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黒崎君の言いなりになんてならない【映画】

2018/03/10


 親の転勤で高校は寮生活を送ることになった赤羽由宇は、これまでの引っ込み思案でダメダメな生き方を一新できると張り切っていましたが、同じ高校生にして副寮長の黒崎晴人に目をつけられてしまい、彼の奴隷にされてしまいます。由宇は、晴人の命じられるままに寮の施設を掃除し、草刈りに精を出す毎日でした。そこへ白河タクミこと学園の王子様が現れ、彼女に優しい言葉をかけます。
 タクミと晴人はじつは幼馴染で、女子生徒たちからはタクミが白王子、晴人が黒王子と称され、それぞれに熱烈なファンがいました。そんな2人が同時に由宇に急接近して来たわけですから、彼女は女子生徒たちから妬まれることになります。
 ある時、親友の芦川芽衣子が晴人に思いを寄せていることを知った由宇は、芽衣子の恋路を応援しようとするのですが、そのうち自分の晴人への思いに気づいてしまいます。

 学園の2人の王子に愛されてしまう少女のドタバタを描いた、学園ラブコメです。これは筆者のようなジジィに観る資格のない作品です。女子中高生限定の禁断のエリアです。それは電車の女性専用車に立ち入るような、女子会に乱入するような、犯罪行為とは定義されずとも、公序良俗に反する破廉恥行為であります。本人が蔑視され赤恥をかくのは勝手だが、周りにも不快な思いをさせる、そんな行ないであります。
 そうと知りつつ、なぜに禁忌を犯したのかを言いわけさせていただきます。ネット予約で誤ってチケットをとってしまった、まちがったシアターに入場した、内容を知らずに観てびっくりした、そのいずれもちがいます。筆者は予告編をチェックし、内容を把握したうえでチケットを取り劇場に赴きました。理由は女子高校生の心理描写それもできれば醜い部分を観察する必要に迫られていたからです。もう20年以上前に書いたSF小説のシリーズ化を計画していて、それに登場する女子中高生キャラにリアリティを与えるには、筆者の知らない世界を覗いてみるのが最良の方法であったからです。女性の醜い部分を描写したいわけではありませんし、生々しいキャラ描写に心血を注ぐわけでもありません。しかしながら、女子の表層的な魅力だけをピックアップしてもキャラが薄っぺらいものになってしまいます。
 コメディのようなデフォルメされたキャラを描くにせよ、美化された部分だけを描くにしろ、その裏側にあるものを知らずに書くと、小説のキャラを大根役者にしてしまいます。
 ならば、女性の交友関係や職場仲間を観察すればよろしかろう、と思うかもですがそうとも限りません。虚構のリアリティと現実のリアリティは同じではありません。

 言い訳はこれくらいにして、この作品の感想ですが、ひとことで申せば予想に反しておもしろかったです。DVDを借りてもう1度観てみるほどに。
 ドSキザ野郎の黒崎君には、イラっとさせられました。童顔で甘いマスクなのに大人目線のキザ野郎の白河君にもムカっとさせられました。この黒白両王子は、おじさんには好かれないタイプですね。しかし、そんな彼らの偽らざる心理や2人の少年時代からの経緯が明かされてゆくうちに、イラムカがどんどん希薄になってゆきます。上手い描写だと思いました。2人は由宇を取り合って争いますが、それはまた2人の熱い友情の裏返しであったりします。
 ちょっぴりとろーんとした目つきで、2人の見つめる由宇も良い味を出しています。彼女のキャラは女子的には見ていてどうなんでしょうね。彼女はあまり感情の起伏が激しくなくて、黒王子の横暴に服従するのもそれほどつらそうには見えません。見えないだけでそうとう頭には来てるんですけどね。そして白王子の優しさにはポワーンとなってしまうわけですが、熱烈な反応を示すわけでもありません。なんだかちょっと不思議キャラです。筆者にはそのように見えました。
 黒崎君信者の梶祐介という寮生は、女だったら絶対に黒王子に恋してると宣言するほど黒崎君にぞっこんです。幼い頃にいじめられていたところを助けてもらった経験があるそうですが、このキャラ立ては女性目線だなぁと感じました。そもそもこの作品自体が女の子目線のロマンスではあるわけですが。

 とにもかくにも、筆者のような人間には、たとえ自分が40年若かったとしても、まったくもって無縁の世界でした。想像だにしえない、虚構として描くことも叶わぬ、未知の世界でした。同じ人間でも生き様や感じ方に大きな隔たりがあることに今さらながら驚異を覚えた次第です。

2016年、93分。
原作:マキノ。
監督:月川翔。
脚本:松田裕子。
出演:中島健人、小松菜奈、千葉雄大、高月彩良、岸優太、岡山天音 、中村靖日、池谷のぶえ、川津明日香、鈴木裕乃、北村優衣、長谷川里桃 、黒崎レイナ、山崎あみ、鈴木美羽ほか。

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