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ノック・ノック【映画】

2018/01/11


 妻子が不在になり数日間ひとり暮らしをすることになったエヴァンの家に、2人の若い娘が訪ねてきます。知人の家を探しているのだが、タクシーにまちがった住所に連れてこられ、お金もなく携帯もつながらず困っていると言います。雨に濡れ寒さに震える娘たちを、エヴァンは自宅に招き入れ、シャワーを貸し、衣服を乾かしてやります。
 突然の訪問者ジェネシスとベルは、最初はエヴァンに感謝し慎ましい態度を取っていましたが、しだいに彼を挑発し始めます。愛妻家で家族思いの彼は、女性たちの大胆な行動に戸惑い、抵抗し続けますが、3人だけの秘密という言葉に誘惑され、ベッドインしてしまいます。
 それからジェネシスとベルは豹変し、エヴァンを縛り上げると、家を破壊し始めるのでした。

 映画「スピード」や「マトリックス」「ジョン・ウィック」などで凄腕のファイターを演じたキアヌ・リーブスが地味で生真面目な良き家庭の善き父親を演じています。家族がレジャーに出かけ、仕事を片づけるために家に残ったエヴァンの元を訪れた訪問者は、まだひじょうに若い2人の女性。彼女たちが豹変して獰猛な野獣と化すなどとは想像もできません。
 最初はうぶな少女のようだった2人が、次第に大胆になり、彼を誘惑し始めます。そしてここだけの秘密だと言って彼をベッドに誘います。
 行為のあと、別人に変じた2人は部屋を荒らし、大騒ぎを始めます。2人は周囲の家がみんな留守であることも承知しているし、警察に通報したら不利になるのはエヴァンの方だと脅迫します。未成年者とのファックは重罪だと言うのを聞いて、エヴァンの顔が青ざめます。最初は2人はフライトアテンダントだと言っていましたが、実際には未成年だというのです。
 こうなるとエヴァンは手も足も出ません。椅子に縛りつけられ、2人の破壊の限りを見守るばかりです。

 不当な暴力に屈するのが屈強な男性で、か弱い女性が破壊の限りを尽くすというのは、珍しいパターンですが、なぜかそれほどの斬新さを感じませんでした。若い女性の自由奔放さがそのまま暴力という形で現れた、そんな感じでした。
 ずいぶんむかしに読んだ女流作家によるサスペンスで、性犯罪に加担したのが女性であったために捜査が難航するという内容のものがありました。その小説でも性犯罪に及ぶのはほぼ男性であると書かれてあり、女性による衝動的な暴力というものがひじょうに少ないということが強調されていました。
 男性の性衝動はひじょうに直情的で、女性を見たり女性のことを考えたりするだけで性欲が喚起され、女性の場合は男性に求められることによって喚起される傾向にあるそうです。人間の感情は複雑ですから、画一的に割り切れるものではありませんが、相手の気持ちも考えずに、あるいは暴力に訴えてでも異性をものにしたいという衝動は、女性には多くないようですね。
 この作品は、女性の性衝動による暴力をテーマにしているわけではないと思います。ジェネシスとベルはハニートラップとして性交渉を武器にしますが、エヴァンを縛り上げてからは彼をセックスの玩具にするのではなく、彼とその家庭に破滅をもたらすことに興じます。
 どの男もそう。セックスのチャンスを与えたら拒む男はいない。2人はエヴァンにそう言います。愛する妻や子供がいて、裕福な暮らしがあって、それに充分満足しているのに、与えられた機会を男は拒まない。だから2人は、獲物に困らない。腕力では太刀打ちできないような相手でも、路頭に迷い保護を必要としている若い女性を演じれば家に招き入れられ、誘惑にものってくる。セックスにまで持ち込めばあとは相手は意のままになり、裕福な家庭を存分に破壊するという快楽を堪能できるというわけです。
 これはもしかすると、ありうる事件かもしれませんね。実際に破壊行為に及ばなくても思い描いてみる、勝ち組になって調子こいてる奴をぎゃふんと言わせてやりたいと想像してみる、それは特異なことではないかもしれませんね。
 そう考えると、ジェネシスとベルを一方的に憎めないような気もしてきます。彼女たちの行為は人々の心の闇を具現化したもの、なのです。でも、こんなこと繰り返していると、そのうち捕まりますね。男性の方だっていつも一方的にやられているとは限りませんし、ハニートラップに引っかかる前に彼女たちを取り押さえて警察に通報してしまうかもしれませんし。
 彼女たちに捕まって欲しくないなんてちょっぴり思ってしまう筆者の中にも心の闇が存在するのでしょう。

原題:KNOCK KNOCK。
2015年アメリカ、99分、翌年日本公開。
監督、脚本:イーライ・ロス。
脚本:ギレルモ・アモエド、ニコラス・ロペス。
出演:キアヌ・リーブス、ロレンツァ・イッツォ、アナ・デ・アルマス、アーロン・バーンズ、イグナシア・アラマンド、コリーン・キャンプほか。

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