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アメリカン・ホラー・ストーリー:体験談【TVドラマ】

2018/01/13


 ノースカロライナ州の森の奥地。マット・ミラーとシェルビー夫妻は、そこで古い屋敷を競り落として住み始めますが、仕事でマットが不在の間にシェルビーは恐ろしい体験をします。突然降ってきた氷が無数の人の歯だったり、白衣の女性が2人侵入して来たり。また、庭で露天風呂を使っていると浴槽に押し込まれ危うく溺死しそうになりました。
 マットは、競りに敗れたポーク家による嫌がらせだと推測し、警察に届けますが、シェルビーの話しを裏付ける証拠は何も見つかりません。
 マットは、妹で元警官のリーを呼び寄せ、彼の留守中の不安を取り除こうとしますが、彼女もまた奇怪な体験をし、彼女が呼んだ幼い娘フローラはプリシラという存在しない少女と仲良くなります。そしてフローラはいなくなります。
 ミラー夫妻やリーとその娘を恐怖に陥れたのは、西部開拓時代の入植者たちの霊でした。その首領格の女性トマシーン・ホワイトは、森の魔女スカアハに魂を売り、自らも魔女と化しました。通称ブッチャーと呼ばれるロアノークの魔女は、開拓者一族が飢餓に瀕し滅び去ったロアノークから一族の霊を連れてミラー夫妻の屋敷を襲撃したのでした。

 ミラー夫妻の恐怖体験は「ロアノークの悪夢」というテレビ番組として公開され、夫妻やリーは、その時の様子をカメラの前で語り、俳優たちによって再現ドラマが作られました。番組は高視聴率をマークし、第2部の製作が決定、番組ディレクターのシドニーは、撮影スタッフを引き連れてミラー夫妻たちが実際に恐怖体験をした館の近くに拠点を構えます。
 今回は、ミラー夫妻やリーと、再現ドラマでそれぞれの役を演じた俳優たちが共に屋敷を訪れ、ロアークの悪夢を実際に検証することになります。シドニーは出演者たちを屋敷に残し、自分たちは中継車に隠れて多数のカメラでその様子を撮影しようとしました。盛り上げるために超常現象を演出するためのトリックも仕掛けました。
 この半分やらせの演出に嫌気がさし現場を離れたスタッフは事故死してしまいます。かくしてロアノークの悪夢は人知れず始まったのでした。
 ブッチャーことトマシーン・ホワイトが一族を引き連れてやってくるのは月が赤く染まる夜、数々の異変と共にブラッド・ムーンの夜が迫ってきますが、屋敷に取り残された出演者たちは、番組のスタッフと連絡が取れなくなっていました。
 やがて彼らを、前回を上回る恐怖が待ち受けているのでした。

 アメリカン・ホラー・ストーリー:シーズン6です。アヴァンタイトルの後メインテーマが流れるという構成が変わり、シェルビーとマットのインタビューでお話しは始まります。和題のサブタイトルにありますように、文字通り恐ろしい経験をした人の体験談を語るテレビ番組という形で進みます。筆者は最初、このシーズンは1話か2話完結の様々な恐怖体験を集めたオムニバスなのかと思いました。英語サブタイトルのロアノークがそのまま和題になっていたら、そうは思わなかったかもしれません。
 とにかく、体験者の証言と役者が演じる再現ドラマが交互に配されるというパターンは、これまでになかったものです。しかしながら体験談を語るシェルビーを演じるのがリリー・レーブで、再現ドラマのシェルビーはサラ・ポールソンが演じるという、シリーズのレギュラー俳優が出演しているので、単なる体験談の寄せ集めでは終わらないかもという予感あるいは期待もありました。
 そして、回が進むにしたがって期待は大きく膨らみました。シェルビーとマットの恐怖体験は、古い歴史に根差した恐ろしい因縁に裏づけられており、出演者もどんどん増え、次々と恐ろしい事件に巻き込まれてゆきます。
 ロアノークの魔女が支配する森に古くから住んでいるポーク家は、ブラッドムーンの期間にのみ降臨する魔女とその一族に代わって、外部からの侵入者からこの地を守るという約束で、魔女たちから守られています。ミラー夫妻が屋敷を購入する際に競売で張り合ったのもそのためだったようです。ミラー夫妻やリー、その娘フローラは、ブッチャーたちとポーク一家の2つの勢力から命を狙われることになったのです。そして恐怖体験がテレビ報道され、第2期撮影のために人が増えると、犠牲者も増えて行くことになります。
 この屋敷はもともとエドワード・フィリップ・モット伯爵の家でしたが、彼もまたロアノークの魔女の犠牲になっています。伯爵を演じたエヴァン・ピーターズも、このシリーズのレギュラー俳優です。
 お話しでは、伯爵の家に住む人たちがロアノークの魔女の犠牲になるようですが、魔女すなわち トマシーン・"ブッチャー"・ホワイトが、なぜロアノークから離れたこの地を侵略者から守ろうとしたのでしょう。西武開拓時代、ロアノークに取り残され、故郷からの援軍を待っていた人々が、ロアノークの死守をあきらめて遠征の果てにたどり着いた新天地だったのでしょうか。一族はこの地で果て、ここにとり憑いているのでしょうか。そうして最初にこの地を脅かしたのがモット伯爵で、以来彼の屋敷は、住む者を拒む呪いの館と化した、ということなのでしょうか。モット伯爵もまた屋敷に呪縛されていますが、それ以降にここで犠牲になった人たちもまたここに囚われているのでしょうか。
 今回は、恐怖体験の再現ドラマというユニークな構成になっていますが、古い時代の霊を幽閉し続ける屋敷というシチュエーションが、シーズン1と似ていますね。

原題:American Horror Story:Roanoke。
2016〜2017年アメリカ、10話。
監督:ブラッドリー・ビューカーほか。
脚本:ライアン・マーフィーほか。
出演:リリー・レーブ、サラ・ポールソン、アンドレ・ホランド、キューバ・グッディング、デニス・オヘア、ウェス・ベントリー、エヴァン・ピーターズ、シャイアン・ジャクソン、アンジェラ・バセット、レディー・ガガ、シャノン・ルシオ、レスリー・ジョーダン、フランセス・コンロイ、フィン・ウィットロック、ロビン・ワイガート、スーザン・バーガー、フランク・コリソン、フレデリック・コーラー、キャシー・ベイツほか。


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