人にとってはむやみに怖いだけの映画かもしれませんが、筆者はたいへん心を打たれました、名作だと感じました。

英題:Inside。
2007年フランス、82分、同年日本公開。R18+。
監督、脚本:アレクサンドル・バスティロ。
脚本:ジュリアン・モーリー。
出演:アリソン・パラディ、ベアトリス・ダル、ジャン=バプティスト・タブーラン、クロード・ルーレ、ナタリー・ルーセル、フランソワーズ=レジス・マルシャソン、ハイアム・ゼイツウン、タハール・ラヒム、エマニュエル・グエス、リュドヴィック・ベルティロ、エマニュエル・ランジ、ニコラ・デュヴォシェル、エマン・サイディほか。

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