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羊の木【映画】

2018/02/27


 海に面した辺境の町魚深市の市役所職員の月末一は、課長の命で6人の転入者の受け入れに奔走します。転入者たちには市が仕事を世話し、月末はそのひとりひとりを迎え入れ、新しい職場へ案内します。
 福元宏喜は、おどおどした落ち着きのない男で、理髪店に勤めることになります。
 大野克美は、老齢のヤクザですが、クリーニング店で働くことになります。
 杉山勝志は、ひとくせありそうな悪人風の男で、釣り船屋の仕事に就きます。
 太田理江子は、ひじょうに神経質そうな女性で、養老施設の看護師になります。
 栗本清美は、こころを閉ざした無口な女性で、市の清掃員になります。
 宮腰一郎は、表情のないつかみどころのない性格の男性で、宅配業者になります。
 6人はいずれ劣らぬ風変りな様相を呈した男女ですが、月末は彼らがすべて殺人犯で、政府の要請で市が彼らを受け入れることになったということを知らされ、愕然とします。多くの犯罪者を抱えた刑務所の飽和状態を緩和することと、田舎町の過疎化を防ぐ一石二鳥のプロジェクトで、計画はあくまで実験であり極秘裏に行なわれるとのことです。
 2年間の仮釈放生活で、受刑者たちが問題を起こさず町に溶け込むことができれば、実験は成功ということになります。

 ひじょうに興味深いシチュエーションですね。暗澹としたモノトーンの作品ですが、予告編を見て、これはぜひ観に行かねば、そう感じました。
 福元は、常に落ち着きなく剃刀を持つ手も震える小心者ですが、祭りの夜に酒乱であることが発覚します。大野は筋金入りの極道で、強面のせいで客を怖がらせますが、女店主は次第に彼を認めるようになります。杉本は退屈な田舎暮らしは耐えられないとうそぶき、今にも問題を起こしそうです。太田は養老施設で世話になっている自分の父親ほど年上の老人を好きになりますが、その老人は月末の父親です。栗本は誰とも打ち解けず、自分が怖いなどと不可解な発言をします。宮腰は月末と友人になり、一緒にロックバンドを組みますが、バンド仲間の石田文と付き合い始めます。石田文は月末が以前から思いを抱いていた女性でもあります。
 魚深市には、のろろ様という土着信仰があり、海から上がってきたのろろ様をお迎えする祭りは、奇祭としても知られています。海から上がり町を練り歩くのろろ様を白装束の男たちが警護し、その間「のろろー」と唱和し続けます。住民は戸締りをしそれを見ることを禁じられます。この祭りに、転入者の男たちも参加することになります。
 そして港に変死体が上がります。謎の転入者たちは、なんとか町に溶け込もうと努力していましたが、彼らが来る前には殺人事件などありませんでしたから、町は騒然となります。

 おもしろいシチュエーションなのですが、主人公の月末と友人関係になった宮腰以外の以外の転入者の顛末がひじょうに希薄です。彼らの存在がほとんど意味を持ちません。また、殺人事件があってからの住民の反応というのも描かれておらず、転入者たちがどうなるのか、町がどうなってしまうのかについても何も描かれていません。内容がおもしろいのに観終わった感想はとっても消化不良でした。題材が素晴らしいだけに惜しいです。
 旅人たちが奇妙な現地人たちに遭遇して怖い目に遇う、あるいは平和な町に奇妙な闖入者が現れる、そうしたサスペンスの、この作品は両方の側面を備えています。のろろ様の土着信仰なんてじつにミステリーです。でもその両方が充分に活かされなかった気がします。

 映画は原作(漫画)とはお話しが異なるとのことで、原作を読んでみたい思いに捕らえられましたが、ネットで調べてみると絵柄が筆者としてはかなり苦手なタッチだったので、たぶん読まないと思います。

2018年、126分。
原作:山上たつひこ、いがらしみきお。
監督:吉田大八。
脚本:香川まさひと。
出演:錦戸亮、木村文乃、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平ほか。

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