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祈りの幕が上がるとき【映画】

2018/03/01


 東京都葛飾区にあるアパートで女性の絞殺死体が発見され、アパートの住人越川睦夫も行方不明になっています。松宮刑事らの調べで被害者の女性の押谷道子が舞台演出家の浅居博美を訪ねて上京したことが判ります。しかし浅居博美と越川睦夫の接点が見当たらず捜査は難航します。そんな折り、新たに男の焼死体が見つかり、松宮刑事は2つの死体の関連性を直感的に嗅ぎつけます。
 友人で日本橋署勤務の刑事加賀恭一郎にそのことを話すと、刑事の感を信じろ、犯人は証拠となるようなものを処分している可能性が高いとのアドバイスをくれ、再捜査を行なったところ、2つの死体の関連性が浮上します。
 松宮刑事から、事件の有ったアパートに日本橋付近の橋の名を記したカレンダーが残されていたことを聞いた加賀恭一郎は、それと同じものを彼が知っていることを松宮に告げ、事件の捜査に加わります。月ごとに橋の名を記したカレンダー、それは加賀恭一郎が子供の頃に家を出て、最近になってひっそりと孤独死していたことが発見された彼の母親の遺品と同じものだったのです。
 加賀恭一郎は、越川睦夫が母親と密かに逢引するのにそのカレンダーを使っていたと推理し、各橋を回り、橋の写真資料を漁り、独自の捜査を始めます。
 聞き込みのために浅居博美を訪れた松宮は、彼女の仕事場から剣道着姿の加賀恭一郎の写真を発見、2人が過去に関係があったことを知ります。
 こうして事件は、加賀恭一郎の母の失踪、そして浅居博美の壮絶な幼少時代へとつながってゆきます。

 サスペンスの大家 東野圭吾の新参者シリーズの最後の作品を映画化したものです。筆者はこのシリーズをまったく読んでいませんでしたし、過去にテレビシリーズ化あるいは映画化されたものもチェックしていませんでしたから、最初は観る予定がありませんでした。でも主演の阿部寛も好きですし、予告編もおもしろそうだったので、つい観てしまいました。
 これまでのシリーズをまったく存じあげなくても充分に楽しめました。素晴らしい作品です。松本清張原作の映画「砂の器(1974)」を思い出しました。ひとつの殺人事件をひも解いてゆくと、ひとりの人生のつらく悲しく壮絶な過去が明らかになります。砂の器ではピアニストにして作曲家として大成した男の半生が明らかになりますが、この作品では舞台演出家として名を上げた浅居博美の幼少時代がつまびらかにされます。
 そして彼女が過去に加賀恭一郎に会いに行った理由は、何だったのか。母の消息を求めて16年間も日本橋署に根を下ろしていた加賀恭一郎の過去とも、事件はつながってゆきます。
 人間関係がなかなか複雑ですし、加賀恭一郎と松宮脩平という2人の刑事がそれぞれ同じ事件を捜査します。それに様々な人間ドラマが次々と出てきますし、登場人物たちの幼少時代へと時間が飛びますが、ストーリーを見失うことはないでしょう。時間的空間的にこれだけ幅のある物語を、解りやすく構成した製作陣の手腕はさすがだと感じました。
 それと、泣きます。ハンカチ2枚は用意しておきましょう。新参者シリーズをずっと見てきた人にとっては、これが最後ということで感動も一入なのではないでしょうか。
 阿部寛というと、年季が入ってからはコミカルな演技にも定評がありますが、シリアスものもこなせるんだ、そんなことを思いました。

2018年、119分。
原作:東野圭吾。
監督:福澤克雄。
脚本:李正美。
出演:阿部寛、松嶋菜々子、溝端淳平、田中麗奈、キムラ緑子、烏丸せつこ、春風亭昇太、音尾琢真、飯豊まりえ、上杉祥三、中島ひろ子、桜田ひより、及川光博 、伊藤蘭、小日向文世、山崎努ほか。

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