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スクール人魚 その2【コミック】

2018/06/16


 夜の学校で呪文を唱え、人魚にされてしまった新山桜が、血みどろの姿で帰ってきます。好きな彼氏の血を浴びると人間に戻れるのは、人魚姫が愛する王子の血を浴びることで人間に戻れるという西洋の伝説を模したもののようにも思えます。友人の龍ヶ崎忍は、謎を解明するためにあれこれ調べ始めますが、人魚伝説を知った幼馴染の小夜が、忍を好きな西村貴明の心を奪うために呪文を唱えます。
 好きな彼氏のイニシャルを胸につけた人魚の肉を食べると、彼氏を自分のものにすることができる。でも彼氏を好きな女の子が同じことをすれば、彼氏の心はその娘に移ってしまう。この堂々巡りを阻止するために、小夜は忍を夜の学校に誘い、人魚にしてしまおうとします。
 忍はそこで伝説の起源であるQの人魚を見つけ、この伝説を終わらせようとします。忍の母 秀美は、高校生の頃に人魚伝説の犠牲にされそうになったことがありました。女教師の鈴木七恵が、イニシャルRの生徒の心をつかむために同じイニシャルの彼女を人魚にしてその肉を食べようとしたのです。しかし秀美は返り討ちにし、鈴木は負傷して学校を去ります。
 鈴木は、娘の忍の代になって再び現れ、なぜか人魚から生還した桜を狙います。人魚伝説には日本の八百比丘尼(やおびくに)に倣った内容があり、人魚の肉を食べて不老不死を得る、鈴木はそれを狙っていたのです。
 高校生の頃、演劇部にいた鈴木は、親友の久慈翔子と共に劇の題目の人魚伝説の脚本を書いていました。しかし鈴木に彼氏ができた頃から、翔子の態度が変わり、彼女は人魚伝説にのめり込み数々の設定を作ってゆきました。それには西洋の人魚姫、日本の八百比丘尼の要素が取り入れられました。
 人魚が旧スクール水着姿であること、好きな彼氏のイニシャルを付けた人魚の肉を食べると彼氏と相思相愛になれること、呪文を唱えて人魚に遭遇した者は、夜明けまでに人魚の血か肉を口にしないと自分が人魚になってしまうこと、人魚は女の子にしか見えないこと、それらはオリジナルの設定でした。
 この伝説を作った翔子は、自ら最初の人魚になってしまい、鈴木は彼女のために伝説を拡げ、女子高生たちをどんどん人魚に変えていったのでした。

 当初、2巻で完結だったスクール人魚が、コミック5巻まで刊行されました。人魚伝説の起源を描いたお話しの続きを切望していた筆者は、そりゃもう大喜びでした。そして待望のストーリーは想像以上に素晴らしいものでした。吉富昭仁さすがです、恐るべしです。5巻で完結した「スクール人魚」は名作中の名作です。こんなに素晴らしい作品がそれほど知名度も高くなく、アニメ化もされないのは、ひじょうに嘆かわしい。劇場版アニメも創って IMAX 3D 上映してほしい。
 しかしながら、ハルヒやエヴァで超人気作になってしまうと、こっちの熱が冷めてしまうという経験をしていますから、現状が良いのかなぁ、なんて思ったりもします。
 5巻のあとがきには、さらにつづきが描かれる可能性も示唆されていましたし、人魚伝説の起源が解明されたものの、事件はまだすべて解決されたわけではありません。もしかすると、いつかさらに新章が加えられることになるかもしれませんね。

 龍ヶ崎忍は、ひじょうに少ないRのイニシャルをもつために、母の代では鈴木に狙われ、新章では彼女自身がQの人魚に狙われます。それは、久慈翔子が人魚が人間に戻るもう1つの方法として、自分のイニシャルの次の文字の人魚を食べるという設定を加えたためです。であればWやZのイニシャルの少女は元に戻る術がないことになりますが、その程度の理不尽はあってよいと翔子は言っています。
 新章では、旧章で人魚伝説に遭遇した少女たちの次の世代の少女たちの物語が展開しますが、前世代に女教師として登場した鈴木は、前世代の少女たちが大人になり次世代の少女たちが高校生になっているのに若々しい姿のままです。それは人魚伝説の八百比丘尼の効力によるものですが、それは単に人魚の肉を食べるというものではなく、人魚から生還した少女を海に放って人魚にしてその肉を食らう必要があるようです。しかも効力は永遠のものではなく、鈴木は次の獲物である新山桜を狙ったわけです。
 お話しはさらにさかのぼって、鈴木の高校生時代になるわけですが、そこでようやく人魚伝説の起源が明らかになります。
 けっこうネタバレしてしまいましたが、龍ヶ崎忍や新山桜がどうなるのか、人魚伝説の顛末がどなのかについては本編を読んでください。

 1〜2巻では、1話完結のエピソードが並ぶ短編集でしたが。その中の秀美と七恵のエピソードが大きく膨らみ、新章では秀美の娘の世代へと受け継がれます。鈴木七恵は、八百比丘尼伝説を実践したために若い容姿をしていますが、秀美とは教師と生徒の関係ですから、秀美の娘の忍からすると祖母の世代になります。
 話しは鈴木七恵の高校時代にさかのぼり、人魚伝説の起源がついにあきらかになるわけですが、最初は短編集だったものが新章では大河小説のような内容へと発展し、読者を脅かせてくれました。
 この作品は、吉富昭仁の最高傑作だと思います。

2016年9月号よりチャンピオンREDにて再開。
著者:吉富昭仁。
コミック5巻。

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