kepopput.jpg

シェイプ・オブ・ウォーター【映画】

2018/04/12


 米ソの冷戦時代の1960年代、アマゾンから半漁人がアメリカ政府の研究施設に搬入されます。清掃員として同施設に勤務していたイライザは、偶然その未知の生物の姿を見てしまいますが、全身ウロコに被われた不気味な容姿に怯えることもなく、接触を試みます。
 その生物が管理されている場所を覚えた彼女は、軍関係者や研究員の目を盗んで度々彼と会ううちに、心を通わせるようになります。彼女は耳は聞こえるものの声帯をつぶしていて言葉を発することができません。でも、その生物とのコミュニケーションに言葉は不要で、ゆで卵を与えたり、レコードで音楽を聞かせたりしながら、親しくなってゆきます。
 研究員を装って施設に潜入していたソビエトのスパイが本国に情報を伝えると、ソビエトは未知の生物の抹殺を命じます。一方アメリカ側も飼育を中止して解剖しようとします。
 イライザは、彼を施設から救出する決心をします。

 ひじょうにアンティークな雰囲気の漂う、おとなのメルヘンです。政府の極秘施設に運び込まれた半漁人は、もちろん言葉を話せませんが、清掃員のイライザもまた声を発することができません。種族を越えた2人は、密会を通じて次第に惹かれあうようになります。しかし、非情な運命は2人を引き裂こうとします。イライザは清掃用具のゴンドラに彼をかくまい、施設から連れ出すことに成功します。同僚のゼルダは彼女を止めようとしますが、最後は彼女に協力しています。
 イライザの家に連れてこられた半漁人は、小さな浴室で過ごすことになりますが、そこは彼にとって健康を維持できる場所ではありません。イライザは、近くの川が雨で水かさが増す時期を見計らって彼を逃がすことにします。しかし軍の責任者の執拗な捜索が迫ってきます。

 言葉を話さないイライザと半漁人の、なんとも神秘的な恋の物語です。イライザは声を上手く出せないために人とのコミュニケーションが思うようにゆかないのですが、はるかアマゾンから連れてこられた異人とは、心が通じ合うことができたのでした。
 2人のロマンスの前に、研究所の職員や軍人たちはまるで機械人形のように見えます。国のため、組織のため、その大義名分のために人の感情が消え失せ、命の価値がたいへん軽くなってしまいます。それはあまりにも愚かしく滑稽な人形劇で、それを背景にイライザの恋はことさら美しく情愛に満ち、半漁人もひじょうに人間的な存在として浮かび上がります。
 水中で半漁人と共に裸で戯れるイライザが、とても美しく幻想的なのに、周りの人間たちよりもリアルに見えます。嵐のような人間社会のしがらみの中で、自分を見失っていませんか。日常の喧騒と忙しさから、たまには解放されて雨と海の中のロマンスに濡れてみてください。

原題:THE SHAPE OF WATER。
2017年アメリカ、124分、翌年日本公開。
監督、脚本:ギレルモ・デル・トロ。
脚本:ヴァネッサ・テイラー。
出演:サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス、ダグ・ジョーンズ、マイケル・スツールバーグ、オクタヴィア・スペンサーほか。

コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

目 次
能書き

思うこと全般

けぽっぷ体験

アイドルのこと

韓流映画

番外編


索引 韓流映画&番外編





    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>

サイト内検索

NEW ENTRIES










recent comment

links

プロフィール

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM