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アンタッチャブル【映画】

2018/06/17


 1930年、禁酒法時代のシカゴ。マフィアによる酒の密売と勢力争いで街は殺伐としていました。財務省から特別捜査官として派遣されたエリオット・ネスは、マフィアのボスであるアル・カポネを検挙しようと、大勢の警察官を動員して捜査を進めますが、一向に成果が上がりません。
 街頭で初老の巡査ジミー・マローンに出会ったネスは、マローンがその年になってもいまだに街の警邏をやっていることに首をかしげますが、そのわけは彼こそが正しい警察官であるからでした。地元警察がマフィアとの癒着ですっかり腐敗しているなか、マローンは正義を貫いていました。
 ネスは、彼を味方に取り入れ、加えて警察学校からジョージ・ストーンを引き抜き、ネスの部下として派遣されたジミー・ウォレスも加え、4人でカポネ特捜班を結成します。
 街の裏事情に詳しいマローンの手引きで4人は郵便局を急襲し、多数の密売酒を押収します。大量の逮捕者を出した4人の業績は新聞で大きく取り上げられ、アンタッチャブル(手出しできない奴ら)の異名をとどろかせることになります。しかしそれでカポネの怒りをかった彼らは、殺し屋に命を狙われることになります。ネスは、家族をマローンの知り合いの元に避難させ、捜査を続けます。
 ウォレスの調査でカポネを脱税容疑で検挙する方針を決めた4人は、カナダ国境の酒の取り引き現場を押さえて帳簿を手に入れます。帳簿は暗号化されていましたが、それを解読できる証人を確保し、これでカポネを追いつめようとしますが、カポネが雇った殺し屋ニティが警察署のエレベータの中でウォレスと同時に証人を消してしまいます。
 ニティは次にマローンの自宅に侵入し、彼を殺害しますが、銃声の報せを聞いて駆け付けたネスに、マローンは最後の力を振り絞って帳簿係の情報を伝えます。
 ネスとストーンは、高跳びしようとする帳簿係を駅で押さえ、カポネに対して逮捕状を取りつけます。
 大勢の警察官を巻き込んだ賄賂事件の裁判が始まりました。そして判決の日、カポネは余裕の笑みとあくびを繰り返しています。陪審員はすべて金で回収していたのです。

 サイコ・サスペンスの巨匠ブライアン・デ・パルマ監督が、シカゴのギャングの首領アル・カポネと戦ったアンタッチャブルたちの活躍を描いた超大作です。名作も長い時間が経つと古びて色あせてしまいがちですが、そうした中で、いつまで経っても鮮烈な輝きを放ち、今から観ても心を打たれる名作というものがあります。この作品もそのひとつで、30年以上経った今なお古びた感じがまったくしません。つい最近作られた時代劇、そんな印象を今も保ち続けています。
 エンニオ・モリコーネによる音楽がまた強烈です。彼の音楽を知ったのは1960年代のマカロニ・ウェスタンですが、今年(2018) 90歳になる今も音楽作りを続けており、最近の映画でも彼の名を目にします。ブライアン・デ・パルマ監督も1960年代から映画作りをしていますが、筆者が彼の作品に触れたのは、1970年代のサスペンスの名作の数々ですね。

 アル・カポネと警察やFBIとの戦いを描いた作品はたくさんありますし、「アンタッチャブル」はテレビシリーズにもなりました。この作品はそのリメイクとされています。シカゴのほとんどの警察官や権力者を金で抱き込んでしまったギャングのボスに4人のチームで立ち向かうなんてすさまじいですね。ギャングもさりながら身内に寝首をかかれそうです。アンタッチャブルの活躍は、JFK暗殺事件で政府に立ち向かったジム・ギャリソン検事のそれに似ていますが、奇しくもオリバー・ストーン監督の「JFK」の中でジム・ギャリソンを演じたのも、本作品のエリオット・ネス役のケビン・コスナーでした。

 夜のシカゴ駅で、高跳びしようとする帳簿係を押さえるために待ち伏せしているネスとストーン。そこへ乳母車と大荷物を抱えた婦人が通りかかり、階段を登るのに苦戦します。ネスは思わず彼女に手を貸しますが、そこへ帳簿係と護衛のギャングが現れます。この緊迫したシーンは、デ・パルマらしさが最もよく現れています。
 マローンは、ネスにあれこれ指南すると最後に「授業終わり」と結ぶのですが、これをネスは最後にカポネに付きつけます。じつに爽快ですね。
 この映画を観たほとんどの人はアンタッチャブルの勇気を称賛することでしょう。しかしながら現実社会では人々は勇気ある行動は人任せにし、自らは無能を装い、目先の分だけを見つめ、巨悪から目をそらし、知らずその悪事に加担しています。現在、カポネのような表立った悪の存在は見当たりませんが、悪はより凶悪になり、私たちに寄り添い、人間社会を蝕んでいます。人々は都合よくそれに気づかぬふりをし、腐敗のツケを次世代に押し付けて勝ち逃げしようとするばかりです。恐るべきは権力者や資産家ではなく市民そのものだと、最近つくづく思います。

原題:The Untouchables。
1987年アメリカ、120分、同年日本公開。
監督:ブライアン・デ・パルマ。
脚本:デイヴィッド・マメット。
出演:ケヴィン・コスナー、ショーン・コネリー、チャールズ・マーティン・スミス、アンディ・ガルシア、ロバート・デ・ニーロ、リチャード・ブラッドフォード、ジャック・キホー、ブラッド・サリヴァン、ビリー・ドラゴ、パトリシア・クラークソンほか。

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