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ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間

2018/05/22


 1990〜1991年にかけて上映されたテレビシリーズの前日譚、すなわちローラ・パーマが殺されるまでの1週間を描いた劇場版作品です。ビニールシートに包まれ川に流されたローラの死体は世界一美しい死体という奇妙な形容が施され有名になりました。
 もう28年も前の作品なので、知らない人も多いかもですが、当時あまりにもシュールで異様なドラマに様々な意見が飛び交いました。そして現在に至るまで、これほど不可思議なドラマは作られていない気がします。シュールレアリスムと称して現実とはかけ離れた世界を描いたものは、筆者の記憶に残るものとしてはフェデリコ・フェリーニ監督の「サテリコン」や「アマルコルド」「世にも奇怪な物語」、デヴィッド・クローネンバーグ監督の「ビデオドローム」「裸のランチ」などを思い出しますが、ツイン・ピークスは基本的には推理もので、殺害されたローラ・パーマの事件を追う捜査官デイル・クーパーがツイン・ピークスという町で経験したことを描いており、シュールレアリスム作品とは異なります。筆者も最初はこの作品(テレビシリーズ)が、シュールな展開になることを予想していませんでした。明らかに異常な日常を描いたものというわけではないのに、現実がどんどんゆがめられてゆき、最後には夢のようなSFのような結末を迎えてしまいます。
 しかしながら多くの批評家たちの感想はとても好意的で、筆者も独特の狂気に魅了されました。
 テレビシリーズでは、ローラ・パーマは冒頭で死体となって登場しますが、ドラマ終了後に公開された劇場版では、ローラ・パーマ最後の7日間(話題サブタイトル)と称して、生前の彼女の姿が描かれます。

 最初にビニールで包まれたテレサ・バンクスという少女の遺体が発見され、捜査官デズモンドとスタンリーが現場に赴きますが、デズモンドはテレサの住んでいたトレーラーハウスで唐突に姿を消してしまいます。それと入れ替わるように行方不明になっていたジェフリーズ捜査官が出現し、事件の背景にある謎を示唆して消えます。
 その1年後、ツイン・ピークスでのローラ・パーマ殺害事件が起きるわけですが、生前の彼女は誰もがうらやむ美貌の持ち主で、通っている高校でもみんなの憧れの的でした。
 しかし彼女は常に何かに怯え、それをまぎらすようにドラッグや危険なセックスに明け暮れる奔放な生活を送っていました。ある時、秘密の日記帳が破られているのに気づいた彼女は、ボブという謎の男が犯人で、そいつが家の中に進入しているのを目撃し、慌てて外に飛び出します。そして続いて出てきたのは父のリーランドでした。以来彼女は父を恐怖するようになります。
 次の日の夜、彼女はいかがわしいクラブに出かけ、快楽に身をゆだねますが、彼女を心配して付いてきた親友んもドナも男たちに弄ばれているのに気づき、彼女を助け出します。
 ローラのドラッグ仲間のボビーは、殺されたテレサとも仲間でした。ボビーは取引相手のクリフを誤って射殺してしまい、目撃者のローラはそれを見て笑い転げます。
 恋人のジェームズに呼び出された彼女は、途中で彼から逃れ、森の中に駆け込み知人のキャビンに進入しますが、そこは乱交パーティの真っ最中でした。そしてそこへ、ローラが恐れていたボブが近づいてきます。

 劇場版が、テレビシリーズほど高評を得なかったのは、観客の期待していたような奇妙な映像ではなかったからのようです。とうてい理解の及ばない意味不明な不思議世界に魅了された観客たちは、ローラ・パーマの奔放な日常が淡々と続く前半ですでに幻滅させられたようです。彼女が子供の頃からつけていた秘密の日記のページが怪人ボブに奪われるあたりから、ローラは徐々に狂ってゆき、テレビシリーズの異常な雰囲気も蘇ってくるのですが、シュールさは控えめでした。テレビシリーズで筆者が衝撃を受けた、カレル・ストルイケン演じる身長3mの男も登場しませんでしたし。
 筆者は公開当時にこれを劇場で観たのですが、改めてDVDで観てみますと、なかなか悪くなかったです、これが。そしてこの劇場版は、25年の時を経てテレビシリーズ「ツイン・ピークス THE RETURN (2017)」として蘇りました。そのうち観てみようと思います。前作のテレビシリーズも見直したいのですが、なかなか時間がなくて……。時系列的には、劇場版、旧テレビシリーズ、新作シリーズとなります。

原題:Twin Peaks: Fire Walk with Me。
1992年アメリカ/フランス、135分、同年日本公開。
監督、脚本:デイヴィッド・リンチ。
脚本:ロバート・エンゲルス。
出演:カイル・マクラクラン、デイヴィッド・ボウイ、キーファー・サザーランド、デイヴィッド・リンチ、クリス・アイザック、ハリー・ディーン・スタントン、シェリル・リー、レイ・ワイズ、モイラ・ケリー、ジェームズ・マーシャル、ダナ・アシュブルック、パメラ・ギドリー、フィービー・オーガスティン、エリック・ダレーほか。

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