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地球の放課後【コミック】

2018/02/10


 ファントムという黒いゴーストが人々を飲み込んでしまうという現象が世界中に蔓延し、短期間で地球から人がいなくなってしまいます。誰もいなくなった地球には、町がそのまま残され品物もあふれていましたが、人という人がみんな消されてしまいました。
 そんな人類不在の町に、川村正史、早苗、八重子、杏南(あなん)の4人が取り残され、偶然に出会い、4人の共同生活が始まります。それは地球の放課後のような休暇状態で、正史はきっとみんな帰ってくる、そう信じていました。
 早苗はまじめでメガネっ娘の高校生。いつもセーラー服を着ています。生真面目な性格とは裏腹にナイスバディの持ち主で、そのことを八重子にからかわれています。八重子はポニーテイルの快活少女、同じく高校生。彼女は人類存続のために正史の子を作ることを真剣に考えていますが、性的関係については経験がないようです。杏南は奇行が目立つ変な小学生、でもある時、彼女の特異な数学の才能明るみになります。
 この4人のほかにも、正史の妹の清美、彼が通学路で知り合った少女、八重子が通っていた高校の教師でファントムの研究をしていた平川、といった登場人物が出てきますが、清美は4人の夢にも出てきたりします。

 筆者がこれまで愛読してきた吉富昭仁作品は、少女たちの日常に変な事件が起こったり、少女たち自体がちょっぴり奇妙だったりし、そうした世界観がとても可愛くて惹かれました。この作品にもそんな
吉富ワールドは色濃く残っているのですが、世界から人間が消えてしまうというひじょうにスケールの大きなお話しになっています。大きなお話しなのですが、メインになる登場人物は4人と、こじんまりしています。
 人々を次々に飲み込んでいったファントムとは、いったいどんな現象だったのでしょう。正史のいうように人々はいつかかならず帰ってくるのでしょうか。地上に取り残された4人が偶然に出会って共同生活を始めることになったのは、ほんとうに偶然だったのでしょうか。正史は、数学界の難問とされるコティヤール予想の第7段階を高校生にして解いた天才で、他の女の子たちも数学に関してはずば抜けた才能を持っています。これも偶然だったのでしょうか。
 4人は、人のいない街を探索し、食べ物や生活用品を調達し、自分たちの暮らしに潤いを加えて行きますが、それと並行して様々な疑問が少しずつ核心に近づいてゆきます。

 最初は、何らかの事情で人がいなくなった地球でサバイバル生活を送ることになった少年少女の、のんびりとした漂流記、そんなイメージで読み始めたのですが、話しが進むにつれて、かなりハードでシリアスなSFへと変貌して行きました。
 そして解き明かされるファントムと人類消滅の謎、人類の未来の行方、数学の天才の4人が集まった理由。おもしろいですね。吉富ワールド恐るべしですね。
 誰もいない街を独占するという贅沢と、人類滅亡の恐怖が背中合わせになった異色作です。とがめる者がいない自由で気ままな放課後と、やがて自分たちもファントムに消されてしまうという恐怖が隣り合わせになっていて、そのつかみどころにない世界で、少年少女は泣き笑い奮戦します。そうして、事態をなんとか打開しようとした人たちの記録に触れ、自分たちの成すべきことを知ることになります。

2009〜2012年、チャンピオンRED(秋田書店)
コミック6巻。
著者:吉富昭仁。

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