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鋼の錬金術師【映画】

2018/01/25


 幼くして高度な恋記述を極めたエドとアル兄弟は、急逝した母を生き返らせるべく禁断の錬金術"人体錬成"を試みますが、それは失敗に終わり、兄のエドは片足を失い、弟のアルは体のすべてを失ってしまいます。エドは自分の右腕を犠牲にして弟の錬成を試み、部屋にあった甲冑に彼の魂をつなぎとめます。
 時が経ち、成長した兄弟は、弟の体を取り戻すために賢者の石を求めて旅をしていました。しかし賢者の石を求める者は、多くの敵を作り、謎のホムンクルス(人造人間)たちに命を狙われることになります。
 軍の東方司令部に合流したエドと甲冑姿のアルは、ハクロ将軍から賢者の石の情報を得て、キメラ(合成獣)の研究家タッカーを訪ねますが、タッカーは軍公認資格を維持するために研究をあせっている様子でした。アルをそこに残し、エドは弟や彼の手足のメンテナンスをしてくれているウィンリーと共にかつて軍の研究所にいたマルコ―博士を探しに行きます。
 マルコー博士は、軍が行なっていた研究には2度と関わりたくないとエドたちを退けますが、軍の旧研究施設の場所を突き止めたエドたちは、そこへ向かいます。そしてそこには触れてはならない軍の秘密の研究が眠っているのでした。

 原作は2001〜2010年に渡って連載されたコミックで、2003年と2009年にアニメ化されており、海外でもひじょうに人気のある作品ですが、筆者はコミックもアニメも触れたことがありませんでした。今回観に行った実写版劇場映画は、知人の紹介で観ることになりました。
 というわけで、何の前知識もないままに映画を観たわけですが、錬金術で悪者退治をする、そんな内容を想像していたので、錬金術で失った弟の体を取り戻すための兄弟の旅というお話しには面喰いました。聞いていたダークファンタジーのイメージはなく、兄弟愛のいい話しじゃないか、そんなふうに感じました。
 原作の舞台は仮想19世紀産業革命時代のヨーロッパで、ロケはイタリアで行なわれたそうです。ローカルで前時代的な風景が素晴らしいです。そこに見事に融和した迫力のCGがハガレンの世界観を見事に再現しています。
 キャラクターもよかった。軍の精鋭たち、かっこいいですね。温厚な感じのラクロ将軍(小日向文世)、炎の錬金術師マスタング大佐(ディーン・フジオカ)、優しくて聡明なヒューズ中佐(佐藤隆太)、ボークアイ中尉(蓮佛美沙子)は精鋭中の精鋭って感じです。科学者ショウ・タッカーとドクター・マルコーが大泉洋と國村隼なんて脇固めもすごすぎます。悪役ホムンクルスのボス・ラストを演じた松雪泰子の妖しさと迫力はさすがとしか言いようがありません。

 錬金術というのは、化学的な魔法みたいな存在で、思いのままに物質を変容させる際に等価交換の原則が必至という点がひじょうに学術的です。錬金術は現代の科学では想像の産物にすぎないということになってしまうのでしょうが、その考え方の一部は、産業革命以降の科学技術の概念の基礎を成すものだったと言えるでしょうね。
 この映画に登場する錬金術は、石を金に変えるような鉱物変成ではなく、動物を合成したり、人造物に命を与えたりと生命を弄ぶひじょうに恐ろしい分野の錬金術です。このあたりがダークファンタジーたるゆえんですね。
 死んだ母を蘇らせたいという思いから、幼少のエドとアルは人体錬成という禁断の術に挑みますが、それは失敗に終わり、弟のアルフォンスは体を失くしてしまいます。アルの魂は大きな空っぽの甲冑を代用の体として生き続けていますが、彼の本当の体は異次元の閉塞的な空間に幽閉されていて、そこにはセフィロトの樹みたいなものがありました。アルの体は悲しそうにうずくまり、生きているのと同じように成長しているようでした。あの宗教じみた描写はなんなのでしょう。あの空間はなんなのでしょう。肉体をつなぎとめているのですから霊界ともちがうようですし。なんとも不思議な世界観です。

 原作コミック、あるいはアニメを知る人たちの中には、不満な点があれこれあったそうです。筆者にこの映画を紹介してくれた知人は、ネット上の低評価を見て興味を持ったというひねくれようでしたが、原作を知らない筆者は楽しめるかもしれないともおっしゃっていました。その言葉通り、筆者にとってこの映画は予想を大きく上回るおもしろい作品でした。
 映画が素晴らしかったので、コミックやアニメを観るのがはばかられます。映画のキャラがあまりにも素敵だったので、そのイメージを壊されるのが怖いからです。原作に慣れ親しんできた人が映画を観て幻滅するのと同じですね。小説があれば読んでみたいです。

2017年、133分。
原作:荒川弘。
監督、脚本:曽利文彦。
脚本:宮本武史。
出演:山田涼介、本田翼、ディーン・フジオカ、蓮佛美沙子 、本郷奏多、國村隼、石丸謙二郎、原田夏希、内山信二、夏菜、佐藤隆太、小日向文世、松雪泰子、水石亜飛夢、大泉洋ほか。

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